私たち夫婦は、今住んでいる家の名義人、父が昨年亡くなったので、住み替え先を探しているところです。
新築、中古戸建、マンションも含めて、物件を検討中なのですが、その後、格安の物件を見つけました。不動産業者に電話を入れた後、それが任意売却物件だとわかりました。
うまく手に入れられれば、相場より安く買える任意売却物件、その内覧の体験をお伝えします。
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任意売却物件とは
任意売却物件とは、住宅ローンの返済が困難になった物件所有者が、住宅ローンをまとめて返済する目的で、売却する物件です。
ローンを滞納しておおむね3か月で、ローンを支払う先の金融機関が物件を差し押さえ、その後は競売となりますが、任意売却は、急な差し押さえなどの競売よりも、所有者にはメリットが多いので、それ以前に自分の意思で売却をするというものです。
価格が安いのがメリット
しかし、任意売却は、通常の仲介などの売り方とは違い、急ぎで売らなければならないことが多いので、物件の価格が安くなることが多いのです。
私たちが当たった物件もそのようなケースに該当するもので、後から計算すると、土地だけの値段だとしても、相場の7割となっていました。
任意売却物件はどこで見つけたか
その物件はどこで見つけたかというと、ネットの大手不動産販売サイト、アットホームで、通常の中古戸建のページで、売りに出されていました。
見つけたのは夫なので、「普通より安いな」とは思ったものの、その時点では特に気が付かなかったと言います。
不動産業者に連絡して任売物件と判明
その後、夫が不動産業者に内覧目的で連絡を入れた際、業者が「任意売却物件」と言ったので、初めてそれだとわかりました。
電話口で説明されたことは、
「なんで安いんですか」
「これは、任意売却物件と言って、ローンが払えなくなった人が処分しようとしているところなんです。」
と最初に説明を受けました。
家の状態については
「UR住宅機構が開発したところで、通りに面していてとてもいいところです。施工者は住友林業ですので良い家ですよ」
そこで、私たちは、内覧に行く日時を約束しました。
不動産業者さんが他に扱っている物件を見たところ、不動産サイトでも全部で3軒しか扱っていませんでした。
任意売却専門の不動産業者だということが、あとで会ってからわかりました。
任意売却物件の価格は?
上の物件は、公示価格と不動産取引情報検索などで調べたら、おおよそ坪27万円の地域でした。
土地面積は71坪でしたので、単純計算で1900万円、築22年の家屋は、45坪の大きな家で、施工が住友林業、しかも、父子二人住まいで、子どもは独立しているというので、家屋の状態も悪くないと思われました。
また、所有者は、土地家屋調査士をされていた方だということで、おそらく、土地の測量間違いなどはなさそうです。
さらに、土地を分譲、売買した会社はUR住宅機構ということで、その点も安心そうです。
しかも、駅からは徒歩59分と距離はありますが、スーパー、ドラッグストアが徒歩5分以内、斜め向かいにはファミリーレストランなど、住むにはたいへん便利な良いところでした。
価格以上に、それがその物件の最大の魅力でした。
任意売却物件の概況
土地面積 237㎡ 71坪
家屋面積 149㎡ 45坪
接道は16mの公道
売り出し価格は、2430万円
内覧の際に業者がくれた物件の説明書です。
これによって、任意売却になる前の最初の売り出し価格は、2430万円だったことがわかりました。
任意売却になってからの価格1790万円は、そこから640万円安くなっています。
その点を見れば、任意売却物件は、破格の値段であると言えます。
瑕疵担保責任は免責の任意売却物件
以上の情報を得て、私たちは不動産屋さんと約束をして、実際に現地を訪れました。
そこでも任売物件についての購入の説明を受けましたが、任意売却物件には、瑕疵担保責任は免責だということがわかりました。
これは、ネットの不動産売買サイトで見ている時に、「瑕疵担保責任免責」と記されていますので、慣れてくると気が付きます。
逆に築浅の物件で、「瑕疵担保責任免責」となって、価格が著しく安い場合は、任売物件である可能性があると思われます。
瑕疵担保責任とは、その不動産に欠陥や不具合があった場合に、売主がその責任をもたなくてはならないということです。
任意売却物件を購入する際には、その保証はないという条件になります。
インスペクションは依頼できるか?
そこで、夫が「インスペクションはできますか」と聞きましたが、説明を聞いて、任意売却物件の時には、実質的には、それはできないとわかりました。
とにかく、売却に急ぎなので、その場で調査ができればいいですが、日を決めて調査員が来て書類にまとめたりしている間にも売れてしまうと、調査費用が無駄になってしまうという説明でした。
なので、任意売却物件の購入の際には、事前に価格の比較などを行って置き、一回の内覧で決める必要があります。
該当物件の内覧の印象
業者さんは、全部の部屋を説明しながら見せてくれました。というのは、所有者が居住中でしたので、物品が入ったままでもあったからです。
ハウスメーカー施行ということで、家そのものが良いということはわかりましたが、家具や物があるものを見ることに慣れていない上、所有者が隣に居たりしたので、こちらの気がそれるところがありました。
新築でも中古でもそうですが、細かいところはともかく、見るべきところのポイントをしっかり確認するようにした方がいいと学びました。
任意売却物件には購入申し込みが必要
そこで、私たちは内覧の後は、不動産屋さんにお礼を言って別れました。
その際に買いたい時は、売主である金融機関に出すための書類を渡されました。この場合は、売主は、所有者ではなくて、金融機関なので、その最初の審査のために書類を出すとのことなのです。
購入希望者の状況によっては、それで買えないということもあるようでした。
次の日には売れてしまった!
その後、購入を決めたわけではないものの、夫が次の日に費用の確認をしようと電話をしたら、「売れました」という返事でした。
その日に業者にも言われていたのですが、任意売却物件は、すぐに返事をしないといつ決まってしまうかわかりません。
良いと思ったら、すぐに買うと返事をしないとだめだとわかりました。
私たちが買わなかった理由
その任意売却物件をすぐに「買おう」と私たちが思わなかったのは、リフォームにどれだけお金がかかるのかがわからなかったからです。
家そのものは悪くありませんでしたが、事前に業者の説明通り、「飼っていた犬猫の匂いがします。それからその爪痕が残っています」ということで、家に入るとすぐそれとわかるくらいの強い匂いがするというものでした。
なので、通常のハウスクリーニングではなく、特殊清掃並みの対応が必要であったこと、場合によっては、床板の張替えも考えなくてはならないと思われました。
さらに、部屋の壁の角の部分には猫の爪の跡が何か所にもわたって残っていたため、内装のクロスの張替えが部分的にでも必要でした。
また、通常取り替えるべきユニットバスや、若干の水回りの他、外壁塗装と、放置された植木の手入れを合わせると、数百万円の費用は必ずかかると思われ、結果的には購入は無理だったと思います。
しかし、任意売却物件それ自体の購入は、価格が安く、事故物件のような瑕疵は心理的にも実際にもなく、競売物件のようなリスクもないため、今後も見つけられたら、進めていきたいと思います。
また、新築も何軒か内覧しましたが、中古物件の場合に考えなければならないことなど、今回本気で見に行ったことで、大変勉強になりました。
ゴールデンウィーク中は不動産事務所が休みなので、このあともう1軒、連絡がつけば内覧に出かけていくことを予定しています。
以上、任意売却物件の内覧の体験でした。