前回の記事ではスルガ銀行の写真が1億6千万円の顧客の定期預金を無断解約して融資の資金に回したことをお伝えしましたが、同じくスルガ銀行をめぐる新たな不祥事が発覚しました。
一つは暴力団員に住宅ローンを行っていたということ、もう一つは、その背景には、融資の実績が社員のボーナスに直結するという制度があったことです。
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暴力団員にも住宅ローン
スルガ銀行が住宅ローンを実行した相手に、指定暴力団組員がいた疑いのあることが判ったといいます。住宅購入資金を貸した相手が今年、警視庁に恐喝容疑で逮捕されて判明したものです。
シェアハウスを巡る融資では改ざんされた審査書類に基づく不正な融資が横行。
ずさんな審査態勢は、シェアハウスや不動産関連の融資だけではなかったとということです。
問題となっている融資は、2010年に実行した住宅ローンだそうですが、融資先が当時から指定暴力団の組員だったかどうかは不明とされています。
銀行協会の基本方針に反する
取材に対して銀行側の回答は、個別事案のため具体的な回答は控える」ということですが、全国銀行協会は反社会的勢力との関係を絶つための基本方針を定めており、承知の融資であれば当然問題視されてしかるべきでしょう。
さらにスルガ銀行が、過去の融資先が反社会的勢力に加わっているかどうかのチェックや、、反社会的勢力との関係はそれ以外にもあったのか、銀行の態勢にもさらなる疑問を残すこととなりそうです。
銀行と反社会的勢力との取引はこれまでも問題になっており、2013年12月にはみずほ銀行が暴力団関係者への融資を放置していたとして金融庁から一部業務の停止命令を受けており、スルガ銀行も当然処分が求められることになりそうです。
スルガ銀 融資するほどボーナス増
さらにもう一つ、今回明らかになったことは、スルガ銀行のシェアハウスを含めてのこれらのずさんな融資の問題で、背景には融資の実績がボーナスに直結する利益至上主義があったことが日本テレビの取材でわかりまいした。
スルガ銀行では、シェアハウス購入を希望する個人に十分な自己資金がなくても、通帳の残高の数字や源泉徴収票その他を改ざんして、本来なら取り扱えないとされている案件にまで、強引な融資を行っていました。
当初はその理由として、ひとつは、厳しいノルマがあって、その達成のためとのことでした。
しかし、今回さらに、融資の背景には、融資額が行員のボーナスに直結する制度があったことが新たにわかったといいます。
最大で月給の1年分
ボーナスの額が融資の契約額に応じて変動する仕組みで、年間で月給の4か月分から1年分までの幅があったといいいます。
多く融資を実行した社員は、よりたくさんのボーナスを受け取れるいわゆる出来高性の仕組みとなっていたようです。
ですので、ノルマの達成のためばかりではなくて、社員の個人的な利益をあげる手段でもあったということで、ずさんな融資のモチベーションはあるいはそこにあったのかもしれません。
スルガ銀行では、問題発覚後にボーナスの制度を変更しているが、金融庁では利益至上主義がずさんな融資を生んだとみて、経営陣の責任を問う方針だということです。