空家を福祉施設として活用しやくするための、建築基準法が改正されることが決まりました。
このあと国会に改正法案が提出されますが、それは所有者にとっても有利なことで、決定されれば、空き家が高く売れるようになるでしょうか。
あるいは、老人施設や保育所としての活用の需要はあるのでしょうか。
スポンサーリンク
耐火基準と用途変更の規制緩和
これまでも、一戸建てを多人数で利用するための建物として活用するという考えはありました。しかし、住むための建物ではない、別な用途に利用しようとすると、特に火災の対策に関しての厳しい規制がありました。
なので、一戸建ては、住宅以外には、せいぜい店舗として用途を変更して使うという制限が生じていました。
しかし、全国の空き家が820万戸となり、所有者不明、放置の他にも、空き家火災や、ゴミの不法投棄などが社会問題となり、それらを防ぐためにも、できるだけ再利用をするのが望ましいということがわかってきました。
住宅として以外の活用
人口が減ってしまっているため、住宅として入居したいという買い手や借り手は望み薄です。
それで、住むところではなくて飲食店や保育所、高齢者の福祉施設など住居以外にも利用したらどうかという考えが生まれたようです。
そのため、火災対策に改修せよというのではなく、警報機を設置すれば、そのまま使えるというように、利用者側の出費や手間を抑えるものに、法律を変えようということになりました。
それだけなら費用がこれまでの10分の1に抑えられるということですから、その分の費用は大幅に減ることになります。
空き家ビジネスで買い手が増すことも
そもそも考えてみれば、その程度の大きさの家なら、火災などの避難の際も、どこから外へ出られるのかわからない、廊下が長過ぎて誘導が必要などということもないはずです。
しかも、これまでも人が住んで暮らしてきた家ですから、他の用途にしたところで、急に危険度が増すとも思えませんし、そのまま使えるような程度の良い家もあります。
手続きが簡単になれば、最小限の費用で活用でき、買い手が増すことが予想されます。
しかも住居ではないので、予算も一般住民よりも十分とも言えます。
今までのビジネスモデルなら、まず空き地に建物を建てるところから始まりましたが、それを土地も建物もある、という状態から、経営を始める方向にシフトしていくでしょう。
そうすると、住むのではなくて、経営を始めたいという人が買い手になる可能性も出てきます。
老人ホーム用に土地が売れた父
私の義父は、以前関東の田舎の方に、自分が住もうと思って土地を買いました。
通常の分譲地ではないところでしたが、義父は事業をしていたので、それで話があったのだと思います。
ところが、いざ家を建てようとしたら、建築認可が下りず、結局家は別なところに土地を買って建てました。
そのうち、周辺の開発が進んで種目が変わり、そこは、老人ホーム経営のための買い手がつき、ある程度広い土地でもあり、良い値段で売れたようです。
義父はそのお金を元に、今度はハワイに家を買いました。
上記の土地は元々は居住目的で買った土地でしたが、予測しなかった投資として、土地が利益を生んだ例です。
老人ホーム、中でも特別養護老人ホームというのは、敷地が大きいこともあって、地価の安い、いわゆる田舎に建てたものがたくさんあります。
なので、多少不便かと思うようなところであっても、十分建築が検討される可能性はあると思います。
町中に増える住宅型老人ホーム
一方、街中の老人施設については、近年は、もっと小規模なものが急速に増えています。
「住居型老人ホーム」といって、利用者の支払う費用が軽費で、月額10万円までいかないものです。
ここは特別養護老人ホームに比べて、比較的軽度の方が入所するところなので、短期入所、デイサービスなど、毎日でも通える便利なところがよいのです。
そして、名称に「住宅型」とつくように、ほとんどが平屋です。このタイプの施設であれば、建物も敷地も小さい方が良く、一般の住宅地に建っているものがほとんどです。
私の今住んでいる団地の中にも、中古住宅をそのまま老人施設として利用しているところがありますので、これからは増えていくに違いありません。
不足する保育所や託児所
保育所に関しては、「保育園落ちた日本死ね」という書き込みが有名になりましたが、そのくらい不足が続いています。
保育園は自宅や職場に近くなくては、送り迎えが大変ですので、小規模なものが、地域内にたくさんある方が望ましいでしょう。
医療施設ではないものは、それほど建物が新しくなくても、これまで人が住んでいたものなら、内装のリフォームだけでも十分使用に耐えるとも思われます。
とにかく経費を安くオープンにこぎつけられるとなれば、シェアハウスや民泊を含め新しいビジネスモデルも生まれていますし、これからも新しいアイディアも続くことでしょう。
まとめ
今回の規制緩和は大いに期待ができるものです。
このあと売却予定の夫の実家も、商業地にあるメリットを生かす買い手が見つかるよう頑張っていきたいところです。