横浜銀行と千葉銀行提携することがわかりました。10日に両行のトップが会見を予定しています。
長引く低金利に加え、首都圏でも郊外の人口減少に直面するなど経営環境は厳しくなっており、トップ地銀同士で効率化を高めるのが狙いで、両行の提携は、今後他の地銀の経営戦略にも影響を与えるとみられています。
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横浜銀行と千葉銀行が提携
横浜銀行と千葉銀行が幅広い事業で提携することが、9日にわかりました。
両行とも地銀ではトップクラスの銀行で、手を結ぶことで最強の地銀となることが予想されます。
地銀トップの横浜銀行
銀行の規模を示す総資産(2019年3月期)では、横浜銀行が1位、千葉銀が3位を占めています。
共に首都圏が地盤であるものの、営業地域の重複が少ないため顧客を奪い合わずに提携できるとみられています。
両行が統合すると、取引者数の合計は、りそな銀行を上回り、3メガバンクに次ぐランキングの4位となります。
提携の内容
提携の内容は、現在伝わっているところでは、
・M&A(企業合併・買収)や相続などの分野で、両行の顧客に適した金融サービスを提供
・千葉銀が強みを持つ遺言などの信託サービスを横浜銀の顧客に提供
・法人向け取引で顧客データベースを共有、各行の顧客に新取引先を紹介するなど販路拡大をはかる
他に、運用商品の共同開発も検討や行員のスキルアップなど人材育成の分野でも共同で進めるとしています。
資本提携には踏み込まずに独立経営を維持しながらノウハウを共有、収益改善につなげるにとどまるということです。
法人と個人各部門の連携ポイント
法人と個人各部門の、連携のポイントをまとめると
法人部門 |
・M&Aや事業承継 |
個人部門 | ・遺言信託など相続関連業務 ・データベース・マーケティングなど機能の共同利用 |
大手地銀提携の理由と背景
長引く超低金利に加え、首都圏でも郊外の人口減少、人口や企業の減少で貸出先も先細り、フィンテックを手掛ける新興企業の台頭など、地方銀行の経営環境が厳しくなっていることが提携の理由です。
トップの首都圏を基盤とする地方銀行同士が提携することで効率化を進め、新たなビジネスモデルへ転換、今後の生き残りを図ると見られています。
資本提携の予定なし
横浜銀行と千葉銀は既に株式を約0・3%ずつ持ち合っていますが、今回は業務提携にとどまり、持ち株比率の水準は維持。
資本提携には踏み込まないということです。
また、横浜銀行は東日本銀行と2016年に経営統合していますが、今回の提携には東日本銀行は加わらないとされています。
横浜と千葉銀頭取が記者会見
横浜銀の大矢恭好頭取と千葉銀の佐久間英利頭取が、10日、都内で記者会見しました
横浜銀の大矢頭取
「同じ首都圏に位置する両行は事業戦略が似通うなど親和性がある」
千葉銀の佐久間頭取
「手を携えることで顧客に高度なソリューションを提供していきたい」
大手2行の提携は、今後の他行の経営戦略にも影響を与えるとみられており、銀行の統合や提携が加速するなど、今後の動向がどう変わるかも注目されます。
横浜銀行と千葉銀行データ
両行については以下の通り
横浜銀行
神奈川県を地盤とする地方銀行で、総資産は地銀首位。東証1部に上場する金融持ち株会社コンコルディア・フィナンシャルグループの子会社。本店は横浜市。2019年3月末時点の単体ベースの総資産は16兆8099億円、預金量は14兆3209億円、貸出金残高は11兆1331億円。国内外に計212拠点を構え、従業員数は4622人。--https://www.jiji.com
千葉銀行
千葉県を地盤とする東証1部上場の地方銀行で、総資産は地銀3位。本店は千葉市。2019年3月末時点の単体ベースの総資産は14兆8916億円、預金量は12兆3334億円、貸出金残高は10兆1368億円。国内外に計191拠点を構え、従業員数は4224人。――同
千葉銀行の株価は報道を受けて、大幅反発しました。
本日の横浜銀行と千葉銀行提携のニュースと記者会見の内容は以上です。