不動産の売却は、売り方だけでなく、業者の選び方、仲介と買取の違い、解体をするべきか、家の中の物はどうするか、相続や税金の課題など、さまざまな要素が含まれます。
この記事では、戸建て・マンション・土地などの不動産を売却する際に必要な事項をまとめます。
不動産売却の仲介と買取の違い

不動産を売却する方法は、大きく「仲介」と「買取」の2つに分かれます。
仲介は「売り主・買主」の取引で、不動産会社が仲介に入ります。対して、買取は売り主・不動産会社のみの2者間での取引です。
どちらが自分に合っているかを正しく理解することが、納得のいく売却への第一歩です。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。
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仲介売却とは?

仲介売却とは、不動産会社に仲介役を依頼し、一般の買い手(個人・法人)に物件を売る方法です。
不動産ポータルサイトや折込チラシなどで広く購入者を募るため、市場価格に近い金額で売れる可能性が高くなります。
ただし、買い手が見つかるまでに時間がかかるのが一般的です。
また、売却が成立した際には仲介手数料(売買価格が400万円を超える場合は「売買価格の3%+6万円+消費税」が上限)が発生します。
買取とは?

買取とは、不動産会社が直接物件を購入する方法です。
一般の買い手を探す必要がないため、最短数日〜数週間で現金化できるのが最大のメリットです。仲介手数料も不要で、内覧対応や広告活動の手間もかかりません。
仲介と買取の比較表
| 比較項目 | 仲介売却 | 買取 |
| 売却価格 | 相場に近い(高め) | 相場の7〜8割程度 |
| 売却スピード | 3〜6ヶ月以上 | 最短数日〜数週間 |
| 仲介手数料 | あり(3%+6万円+消費税が上限) | なし |
| 内覧対応 | 必要 | 不要 |
| 費用の有無 | 解体費・物の処分費用 (※必要な場合のみ) |
現況のまま買取 持ち出しなし |
| 向いている人 | 高値重視・時間の余裕あり | スピード重視・手間を省きたい |
不動産の仲介と買取の比較を表にまとめました。それぞれにメリット・デメリットがあります。
一言でいうと、売れる不動産は仲介、売れにくい不動産は買取一択です
使わない不動産を放置するリスク

使っていない不動産を長期間放置すると、固定資産税の負担が続くだけでなく、防犯・防災リスク、近隣トラブルなどの問題が発生する可能性があります。
建物がある場合にいちばん怖いのが家の劣化で、人が住まなくなった家は、通気を怠ると湿気がこもり、築年が古い家は予想よりも早く老朽化が進みます。
特に怖いのが雨漏りで、築古物件に多く見られ、ある日突然発生して補修の費用を余儀なくされるケースが多発しています。
さらに劣化が進むと、空き家特別措置法によって自治体から建物の解体を求められたり、強制的に解体となり費用を請求されるおそれもあります。
土地だけの場合でも、雑草や不法投棄への対応など管理の手間と費用はかかり続けます。
多くの人が建築物はいつまでも状態が変わらないと錯覚していますが、新築の家と古家は別です。年数の経った家は管理を徹底しないと日に日に劣化が進んでいき、ある日突然不測の事態が起こります。
リスクを防ぐ最善策として、使う予定のない不動産は早めに売却をするのがいちばん良いのです。
不動産買取のメリット

相続したものの管理が難しい、住み替えで不要になった、活用方法がわからないといった理由で、不動産を手放したいと考えている方も多いでしょう。
不動産の買取を利用することで、得られるメリットは以下の通りです。
- すぐに現金を手に入れることができる
- 売れないストレスと無縁
- 仲介手数料が不要
- 契約前後のトラブルがない
- 契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)が免責
- 問題あり物件でも現金化できる
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空き家売却は仲介と買取どちらがいい?違い・メリット・選び方をわかりやすく解説
不動産買取の相場

買取価格は仲介売却の相場に比べて低くなる傾向があります。これは、業者がリフォームや再販売のコストを見込んで査定するためです。おおむね相場の7割程度を目安としてください。
道路に問題があったり、事件・事故が関与した場合などの問題がある不動産や特殊物件は、さらに低くなることが予想されます。
注意したい解体費と残置物処分
しかし、築年の古い家の価格については、7割といっても仲介に比べて低いとは必ずしも言えません。
それは解体費や残置物の処分費用が含まれる場合です。
解体費はもっとも高額

仲介といっても、築年の古い家の場合は、解体が前提での売却となる場合があります。
近年値上がりしている解体費は200万円前後となることもあり、この分を入れると買取の方が手間・費用ともにメリットが大きい場合があります。
残置物処分の費用が100万円を超えることも

また、家の中に物があふれている相続物件の売却の場合、買取なら残置物の処分費用が不要とする不動産会社もあります。
残置物処分費用は、量によっては100万円を超えることがあり、仲介の場合は売却前に費用の負担が必要となります。買取か仲介かの決定は、このマイナス分も考慮に入れた上で慎重に決めることが必要です。
買取が増加した理由
買取での売却が選択肢に入ってきた理由は、エリアや物件の状態によって仲介では不動産が売れにくいためです。
ひとつは、相続の多発で売りに出される不動産が増加したこと。もうひとつは、相続要因による売買が主流となり、築年の古い家が売れにくいことが背景にあります。
今では、築古物件や条件の悪い不動産は、買取による売却もスタンダードな方法となっています。
不動産買取の流れ

不動産の業者買取は、各買取業者に共通して以下の手順で進行します。
査定依頼⇒現地調査と査定⇒買取価格の提示⇒売買契約⇒買取完了
ただし、全国対応の業者であれば従来とは違い、査定はメール査定や立ち合いなし査定が選択できる他、売買契約も来社せずに進めることができます。この点を踏まえて全体の流れを見ていきましょう。
無料査定の依頼
インターネットや電話、メールなどで買取業者に査定を依頼します。
早い業者は即日対応で、訪問査定や机上査定、オンライン査定の他、現地調査も行われます。
全国対応の不動産会社であれば査定時は希望すれば鍵を事前に郵送することもでき、必ずしも立合いや案内の必要はありません。地元業者については不動産会社によって違うので確認してください。
査定結果の確認

提示された買取価格を確認します。他社と比較することで適正価格かどうか判断しましょう。
最低でも2社以上は買取価格を比較してください。
買取契約の締結

金額に納得したら契約を締結します。この際、重要事項説明の確認が行われます。
司法書士が同席して登記の手続きについて説明を行い、その場で書類を作成することも多くあります。
売買契約とは何をするの?
売買契約では重要事項の説明と契約書の読み合わせを行い、双方が内容を確認します。その内容で契約を締結した証明として、契約書に署名捺印が行われます。
売却代金の受領
契約締結後、数日から数週間で売却代金が支払われます。振り込みが主流ですので、入金を確認します。
また、登記の書き替えには3週間ほどかかり、完了は法務局からの郵便の通知で確認ができます。
全国対応の買取業者には即日決済が可能なところも多いので、急ぎたい場合は相談してみてください。
売りたい不動産が遠い場合のリモート売却

相続した実家など、売りたい不動産が住まいより遠い場合に用いることができるのが、オンラインやリモートといった、スマホやパソコン、インターネットを使ったサービスです。
リモートでの売却は、査定から売却終了まですべて自宅で行うことも可能です。
リモート対応の理由
全国対応の業者は、インターネットを通じて日本全国から査定の依頼を受け付けています。
そのため、遠方の売り主がわざわざ来店しなくても売却を終了できるように態勢を整えています。
たとえば、九州に住む人が大阪の実家を売却したい場合に、大阪で立合いの上、東京の事務所に来店しなければならないとなったら、売却そのものが利用できないおそれがあります。
そのため、全国対応の業者は立ち合いなし査定や、オンラインでの売買契約ができるようになっているのです。
オンライン・立合いなし査定

オンラインでの査定とは、スマホなどで物件を撮影し、メールなどで送付する方法です。
また、鍵を送付しておき、立ち合いなしで業者のみでの査定を依頼することもできます。
これらの方法は、不動産が遠方にある場合でも依頼ができ、交通費や時間の節約につながります。
査定方法はオンラインのみの場合と、後日現地確認が必要な場合があります。依頼前に業者へ確認しておきましょう。
対面と同じように相談が可能

査定のヒアリングや、売却前の相談、契約時の重要事項の説明と契約書の読み合わせなどは、オンラインでできます。
オンライン、またはリモートとは双方がインターネットを介して通話を行うことで、電話の他、上記の画像のようなパソコンやスマホのwebカメラで対面時と同じように話すことができます。
売買契約の電子契約および電子署名

売買契約も対面ではなく、オンラインで行うことが可能です。
電子契約は、WordやPDFの契約書を専用クラウドサービス上にアップロードし、メールを通じて双方が承認(電子署名)することで、紙の契約書と同様に売買契約をオンラインで締結するやり方です。
契約書の署名捺印は、現代では電子署名が可能で、法的な効力を持つことが定められています。
もちろん以上の方法は、あくまで売り主の希望で成立するものですので、電子機器を使いたくない方は、従来のように自ら建物や敷地を案内したり、最寄りの支店で相談から売買契約までを行うこともできます。
いずれにしても現代では、査定から売却まで自分の好みや都合に合わせた取引が可能ですので、不動産の売買もかなり便利になったといえるでしょう。
相続した不動産の売却と税金
相続で取得した不動産を売却するとき、「税金はいくらかかるのか」「売れた金額の何割くらいを納税するのか」が気になる方は多いでしょう。
- 税金は「売れた金額」ではなく「利益」にかかる
- 取得費が不明だと税額が高くなりやすい
- 相続空き家の3,000万円特別控除や取得費加算の特例で税負担が下がることがある
相続した不動産の売却税金 早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何に税金がかかる? | 売却額そのものではなく、売却益(譲渡所得)に対してかかります。 |
| 基本の計算式 | 譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除=課税譲渡所得金額 |
| 長期譲渡所得 | 所有期間が5年超なら約20.315% |
| 短期譲渡所得 | 所有期間が5年以下なら約39.63% |
| 相続不動産の所有期間 | 被相続人の取得時期を引き継いで判定します。 |
| 取得費がわからないとき | 概算取得費として売却額の5%を使える場合があります。 |
| 主な特例 | 取得費加算の特例、相続空き家の3,000万円特別控除など |
| 注意点 | 特例は自動適用ではなく、確定申告が必要になることがあります。 |
相続した不動産の税金は、「いくらで売れたか」よりも「いくら利益が出たか」で決まります。さらに、取得費がわかるかどうか、特例が使えるかどうかで、最終的な税額は大きく変わります。
相続で取得した不動産を売却すると、どんな税金がかかる?
そもそも、不動産売却の後にかかる税金はどのような種類の税金なのかから確認していきましょう。
相続した不動産を売却したときに問題になるのは、主に譲渡所得にかかる税金です。ここでいう譲渡所得とは、売却によって得た利益のことで、単純に売却代金そのものを指すわけではありません。
たとえば、2,000万円で売れた不動産でも、取得費や売却にかかった費用を差し引いた結果、利益が小さければ税額も小さくなります。逆に、取得費がわからないまま計算すると、課税される利益が大きくなり、税負担も重くなりやすいのが相続不動産の難しいところです。
相続で取得した不動産の売却税金の計算方法
相続で取得した不動産の売却税金を考えるときは、まず譲渡所得の計算式を押さえておくことが大切です。
譲渡所得の基本的な計算式
譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)- 特別控除 = 課税譲渡所得金額
この「課税譲渡所得金額」に税率を掛けて、最終的な税額を求めます。つまり、税金の計算では、売却価格そのものよりも、取得費や譲渡費用、使える特例の有無が重要になります。
譲渡価額とは
譲渡価額とは、基本的には買主から受け取る売却代金のことです。実務では、固定資産税や都市計画税の精算金も譲渡価額に含めて考えることがあります。
そのため、「売買契約書の金額だけ見ればよい」とは限りません。最終的な収入として何を受け取ったのかを確認しながら整理することが大切です。
取得費とは何か
取得費とは、その不動産を取得するためにかかった費用のことです。土地なら購入代金や購入時の手数料、建物なら購入代金や建築代金などがベースになります。
相続不動産の場合は、自分が買ったわけではなくても、原則として被相続人が取得したときの取得費を引き継いで計算します。つまり、親がいくらで買ったのかが税額に大きく影響することになります。
建物は減価償却を考慮して計算する
建物の取得費は、購入時の金額をそのまま使うわけではありません。建物は年数の経過で価値が減るため、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。
この点は土地と建物で扱いが異なるため、土地と建物が一体になっている実家の売却では、とくに注意が必要です。税額を概算したい場合でも、建物の取得費は単純計算にならないことを知っておきましょう。
取得費がわからないときはどうする?
相続した不動産では、親がかなり昔に購入していて、売買契約書や領収書が見つからないことが珍しくありません。そうした場合は、概算取得費として売却額の5%を取得費にする方法があります。
ただし、概算取得費は実際の取得費よりかなり低くなることも多く、その分だけ課税される利益が大きくなりやすいのが難点です。できるだけ税負担を抑えたいなら、古い契約書、通帳、不動産会社の資料などが残っていないかを先に確認しておくのがおすすめです。
私の不動産売却の体験談

私には、空き家になった実家を10年かけて買取業者に売却した体験がありますので、それをお話しします。
私自身が中学生の時に引っ越した実家で、その地域内では床面積が37坪と比較的大きな、当時としては洋風でモダンな家でした。
地元で買取を断られた実家
ところが実家を大手の買取業者に見せたところ、欠陥あり住宅、私道持分なし、建物は表題登記が未登記の問題あり物件と判明しました。
そのため、費用負担をおそれた元々疎遠だったきょうだいが音信不通となって相続登記ができず、亡くなった父の名義のままと、さらに問題が重なりました。
最後は弁護士に相談の上、相続後10年を経過して私の持分のみを買取で売却しました。
全国対応の買取業者が見つかった!

問題あり物件なので低価格での売却となったものの、地元の不動産店では問い合わせた全部に断られたものが、インターネットを通じて査定を利用することで、買い取りたいという業者を東京から2社も見つけることができました。
2社の査定金額を比較の上、高く買い取ってくれる方に売却、弟と2分割でも最終的に8桁の金額で売却に成功したのです。
大手買取業者に何社も断られた物件でも、全国対応の業者であれば売却はできます。
売れにくい不動産をお持ちの方も「問題物件だから」とあきらめずに、積極的に高値での売却を目指してみてください。