サブリース契約について、消費者庁は、オーナーに約束された賃料が入らなくなるリスクがあるとして、契約の際には十分注意するよう呼びかけました。
しかし、毎月固定した賃料が入るというのは、最初から「家賃保証」として定められていたことです。その支払いがなぜ途中で減額ができることになっているのでしょうか。
サブリース契約の問題点を解説します。
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サブリースへの消費者庁注意の内容
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消費者庁が、サブリース契約について、注意喚起を行ったというニュースの内容は以下の通りです。朝日新聞の記事より。
サブリースをめぐっては、「家賃保証」で誘われた会社員らが銀行から金を借りて、「シェアハウス」に投資してオーナーに。しかし、運営会社の賃料支払いが停止し、ローン返済に苦しむケースが出ている。
消費者庁によると、業者が長期間家賃を保証すると口約束しても、契約書には賃料が変わる場合があると記載されているのが一般的という。入居状況や家賃相場の下落によって賃料が減ることがあるため、担当者は「契約書を十分に確認してほしい」と話している。
「業者が長期間家賃を保証すると口約束しても、契約書には賃料が変わる場合があると記載されているのが一般的という」部分をオーナー側がどれだけ知っていたのかが疑問です。
サブリース契約とは
問題になったサブリース契約は元々シェアハウスだけでなく、アパート経営のビジネスモデルとして知られるようになったものです。
しかし、そのビジネスモデルで実際に賃貸経営を誘った不動産管理会社レオパレス21に対して、やはり同様の問題でオーナー達が、今年2月に集団訴訟を起こしました。
その最大の理由は、やはり賃料の大きな減額でした。
レオパレスの集団訴訟例
レオパレス21の賃貸オーナーは2万7000人にも上ると言われています。
そのうち100人を超えるオーナーが、賃貸アパートの管理会社であるレオパレス21を相手取り、集団訴訟を起こしました。
サブリース契約の賃料の金額は、2005年の契約当初月額78万円。
契約書には「10年間不変」と明記されていましたが、6年後の11年に経営難を理由に約10万円の減額を求められたといいます。
サブリース契約の落とし穴
もっとも問題となる点は、契約の際30年の「家賃保証」となっているものが、実際には変更ができるということをオーナ側が知らないという点です。
サブリース契約の場合は、管理会社側は、投資を持ちかけ建物を管理する側ではあっても、オーナーが貸主、会社側は借主ということになります。
そうすると、賃貸借契約における借主の保護を目的とした「借地借家法」に基づき、借主の方は、保証期間内であっても賃料を減額を提案できるということになっているのです。
つまり、30年間固定の家賃という契約は、借主であるレオパレスに不利な契約とみなされ、賃料を下げないという特約はいつでも無効にできることになっているのです。
そのことをオーナーたちは契約時に知らされていたのでしょうか。これでは、法律に無知な素人が圧倒的に不利なことは明らかです。
家賃保証をめぐるやり取り
家賃減額を申し出たレオパレスに対し、オーナーたちは「30年家賃が下がらない」という収支計画書を提示。
しかしレオパレス側は、特記事項として「将来的に家賃見直しの可能性がある」と書いていると釈明。
もちろん、オーナー側は「そんな話は聞いていない」ということになり、訴訟ということになったのです。
「家賃見直しの可能性」との記載
問題の見直しの説明ですが、契約書のどこかに「10年間は当初の賃料を保証するが、その後は経済事情の変化に応じて2年ごとに見直す」などの条項が小さな文字で書かれているといいます。
そして実際にその2年ごとの見直しの際に引き下げが行われて問題が顕在化したのでした。
10年後の破綻
そ「建築提携型」のアパートが最も多く建てられたのが、約10年前。
そうなると、この家賃引き下げが行われるのが10年後ということになります。
そして、実際に10年後の今、集団訴訟問題が次々に起き、2012年には「サブリース被害対策弁護団」が弁護士によって結成されており、今後も案件が増えていくと言われています。
日弁連も意見書
この点について、日弁連は、レオパレス訴訟と同時期、今年2月に意見書を提出しています。
日本弁護士連合会は21日までに、アパートなどを一括で借り上げる「サブリース」付きの不動産投資勧誘の規制を強めるよう求める意見書を、国土交通省と金融庁に出した。アパートなどへの投資を勧誘する建設業者や、融資する銀行への規制強化を求めている。意見書は、建設業者などがサブリース付きで投資を勧める際、家賃変動や中途解約などで将来の賃料は保証されない、と事前説明するよう義務づけることを求めた。サブリース契約を結ぶ管理業者も任意の登録制度を義務化し、説明責任を負うべきだとした。融資する金融機関にもリスクの説明義務があるとして、銀行法施行規則で明記するよう求めた。
ここで言われていることも、やはり「家賃変動や中途解約などで将来の賃料は保証されない」という部分です。
空き家増加で賃貸も競争激化
人口減少と空き家数の増加が言われている中で、賃料の引き下げ以前に、30年以上の長期に渡って賃料を払い続けるという「家賃保証」がそもそも成り立つものなのかどうか。
収支が合わなければ、幾ら契約といっても、その管理会社が破綻して、家賃支払いどころではなくなります。
しかし、これが、空き家問題がさかんにマスコミに取り上げられるようになった今でこそ言えることで、レオパレスの例でいえば、今から13年前の2005年時点で予測しろということは、きわめて難しいことであったと思います。
アパートとシェアハウスとではシステムが若干違うとはいえ、上記のレオパレスの訴訟問題が、もう少し世に知らされていれば、今回のシェアハウス問題もあるいは避けられたかもしれないと思うと残念なことです。
まとめ
不動産関連の業種の人ならともかく、素人がいきなり賃貸経営のオーナーになるという場合は、こうしてみると極めて難しいものがあると思います。
検討の際は、事前の情報収集、そして何より信頼できる専門家への相談が必要です。
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