先週、空き家のリフォームについて問うアンケートが市から送られてきました。
この団地もそれほど空き家が増えているのか、果たして市は空き家を引き取ってくれるのか、アンケートに答えながら、がっかりする思いと心配との両方でした。
しかし、アンケートを終えて文面をよく読み直してみると、実は必ずしも悪いことばかりではないのではないかと思い当たりました。
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中古住宅のリフォームはコンパクトシティ構想の一環
アンケートの文面にある通り
これまでの新築主体からの転換を図り、高齢化の進展などにより年々増加傾向にある優「良な空き家・空き室といった既存ストックを活用した住宅施策を進めています。
今後、住宅団地再生協議会では、中古住宅の入居促進のため、国の補助金を活用して住宅のインスペクションやリフォームを試行していく予定です。
これはもちろん、空き家対策には違いありません。個人レベルで言うと、今後家を手離す際に、中古住宅として売れるかどうかが心配であるわけなのです。 しかし、当市長からの「ご協力のお願い」には、
多局ネットワーク型コンパクトシティの構築を目指しています。
とあります。そうなると、単なる家のリフォームにはとどまりません。 街ぐるみの改革となって、空き家対策はその一部に過ぎなくなります。
立地適正化計画とは
街の機能を集約化したコンパクトシティ、その進化版が、2014年に始まった立地適正化計画です。
街のある地域に、病院、福祉施設、保育施設、学校、商店街などを集約させて、その周囲に人が住むように指定する。現在350の自治体で進行中です。 公共交通サービスの充実化させ、高齢者でも歩いて、用事や買い物ができる街となるというものです。
車社会になる前の団地
この団地は以前は団地の中心に、役所の出張所と公民館、銀行に郵便局に店まで何でもありました。
今から40~50年前にできた団地は皆そうでした。なぜなら、当時は自家用車というものがまだなかったので、郊外に団地を作る場合は、そのように周辺環境を整えたものが必要だったのです。
そして数十年の後に団地の人口が減少して、店は軒並み閉店、その他の施設も移転してしまったわけですが、おそらく、今の団地のエリアにもう一度人口を集め、そして以前のように、周辺環境を整える、それを行うための始まりが、今回のアンケートだったのかもしれません。
住居に関しては、数千戸を全部壊して新築するというわけにはいきませんから、中古住宅もできるだけ利用しようということなのでしょう。
誘導区域の地価は上がる
その町ができるところ、すなわち立地適正化計画が行われるところは、地価は確実に上がります。
現在進行中の埼玉県入間郡毛呂山町は「公示地価上昇10%以上を目指す」と言っており、心強い限りです。
一方では、居住誘導区域に指定された土地の所有者にとっては、吉報ではあるものの、それ以外の地域に関しては、その分行政サービスは低下し、地価も落ちることになるという、両極化が生じることになりそうです。 しかし誘導区域は不便なところに住んでいる人々が、今後移り住む場所でもあります。
たとえば、売り終えた実家は元々が山の上にあり、高齢者は結局自発的に住み替えを余儀なくされていました。
元々がそういうところに住んでいた人であれば、便利なところへの住み替えは願うところかもしれません。 そもそもが不便になったから、誰もかれもが家を捨てて都会に移るということになってしまっては、地方は成り立たなくなってしまいます。
空き家が空いたままにはならない施策が考えられてはいるようです。 この団地が今一度より良い土地になりますように。 そう願いながら、アンケートの封筒をポストに落としてきました。