販売会社社員のインタビュー
販売会社の業者取材のインタビューに応じました。
販売会社は、サブリース会社の物件を顧客に紹介し、契約が成立すれば、サブリース会社から報酬が支払われるしくみです。
今回、子の業者がインタビューに応じた動機は、身の潔白を証明したいというものでした。
計画倒産でなかったか
取材では、オーナーらが疑問に思っているところ、最初から代金を持ち逃げする、すなわち「計画倒産ではなかったか」ということを、業者に訪ねたら、次のような答えでした。
倒産後の社長の印象
まず、倒産後が通達されて、業者が驚いて社長を訪ねると、ガヤルドの床西社長は、「突然資金繰りが回らなくなってしまって申し訳ない」と謝ったそうです。
しかし、10億もの負債を抱えてもうろたえず、あまりにも落ち着き過ぎていることに、驚いたと言います。
また会社の資金がないことを示すために、通帳を見せたり、手慣れても見えて、不審な点が多かった。
過去にも倒産経験
ガヤルドの床西社長は過去にも会社を倒産させており、この業者は「今となっては今回も計画倒産だったと思います」と述べています。
ガヤルドに関しては、スマートデイズのやり方をマネして作った会社だといっています。
しかし、広いオフィスに従業員は数人のみ。あくまで、会社の体裁を整えるために借りたフロアのようだったとも話しています。
この業者はガヤルドに対して民事訴訟を起こしていますが、ガヤルドから支払われるはずだった報酬などのお金は返ってこないと諦めている様子です。
スルガ銀行が主犯
そして、この業者はスルガ銀行についてもかなり詳しいところを話していますが、「スルガ銀行が主犯」と言い切っています。
その理由を要約すると次の通りです。
・行員がサブリース会社とパッケージ作り
・「1~2億円までの物件」「東京23区と神奈川県の一部のエリア」「利回りは7~8%」が融資の条件
・資産証明をコピーで済ませ、改ざんが可能なのはスルガ銀行のみ
・スルガ銀行のクレジットカードを顧客に作らせる「見返り融資」の指示
・地方営業に行く際の交通費を販売会社が立て替え
このうち、交通費の立て替えについては、ガヤルドの元社員は別なことを述べていますので、それはこのあとに記します。
ガヤルド元従業員インタビュー談話
この従業員は床西社長に声をかけられて2016年1月から8月まで業務。
計画倒産については、「最初から飛ぶ(逃げる)気ではなかった」と言っています。
そして、ガヤルドの経営が苦しくなった理由にスルガ銀行の変化をあげ、スルガ銀行とガヤルドの共同のパッケージ作りについて詳しく述べています。
ガヤルドの経営が傾いた理由と経過
・“融資の締め”により見込んでいた融資が行われなくなった
・その資金不足から床西社長がスルガ銀行に相談して融資金を「3割、3割、4割」に組み替え
・「歩積両建預金」制度(定期預金をしないと融資しない)分をガヤルドが建て替えなど
・融資9割の残る1割はガヤルドが負担
スルガ銀行員へのキックバックは?
これについては、この元従業員は、「それはない。そういうお金を受け取る人立ではなかった。弁当を渡してようやく受け取るくらいだった」と返答しています。
「計画倒産か」の問いには?
スルガ銀行からの融資が順調であり、千葉など東京以外の物件も扱っていた時は、その気配はなかった。
完成までいっている物件もあるとして、この元従業員は、「最初から飛ぶ気ではなかった」と返答しています。
まとめ
かなり詳しい内容のインタビューと談話で、細部にわたり読みごたえのあるものでした。
一番印象に残ったことは、「潔白を証明したい」と取材に応じた、販売業者が語った次のことです。
「不動産売買契約の場合、虚偽の内容が含まれていれば契約自体を白紙にすることができます。
しかし、不動産の契約と、銀行との融資契約は別で、顧客側からすると、不動産の契約を白紙にできてもローンだけが残る可能性があるということです」
多くのオーナーを苦しめているのは、言うまでもなくこの点です。
そして、これに関わり、詐欺まがいの案件を可能にしたのは、やはり融資を行ったスルガ銀行です。
被害者オーナーらが、不動産会社よりも、むしろ銀行に対して追及してほしいという理由もそこにあるでしょう。
先にお伝えした、第三者委員会の調査結果は8月をめどに公表されるということです。
それをもって、今後の方向がおのずから決まっていくことでしょう。
この記載の元となる記事: ねとらぼ