女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ社が、サブリースの家賃保証のシェアハウス投資にオーナーを勧誘後家賃が不払いに、融資を行ったスルガ銀行への書類改ざんが明らかになりました。
4月中旬についにオーナーに自殺者が出たシェアハウス投資トラブル、依然としてスルガ銀行をめぐる動向が注目されています。
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借金1億以上の「被害者」オーナーが700人
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営するスマートデイズ社が、サブリースの家賃保証のシェアハウス投資に会社員などのオーナーを勧誘。手持ち資金なしで、多くスルガ銀行からの融資で、総額1億円以上の建物を建設させました。
ところが、保証されていたはずの家賃収入が突然不払いに。困惑したオーナーがスルガ銀行にローンの返済の猶予を願い出ると、書類の改ざんがあったことが明らかになりました。改ざんされた書類は、預金通帳の他、源泉徴収票までもが書き換えられていたと言います。
一時、民事再生法を申請したスマートデイズは、申請が却下されて倒産。
現在は一部のオーナーが「スマートデイズ被害者の会」を結成。スマートデイズ社他を相手に、損賠賠償訴訟を起こすに至りました。
スルガ銀行をめぐる動き
金融庁はすでにスルガ銀行に対し、銀行法に基づく報告徴求命令を出していましたが、その後、スルガ銀行の役員が不正行為に関与していた疑いがあるとして、立ち入り調査となりました。
スルガ銀行の関与は?
もし、不正融資にスルガ銀行が関与していれば、「業務停止命令を含む重い行政処分は避けられない」(金融庁関係者)と言われています。
注目は、一体誰が書類の改ざんを主導したのかというところです。現時点で首謀者ははっきりせず、加害者と被害者、共犯関係が曖昧なままになっています。
従って、刑事事件に発展するかはいまだ不透明なのですが、オーナーが第一に知りたいところは、正にその点でしょう。
スマートデイズ社とスルガ銀行の関わり
スルガ銀行は、投資家説明会を支店で開催し、オーナー向けの融資をほぼ独占するなど、「スマートデイズとスルガは一心同体」と言われてきました。
また、スマートデイズが開いた説明会では、1月に解任された大地則幸元社長が、スルガ銀行の役員および大半の融資を実行した横浜東口支店長(当時)と面談していたことも明らかになっています。
スルガ銀行側は被害者か加害者か?
しかし、スルガ銀行側にしても、スマートデイズ社による虚偽の書類で融資後、ローンが支払えないオーナーが続出し、総額数百億円の回収のめどが立たなくなった状態です。
シェアハウスの建物には担保価値はあるでしょうが、入居者は5割で、賃料は見込めません。さらに、建物それ自体が、実際の物件価値の3割に水増しされています。
銀行側の損害も莫大ですので、銀行もスマートデイズ社に騙された「被害者」の可能性がないとはいえません。
いくら一心同体とはいえ、スマートデイズ社と共倒れになるようなことを、銀行がわざわざしたのかどうか。
故意か過失か?
あるいは、金融庁検査の結果いかんでは、故意ではなくても審査で不正を見抜けなかった過失が認定される可能性もあるとも言われています。
しかし、上記のように、銀行の支店内で説明会を開くなどしたスルガ銀行が、改ざんを含めて「無関係」と言われても、オーナーさんたちはとても納得できないのではないでしょうか。
引き続き、金融庁の調査の結果が待たれるところです。