実家の空き家を買取業者に買い取ってもらった体験の実例を示します。
空き家率18%の町で築40年の問題あり物件の実家、売却をあきらめかけていましたが買取で無事売却に成功しました。
実家の空き家の買取
目次
実家の空き家は最初は仲介での売却を予定していましたが、相続人きょうだいの一人が音信不通で相続登記ができず、亡くなった父名義で売却を開始せざるを得ませんでした。
そのため、買取業者に買い取ってもらって売却を完了しました。
相続後10年が経っていましたが、実家を売って手放すことができてほんとうに安心しました。
※実家売却の体験をブログに記載した記事はこちらから読めます
空き家買取の流れの解説は
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実家の売却の概要
物件の種類 | 注文住宅の一戸建て |
所在地 | 北関東 |
所有者 | 父 |
売却年 | 2018年 |
築年数 | 築39年 |
坪数 | 約37坪 |
売却額 | 100万円 |
売却形態 | 業者買取(共有持分) |
リフォーム歴 | 防音室増改築他 |
実家は福島に近い北関東のごく普通の住宅団地内にある普通の一戸建てです。
家は当時としては2階に4間ある比較的大きな作りでもありしゃれた洋風の建築でした。
実家は問題あり物件だった
- 持分なし私道
- 欠陥住宅
- 表題登記未登記
- 相続登記未登記
- 地域の空き家率18%
ただし、この家は接道が持分なし私道に始まり家屋にも何らかの欠陥があるなど明らかに問題あり物件で、しかも地域の空き家率が18%と高率なところでした。
その上、仲介の査定中に雨漏りが見つかり到底仲介では売れる望みが亡くなったので、買取に切り替えたものです。
別な意味では、このような条件の家であっても代金が受け取れたわけですので、買取の成約率はひじょうに高いといえると思います。
実家の買取について
ここから私の実家の買取の流れの実例を掲載します。
実家は福島に近い北関東のごく普通の住宅団地内にある普通の一戸建てで、買ったのはネットで見つけた東京の業者です。
私の実家の場合は問い合わせ2日後には買うという返事をいただきましたが、そのあと相続登記は司法書士に依頼、表題登記を自分で行ったので日数が月単位でかかりました。
登記を申請してから法務局で登録されるまでが3週間かかるものを2つ行ったためです。
なお、通常の買取の場合は登記を自分で行うという必要はありませんので、その部分は省いて読んでください。
一般的な買取の流れはこちらの記事をお読みください。
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私の場合は相続登記はネットで見つけた3万円台で引き受けてくれるところに依頼しました。すべて郵送で完了したので苦労なくすみました。
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家屋の登記が必要に
相続登記そのものにまず3週間かかり、そのあと表題登記となりました。
表題登記の際、相続登記に使った還付書類の弟の住民票を再度使わないことには自分で登記ができないため、相続登記の終了を待つ必要があり、そのため終了まで3か月かかったものです。
要は相続登記ができないため亡くなった父の名義のままで売却を開始したのでそうなったわけですが、通常はもっと短期で代金支払いが可能です。
その間のスケジュールは以下の通りです。
その時の記録を元に振り返ります。
なお文中の不動産の会社名は仮名です。
実家の買取の流れの事例
ここから実際に体験した事例を記録に基づいて書いていきます。
実家の場合は最初仲介の査定を依頼するところから始まりました。
しかし…
9月17日 地元の中央不動産に仲介目的で現地を見てもらう。しっかりした造りだと褒められ、建物を残すように勧められる。
しかし、2階に上がったと同時に、南西の部屋天井に雨漏りの後を発見。補修に費用負担の必要な仲介は諦めることとなり、その瞬間買取以外に方法がなくなった。
買取に切り替えた最大の要因は、雨漏りを発見したことでした。
雨漏りのある家は、仲介では絶対売れないわけではありませんが、売りに出してもまず買う人はいないと思われます。
※雨漏りなどの欠陥住宅については
買取業者を探す
そこでインターネットの査定サイトなどを使って買取業者を探すこととなり、そのうち最終的に2社から連絡が来ました。
9月24日 ネットで見つけた買取業者である都内のパリス不動産から連絡あり。
26日 同じくもうひとつ、都内のアート不動産から連絡あり。
買取業者が査定開始
買取会社が2社とも、現地に視察に行ってくれました。
27日 パリス不動産が当県まで来て現地の視察。外側からのみで私の立ち合いは不要だった
29日 パリス不動産から100万円で買うとの返事がある。
一方、アート不動産もその間に現地視察。そのまま引き続き12月下旬まで電話をくれていて、こちらも購入の申し出は変わらなかった。
結果をいうと、パリスの方がアートよりも数十万円高く買い取ってくれることが分かったので、比較上おのずからパリス不動産に売却することを決めました。
なお、この場合は土地と家の名義の半分だけの売却なので、通常の買取でしたら価格はこの倍以上になると思います。
当家の場合はあくまで特殊な共有持分のみの売却となります。
共有名義で相手の同意が取れない時や、相続登記ができない、話がまとまらない時に、自分の権利分だけを売却するという方法です。
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売買契約の準備
このあとは、持分なし私道の所有者である建設会社に、所有者が代わる連絡を入れたり、買取業者に書類を郵送するなど、売買契約の準備を進めました。
10月1日 夫にパリス不動産に確認の電話をしてもらう。後の弟との交渉のやり方や、家はリフォームして販売する予定など聞ける。
4日 交渉途中であった私道の持ち主である鈴木建設に、土地が売却予定で持ち主が変わるので、今後そちらと交渉を願いたいと電話をする。パリス不動産がそのあと鈴木建設に電話を入れる。
6日 中央不動産に内覧のため預けておいた家の鍵を取りに行く。社長に仲介で売るよう「500万円(で売る)」とも言われて引き留められる。
7日 実家のある市(車で1時間半)の市役所に自分の謄本などを取りに行く。パリス不動産に必要な書類を郵送。
中央不動産は仲介で依頼をしようとした最初の会社ですが、ここでは「500万円で売れる」と言われていました。
もちろん買取と仲介なら仲介の方が早く売れますが、仲介では無理なので買取に転じたわけです。
相続登記を依頼
予定をしていた司法書士に相続登記を断られてしまったので、自分でネットで3万円で相続登記を請け負うという司法書士に依頼をしました。
10月17日 パリス不動産から司法書士に断られたとの電話が入る。
18日 ネットで探した3万円で請け負うというワールド司法書士事務所に電話。パリス不動産にも連絡を入れてもらい、そこに依頼することになる。
21日 ワールドから申し込みのための書類が到着。申込用紙に記入の上、金額を5万円にして依頼申し込みの返送をする。
途中、父の子供の時に住んだ他県より戸籍等を取り寄せたため、郵送等に日にちがかかり、登記が完了したのは11月28日だった。
司法書士の先生本人に3万円でできると確認を取りましたが、急ぎでお願いしたかったので、5万円のプランでお願いすることにしました。
表題登記を自分で行う
次には表題登記を自分で行うこととなり、法務局に何度か相談に行きました。
表題登記を自分で行うという人は他にもいます。うちの場合は先に図面を書いてもらっていたものがあったのでその点はとても助かりました。
11月4日 既に図面を書いてくれていた家屋調査士が表題登記を断ってきたとのパリスから連絡。自分ですることになる。
7日 最寄りの法務局へ予約の上、最初の相談に行く。
14日 再度法務局に行く。細かいところを再度、直すように言われる。亡父が所有していた家だと説明するための資産証明書を取りに行くよう言われる。図面に作成者の家屋調査士の印鑑が必要だと言われ、パリス不動産に連絡をする。
15日 実家の市の市役所に資産証明書を取りに行く。
17日 家屋調査士の印鑑の入った図面が到着する。
28日 相続登記完了の知らせ。郵送された還付書類の到着を待つ。
その途中で市役所に追加の書類を取りに行ったりなど、忙しい日々が続きました。
最終的に申請を行う法務局は実家のある市の法務局で、市役所は実家のある市役所、うちの場合は電車で30分でしたが、それ以上遠方の場合は自分では難しかったと思います。
また、たった数回でもそうなりますので、たとえ電車で30分でも空き家の管理は離れていては到底無理だったと今になって思います。
表題登記の申請完了
表題登記の申請が完了して、やっと買取の完了に近づきました。
12月5日 最寄りの法務局に行く。最後に提出先でチェックを受けてから、申請するように言われる。
6日 同市の法務局に申請の書類を持参する。数か所手直しと弟の分に押印をして提出。
9日 なぜか還付手続きをしなかったことに気が付き、何か問題が起こった場合、弟の住民票等が必要になるかもしれないと思い、再度法務局に還付手続きに行く。
13日 法務局から補正があるので来るように連絡。出かけていく。この間、現地の確認に立ち会う。
15日 法務局に完了証を取りに行く。
この間、買取業者とは何度か電話で指示を受けたり連絡を取り合って、いろいろ教えていただきました。
そしていよいよ売買契約です。
買取業者と売買契約
12月17日 パリス不動産の社長が司法書士を連れてきて、自宅にて売買契約の完了。
26日 土地家屋とも、私の持ち分2分の1の移転登記完了の知らせが届く。これで私の名前が登記簿からなくなったことになる。年末ぎりぎりであった。
年末が迫った12月でしたので心配でしたが、やっと登記が完了すると、すぐに売買契約、つまり代金を受け取って売却を終了することとなりました。
売買契約は司法書士を交えて通常は銀行の一室などで行われますが、この場合は手渡しが可能な金額だったので、買取業者が司法書士を連れて家まで来てくれました。
買取で私が移動をしたのは、自分の書類を取りに市役所に行った時だけで、後は、全部郵送と自宅で行えたことになります。
自宅にて契約書類と内容を確認。司法書士に説明を受けて、書類に捺印をして、手元の家関連の書類を渡しました。
代金の支払いと受け取りは手渡しで行い、受領書にサインをして終了となりました。
買取を終えて-まとめ
問題あり物件で地元の不動産店には全部断られ、売却をあきらめかけた実家でしたが、買い取ってもらえて感謝しかありません。
以上が、実家の買取の流れということになります。
各記事の目次です
実家の接道が私道と判明 はたして売却できるのか【実家売却のブログ1】
※家が売れない場合のこちらの記事も
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