退職後は賃貸に住むのが良いのでしょうか。それとも売れない持ち家を所有し続けるべきでしょうか
土地の値段が下落しており、地方の土地は売れにくくなる一方です。
住み替えるのなら、賃貸が良いという意見が主流で、私もそう考えていたのです。
しかし、なぜかここへきて、持ち家が良いという論が高まってきています。それはなぜでしょうか。
持ち家か、賃貸かを再度考え直してみます。
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経済的な面では持ち家が楽
老後の家というのは、何しろ現役の時とは比べて資金が限られています。
それ以上に、毎月の収入が年金だけとなりますので、住居費が生活費を圧迫するようなことがあってはなりません。
専門家は、出費を比べた場合には、持ち家の方が「楽」だと言います。
賃貸の場合は家賃が高い
賃貸で何と言っても心配なのは、家賃です。地方でもどう見ても最低額でも7万円位。
それを年金で支払うというのは、最初は良くてもだんだんきつくはならないか。
夫に言わせると「一年で100万円位はすぐ飛んでしまう」というわけです。
マンションの管理費はそれほどでない
逆にマンションを買った場合は、管理費というものが必ず取られます。
これも最低額でも3万円弱くらいでしょうか。今まで持ち家だった時から見ると、これも大変大きな出費のように思えます。
しかし、持ち家において、庭の手入れや、外壁の塗装など、度々出費がかかると思えば、その分が積み立てになっていると考えることもできます。
逆に言えば、管理費さえ支払っていれば、あとはマンション自体の建て替えは大規模修繕さえなければ、大きな出費はないことになります。
この点は、むしろ隠れた利点とも言えるかも知れません。
持ち家は始めが出費が大きく、賃貸はあとになるほど大変
家賃が収入の25%内にできれば、余裕のある生活が可能だといいます。
しかし、月7万円の家賃となれば、下手をすれば年金の半分くらいになってしまうかもしれません。
もちろんそれを見越したうえで、家賃の分は貯蓄を取り置く必要があります。家を買ったと思って、その購入費を家賃に当てるようになるでしょう。
老後の安心という課題
ところが専門家は、そこにこそ大きな問題があると言います。
元国税調査官でベストセラー「やってはいけない老後対策: 定年後貧困にならないための処方箋」著者の大村大次郎氏は、断然、「持ち家の方がいい」という意見です。
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持ち家が優れているのは、ローンの支払いさえ終われば、“何歳まで生きても住むところには困らない”という精神的な安定感を得られる点です。
賃貸の場合は死ぬまで家賃の支払いが続き、貯金額がどんどん減っていきます。
それを目の当たりにすると、不安に駆られてリスクの高い投資に手を出す……といった、やってはいけない老後対策の罠に嵌まりやすくなる。
『安心』という要素を軽視すべきではないと考えます。
ああ、なるほど。けっして金銭的なことだけではないというお教えです。
老後の心境というのは、現役の時にはなかなか想像ができないのですが、お金が今以上に大切なものと感じられると同時に、実際にもお金が頼りであるのも間違いありません。
両親を見ていますと、どううわけか、家の両親は私の方も夫の方も貧しくはないのですが、浪費傾向が強く、今になってお金がないので心細いとしきりに言います。
実際、病気になった、入院をしたといいますと、年金だけではない、そちらに貯金を使うことになりますし、常時お金が必要になります。
父の介護中は、とにかく施設の代金で20万以上が毎月出て行く。その他に入院となると、高齢者の場合は、健康保険だけでは実際賄えないのです。
その時に、さらに賃貸の費用を支払わなければならないというのは、ひじょうに気が重いことになるに違いありません。
その他の持ち家のメリット
大村さんは、その他にも
・持ち家は資産価値を持つ
・リバースモーゲージも使える
とも言います。自宅が売れる他、担保価値があるということですね。
購入時には値上がりする地域を選び上がったら売るという方法、投資を兼ねて自宅マンションを選ぶという方法も人気になりました。
私たちの場合は、資産価値があるほど、立地の良い高額な場所を変えるかどうかは疑問ではあります。
しかし、これまでは、金銭的な辻褄さえ合えばいいと考えていたので、「老後の安心」という、むしろお金では買えない大切なものがあるということに、あらためて気が付きました。
まとめ
最初に家を買うとなると当然高額の出費が予想され、その後のことも考えるには、今度こそ、間違いなく売れるところを探さなければなりません。
定年間近になって住み替えというのも、なかなか大変な話です。
今更言っても始まりませんが、相続する家が売れない、実際問題として相続する家、住める家がないということが、やはり問題の根幹ではなかったか。
3つの家とマンション1つ、どれも売れない、住み続けられない、相続もためらわれるとは何という厳しい時代になってしまったことでしょう。
ともあれ、家を買うにしても、今度こそ慎重に。
今から買うという場合には、到底やり直しができませんので、条件に合うところを少しずつ当たって、まずは見分を深めていこうと思っているところです。