クローズアップ現代「“都会のマンション”に異変!あなたはどうする?」で、マンション問題の特集が放送されました。
マンションの空き室の増加、相続と修繕積立金、住宅政策など都会の住まいであるマンションへの現状と問題点、これからの課題についてです。
番組内容のほぼ全文をお知らせします。
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クローズアップ現代「“都会のマンション”に異変!あなたはどうする?」
目次
クローズアップ現代「“都会のマンション”に異変!あなたはどうする?」で、マンション問題の特集が放送、マンションの空き室の増加、相続と修繕積立金、住宅政策など都会の住まいであるマンションへの現状と問題点、これからの課題などがつぶさに取り上げられました。
以下に、番組内容のほぼ全文をお知らせします。
放送内容の通りだと、実例を含み長くなるので、要点を読みたいという方はこちらの記事でご覧ください。
マンション空室に管理費滞納!修繕も売却もできず資産価値も低下 クロ現要約
クローズアップ現代の番組紹介文
クローズアップ現代の番組紹介文です。
都会のマンションで空き家が増えています。
東京都内の空室は約70万戸と過去最高を記録。
背景には、所有者の高齢化や世代交代をめぐる相続放棄などが。
管理費の滞納や老朽化の原因となっています。
出演者
荻原博子さん (経済ジャーナリスト)
長嶋修さん (不動産コンサルタント)
深山州さん (マンション管理士)
武田真一 (キャスター)
クローズアップ現代「マンション」特集番組内容
ここから番組内容をお伝えします。
取り上げられたのは下の3つの点です。
・マンションの空室と老朽化の問題
・マンションの修繕積立金の不足
・タワーマンションの今後の問題点
都内のマンションの空室が過去最高の70万戸に
首都圏で建設されるマンションは、およそ780棟。
その一方、都内のマンションでは、誰も住んでいない空室が増えるという異変が起きています。
その数は過去最高のおよそ70万戸となっています。
マンション空室増加で起きる「管理費の滞納」
所有者がおり、しかも誰も住んでいない部屋では、管理費が滞納されるケースが急増。
管理費の滞納の何が困るかというと、マンションの危険な老朽化が加わり、管理費などで賄う、修繕や建て替えの費用負担ができないことが問題となっています。
東京23区内に5000戸の「埋もれた空き室」
空き家に関する調査を行うに民間企業の調査員が、マンションの空室を調査。
調査につれてわかってきたのは、空き室として販売賃貸情報に公開されている以外にも、マンション内に空室があるところが多いということです。
あるマンションでは、登録されているのは1戸だけだったにもかかわらず、この会社の調査で、不動産市場に出回っていない空室が6戸あることがわかったといいます。
このような”埋もれた空室”は、これまでに調査しただけで、東京23区内に5000戸あることがわかっています。
最も多いのは新宿区で677戸、次いで多いのは杉並区673戸 、人気エリアの港区でも268戸も埋もれた空室が見つかっています。
空室の調査員談
結構ある。空き家の調査をしていて新築マンションがどんどん建っているのを見るともったいないなと思う
5000戸は全体の1%?
空き家活用会社の和田貴充社長は、
5千件という情報は、実際の1%位なのかなという感じ、どんどん増えていく可能性はあると思います。
5000戸が全体の1%に過ぎない印象だということなので、あるいは、実際の空き室はもっと多いということになりそうです。
マンション空室の対応は困難
新宿区にある築30年以上のマンション、最寄駅から徒歩10分以内の好立地。
このマンションで、人が住んでいない一室が見つかり、管理組合の理事長女性が調査をした経緯が映されました。
管理費の滞納が130万円に
一昨年、管理組合の理事長となった女性ですが、いつのまにかこの部屋が空室になっていることに気がついたと言います。
水道や電気は四年前から止められており、管理費は4年半滞納、金額は130万円近くに上っています。
外部に調査を依頼
管理を請け負って困り果てた女性は、マンション管理士の中山孝仁さんに相談するなどして、登記簿などを見てもらい、所有者が女性であり20年前に購入していたことがわかりました。
中山さんによると、高齢化で入院したり老人ホームに言ったり、亡くなっている場合など、連絡が取れないケースは増え続けているということです。
このような場合はどうするかというと、所有者の親族を探し当てて、理事長と一緒に家を訪ねたものの不在。
マンション所有者の身内と接触
その後、偶然マンションを訪ねてきた、所有者の息子さんに会うことができました。
息子さんは、母親が田舎の方に戻っているので、こちらの管理がわかっていなかった状態だと説明しています。
しかし、滞納した130万円の管理費はどうするのかは、まだ不明です。
マンション管理の理事長となった女性は、
管理費については、組合としてきちんと対応していこうと思います。
ほとんどの理事会の人は素人がなるわけなので、なかなか難しいですよね。
と話します。
マンションの相続放棄のケース
マンション世帯主の年代は、世帯主の年齢別割合を見ると、70代以上が2割を超えたことがわかっています。
マンションを所有している親族が借金を残して亡くなった場合は、相続人はその借金も引き受けなければなりません。
それを避けるために相続を放棄すると、マンションの部屋の所有権が”宙に浮く”ケースがあるのです。
相続放棄の部屋の補修は?
マンション管理士会の若林さんが相談を受けている築40年のマンションに持ち上がったケース。
11階から排水が漏れてくるという住民の訴えがあり、調べてみたら10階の排水管が詰まっていました。
10階の70代の所有者は5ヶ月前に死亡。親族からは相続を放棄したので自分には関係がないと告げられたといいます。
マンション管理組合が費用の負担を
そうなると、費用の負担をする人は誰もいなくなるため、水漏れに対応するため、管理組合が60万円を負担しました。
マンション空室は売却もできない
相続放棄をされた部屋の売却も検討しましたが、容易ではないことがわかりました。
相続する人がいない部屋を売却する場合、家庭裁判所に申立をし、弁護士などに依頼する必要があります。
そのためには100万円ほどの費用がかかります。
たとえ売却できたとしても、所有者が抱えていた借金、滞納した管理費などの返済に充てられて、負担した分が戻らない可能性もあるのです。
管理費の滞納問題のポイント
スタジオの専門家のコメント
借金ある人が残したマンションという資産を誰がどういう風に処分するのかというのは、非常に重い問題だと思います。
スタジオの皆さんのコメントを紹介します。
経済ジャーナリスト萩原博子さん
マンションそのものが値上がりしなくなってきている。目いっぱい抱えてしまうとそこから動けない。そこにいるしかないということで、老化と老朽化が両方一緒に来る。
相続もできないため空室ができる。結局高齢化が背景にある。
不動産コンサルタント長嶋修さん
相続になって連絡が取れないなどとなると、個別に対応する必要があり、手間がたいへんになる
マンション管理士 深山洲さんの説明
滞納に対する時効は5年なので、とにかく早めに対応しないといけない、
毎月の管理費と修繕金を集めるのだが、組合は早めに仕掛けていくことが必要。
人間関係ができていると言いづらい面があるが、早めに言う必要がある。
----------以上「“都会のマンション”に異変!あなたはどうする?」より
ここまでが、マンションの問題を取り扱ったクローズアップ現代「“都会のマンション”に異変!あなたはどうする?」の前半部分です。
番組後半の、マンションの老朽化と建て替え、それとタワーマンションの問題点その他の後半部分については次の記事