女性性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営する不動産会社スマートデイズは破産。
これまでも不払いであるオーナーへの家賃収入の回復の可能性はなくなっています。
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金融庁の調査結果は?
金融庁の報告命令に続いて、緊急の立ち入り調査がありましたが、銀行とスマートデイズ社との共謀ということが立証されれば、ローン契約が無効になるとの見方が出ていました。
被害者弁護団の山口広弁護士は、これまで、スルガ銀がスマートデイズの経営悪化を認識しながら融資を続けたと主張。
所有者約700人の大半がスルガ銀の融資を受けており、「中には返済の重圧で自己破産した人もいる」として、既に複数回、融資契約の白紙化を求めましたが、スルガ銀は運営会社の破綻の有無にかかわらず「融資契約は有効」と主張、白紙化に対して、銀行側は拒否の回答を続けているということです。
損害賠償の提訴中弁護士の主張
同社に損害賠償を求めて提訴した所有者の代理人、加藤博太郎弁護士(東京)による主張の元となる事柄は以下の通り。
年収1000万円の会社員であれば、土地・建物の代金は1億2000万円――。こんな具合に、年収に応じて売却価格を決めていた。投資利回りが8~9%になるように、周辺相場とはかけ離れた家賃を設定。高い利回りによる一括の借り上げを所有者に約束した。
加藤氏によると、登記簿などを見れば業者の「原価」が浮かび上がる。9200万円で土地・建物を買った所有者の例では、土地代が約3000万円、部屋が10戸の建築費は約1600万円。この原価との差額にあたる4600万円は、サブリースの赤字を補填したり、販売代理店への「報奨金」(キックバック)の原資にしたりした。スマート社と直接関係のない会社にも流れたという。
原価に諸費用や利益を上乗せして売るのは通常の商売だ。ただこの物件の例では、募集した賃料は共益費込みで3万4000円。10戸の満室家賃は毎月34万円だが、スマート社が約束したサブリース料は約69万円だった。35万円もの穴があいては事業として成り立たない。スマート社は物件を売り続けることで得られる利益で補填していた。(日本経済新聞より)
投資者オーナー救済のポイント
スルガ銀行は現在、融資の実態を調査中で、元利金の返済を事実上猶予しているといいます。金融庁によるスルガ銀行への緊急の立ち入り検査は、上記のような、無理のある投資スキームを把握しながら銀行が販売に積極的に関与していたかどうかが焦点になります。
加藤弁護士によると、今回の投資スキームが詐欺行為で、銀行がそのことを知っていたり、共謀関係が認定されたりすれば、融資契約は無効になり、融資が棒引きされるなどの救済策につながる可能性はあるといいます。
まとめ
銀行の内部のことでなかなか判明させるに難しい面はありますが、共謀関係を立証するものがいくらかでも見つかって、投資者オーナーの負担が軽減されるように祈ります。