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欠陥住宅のいちばんの被害は精神被害 新築7年後に離婚した両親

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実家の空き家の買い取りをお願いしたら、査定に来た買い取り業者から、欠陥住宅であると知らされました。

土地の価格が安くなってしまったのは、これは時代の趨勢なので、誰に責任があるわけでもない、仕方がありませんが、欠陥住宅に関しては、今でも絶対に許すことができません。
家のどこかが部分的にたまたま下手にできたというようなものではない、あくまで業者側の金儲けのための意図的な行為であることは明らかでした。この記事では欠陥住宅が、人の心や家族に及ぼす影響についてお知らせします。

建ててすぐ階段の欠陥に気づく

欠陥住宅 被害

両親が家を建てて間もなく、二階に通じる階段を全部作り直しました。そのままでは危険だと建築の知識のある人に言われたということです。

通し柱のかなり立派なものが入っていましたが、当然それは使えないことになりました。おそらくその柱だけでも、数十万円はしたと思います。

今思うと、何ともったいないことであったでしょうか。

自動車の入れないカーポートの欠陥

さらに、もう少しすると、車を入れるコンクリートのテラス部分も全部作り直すことになりました。

両親は車を持っていなかったので、訪問者のために作ったのですが、段差があり過ぎて車が入れないとわかったからです。

それは業者に依頼せず、なぜか父が自分でコンクリートを叩き割って、全部壊しました。素人ですから、来る日も来る日も手持ちの道具で、コンクリートを叩いて手動で割ったわけで、その時の悔しさは並々ならぬものであったに違いありません。

下水が流れない欠陥

そして、近年私が出入りした折には、台所の排水がトラブルを起こしました。下水が流れないので、水道が使えないのです。

業者に来てもらって見てもらうと、下水につながるパイプが、通常より径の細いものが使われているということでした。

つまり、細いものの方が安かったということなのでしょう。そして、勾配も不十分だったので、油が排水されずにたまってしまうのです。

以前住んでいた子どもの頃に母が度々水道屋さんに来てもらっていたのはこれだったのかと、やっと思い当たりました。

大きな瑕疵ではなくても、家の欠陥住宅の場合は、とにかく度々おかしなところが繰り返しトラブルになるといった状況でした。

欠陥住宅のために機嫌が悪くなった父

私たち子どもは何のためかはよくわかりませんでしたが、引っ越して間もなくしてから家の中の空気が一変しました。

父は目に見えて機嫌が悪くなり、母は仕事を持っていましたが、カーポートを壊す土方作業を手伝わされました。

新築した家は、40坪の当時としては広い方の立派な家でしたが、弟が「僕は前の家の方が良かったな」と言ったことを憶えています。

そして、家のせいばかりではありませんでしたが、その家に住み始めてたった7年で、両親は離婚することとなりました。

このような家でなかったら、私たち家族はもっと平和に暮らせていたのかもしれません。

 

欠陥住宅のもたらす大きな精神的打撃

欠陥住宅 被害

欠陥住宅の大きな被害とは、単に住んでいて危険であるとか、財産の被害だけではありません。
もっとも大きいのは、それらの心労にさらされることの精神被害です。

新築して楽しく住めるはずだった家が、全財産を奪ったに等しい。

しかも、被害者には何の落ち度もありません。それなのに、毎日そのことを思い出しながら、その家に住み続けなければなりません。

その際の精神的打撃は計り知れないものがあります。

欠陥住宅の瑕疵担保責任はおおむね10年

買取業者に指摘を受けた時に、調べましたが、新築の場合の瑕疵担保責任は、最大でもおおむね10年で、とてもさかのぼって責任が問えるものではありませんでした。

しかし、それから40年近く経って、子どもの私の代になっても、「欠陥住宅だから買えません」と言われるわけです。
子どもとして住んでいた時から今まで、ずっと被害が続いており、それは消えることはありません。

退職金をはたいて買った家で、当事者として父がさらされたこの被害を思うと、どんなにか苦痛だったことでしょう。

それを考えると、私はこの後お金があっても、家を建てたり購入しようとはとても思えません。

家を持つことだけが幸せではありません。ここまでの代償があまりにも大き過ぎました。

これからは家にしばられず、住まいにはこだわらずに暮らしていきたいとつくづく思うのです。

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