賃貸アパートの階段が崩落、住民が転落死した事件で、アパートを施工した神奈川県内の建築会社、則武地所が捜索を受けていることがわかりました。
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外階段の崩落で死亡事故が起きたアパート
目次
東京都八王子市内のアパートで、外階段を上っていた住民が、階段の崩落により、死亡する事故が起きました。
事故原因の調査がされていましたが、警視庁は、2日、業務上過失致死の容疑で、アパートを施工した則武地所(のりたけちしょ)とその社長の自宅、それとアパートの設計をした建築事務所などを家宅捜索したということです。
東京都八王子市の賃貸アパートの外階段が崩落、住民が転落し事故死した事件、事故が起こったアパートは下のアパートです。
則武地所の社長宅が家宅捜索
このアパートは築8年ですが、現在の社長の就任は3年前だということで、建築当時のことを知らないということをインタビューで語っていました。
なので、今回の家宅捜索を受けた家は、則武地所の当時の社長宅だということです。
さらに、アパートを設計した人も判明しており、インタビューでは自ら外階段の施工が、設計とは違っていたことも話しています。
アパートの設計や施工に関する資料を押収したことが伝えられており、当時の建築資料などが調べを受けています。
則武地所とは

https://www.e-noritake.com/index
今回のアパートを建設した則武地所とは、神奈川県相模原市にある建設会社だということです。
則武地所のHPを見ると、木材を自社の工場などで加工して、「快適なヒノキの家を低価格で建てる」とトップページに記されており、それが売りの会社であるようです。
業務内容は「 1.不動産業2.建築工事一式3.土木工事一式4.上下水道工事一式」となっています。
則武地所の社長
則武地所の現在の社長は佐野由美子氏という女性社長で、3年前に就任したばかりだということを、朝日新聞のインタビューで話しています。
則武地所が産業廃棄物処理で措置命令
なお、則武地所は、産業廃棄物処理法で行政処分を受けていたことが、相模原市のHPに記されています。
株式会社則武地所の廃棄物撤去に係る指導について
令和2年2月12日、13日に本市が産業廃棄物処理基準に適合しない処理を行った株式会社則武地所と行為者に対し、生活環境の保全上支障を生ずるおそれを生じさせたため、廃棄物処理法に基づく措置命令を発出し、令和2年11月13日までに埋立処分した産業廃棄物を全量撤去し、適正に処理するよう求めていましたが、9月から10月の長雨や重機の故障等で掘削作業に時間を要したこと、当初想定した以上に廃棄物混じりの土が出土し、土に混じった廃棄物を取除く作業に多くの時間を要したことから処理期限までに履行できませんでした。
今後、履行期限までに撤去できなかった廃棄物の処理について、処理期限を令和3年10月13日とし、廃棄物の全量撤去に向けた指導を引き続き行っていきます。―https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/recycle/1018767.html
則武地所の場所と様子
神奈川県相模原市中央区相模原2丁目11−27
階段は木製だったことが判明
今までで分かったことは、設計をした男性は「階段全体を鉄骨で作るように設計した」と朝日新聞に話していることが伝えられています。
ところが、実際の階段の踊り場部分は、木製となっていました。
そしてさらに、その部分が、防腐処理をしていなかったために、腐食していた可能性が高いことがわかりました。
アパートの外階段のような建物の階段には、建築基準法では、、木製の素材を使うことは禁止されています。
そのため、警視庁では、踊り場が木製になったのはなぜなのか、その過程と、そして、防腐処理がなされていたかどうかの鑑定を専門家に依頼することとなっています。
業務上過失致死容疑とは
今回のような事件は、単なる老朽化とは違い、人為的な事故である可能性が大きいです。
現在のところ、アパートの所有者に対して、何らかの措置が行われたことは伝わってきていません。
アパート他120棟を調査へ
今回の建築会社は、東京都と神奈川県に建物を建設しており、他の建物の安全性が懸念されます。
そのため、同じ則武地所によって、2010年度以降に建てられた120棟の階段に同様の事例がないかが調査を受けることとなりました。
この報道までに、神奈川県厚木市の1棟で、同様の腐食が見つかっており、さらに、八王子市の他の物件でも、腐食を疑わせる例があるということで、これから詳しい調査が求められます。