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実家の登記名義人が親でなく相続できない事態になる前に名義の確認を!

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相続に際しては、実際その時になってみて、思いもよらなかったことが起こることがあります。何しろ実家とはいえ、自分の持ち物でなければ、詳細に書類を検討したこともなく、勝手にこの位なら売れるだろうと価格を想定していざ売りに出そうとすると、とんでもない、売りに出すことすらできないということがわかった、私のような例もあります。

私の経験した欠陥住宅や、接道が持ち分なし私道だったという場合は、まだ問題を解決すれば道はあります。
今回はさらにどうしても解決が難しい、登記名義人が、被相続人(親)ではなかったというケースについて考えます。

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実家の登記名義人は誰か?

 

新しく家を買ったところに住んでいる場合は、購入した人が所有者です。しかし、地方に代々住んでいる古い家の場合は、そうではないこともままあります。

名義が先代のまま

 

もっとも困るのは次のような例です。

Aさんのお父さんは6人兄弟の長男。長生きをして90歳で亡くなったその後に、Aさんは田舎の家は売却をしようという心つもりでいました。

亡くなったお父さんの名義のままでは売れませんから、まずは相続登記です。
ところが、相続登記をするその時になって、家は父親のものではなく、ずっと以前に亡くなった祖父の名義のままになっているということがわかったとしたらどうなるでしょう。

 

相続人の数が予想外に増える

 

お父さんに6人兄弟がいて、そのうち5人が亡くなっています。Aさんから見て叔父叔母ということになりますが、叔父さんが亡くなったらその子供、叔母さんが亡くなったらその子供、Aさんから見て甥や姪、場合によっては従妹が相続人となります。

もし、それぞれに2人~4人子供がいたとしたら、相続人の数が10人を超えることもあります。

その場合、以下に縁が遠く、つき合いがない場合でも、相続人のすべてに事情を説明し、全員に実印の押印を押してもらった印鑑証明書を添付した遺産分割協議書を作成しなければ、手続きはできないことになります。

 

登記したくでもできない

中には住所がわからなくなっていたり、高齢で認知症を患っていたり、連絡が不可能な場合も考えられます。

それほどでなくても、事情を説明しなければなりませんが、その時になって、「そういうことなら相続分をもらいたい」という人が出てこないとも限りません。

その場合は、不可能ではなくても実質的に難しいことになります。相続したAさんに悪意はなく、いくら相続の手続きをしたいと思っても、それができないということになってしまうのです。

それがつまり、現在の所有者不明土地の問題につながっているということなのです。

もちろん、このような場合、責任はAさんにあるのではありません。私の実家が欠陥住宅で、私道で、家屋未登記だったというのは、相続の知識がなく放置をした親の方に問題があるのです。しかし、だれの責任かが分かったところで、何の役にも立ちません。

 

相続できなくても固定資産税は免れない

 

このような場合に最も困るのは、その家が手に入れられないことではなくて、それ以上に固定資産税の問題です。

私の場合も、相続登記ができない実家の空き家を、私が一人で9年間に渡って固定資産税を払っていたのですが、私の場合は売却ができたので良かったのですが、このような場合は法律的に自分の所有にならないにも関わらず、未来永劫、固定資産税を支払い続けなければなりません。

 

登記制度の問題点

ここが現在の登記制度のおかしなところでもあるのですが、登記は義務ではないので、自分の名義でもなく、所有でもない土地や家の固定資産税の請求は、所有者とみなされる人に来ることになります。

 

固定資産税の請求は代表者1名のみ

そして、厄介なことに、一度引き受けてしまうと、後から他の相続人に交替したいという場合には、相手が同意しない限り、請求は自分のところに来ます。

自治体によっては、10万円の固定資産税を、兄Aに5万円の請求、弟Bにも同額の請求を郵送で別々に送ってくれるところもあると聞きますが、対応していない自治体がほとんどです。

 

「物納」というのはない

支払わない場合はよく「物納でいいのでは」という人がいますが、それはあり得ません。預貯金の方が先に差し押さえられるということになると聞いています。

そうなった場合は、次の相続の際に、相続放棄をするという他は、土地を手放す手立てはなくなります。

 

相続した土地家屋の問題を避けるには

 

このような事態を事前に避ける手立ては、ただ一つです。
相続が起こるよりも前に、相続する予定の土地家屋と、その他付随するものについて、きちんと確認することです。

 

  • 土地家屋それぞれを登記簿で所有者の名義を確認する              →家屋が未登記であれば生前中の登記も検討を
  • 境界、境界を示すの杭を確認し、場合によっては測量を依頼する         →実際の面積と差がある場合は固定資産税の見直しもできる
  • 家に入る道路が私道かどうかも確認する                    →私道の場合は持ち分があるかも忘れずに
  • 家屋の状態、著しい欠陥や、シロアリなどの害悪で傷んだ箇所がないか      →補修が必要なら、相続時の調整のため金額の見積もりを出すとよい。不動産以外の預貯金等を先にを分けてしまうと、他の相続人に放置される恐れがあるので、あらかじめ避ける

 

まとめ

親の家、実家とは言え、決して安心はできません。長年住んできて、家のことは隅々まで知っているつもりでも、それは資産価値という面からの認識や知識ではないのです。

相続にはリスクもあるということを心しておいた方がいいと思います。明細のよくわからないものを、無条件に引き受けるなどということは、他人の持ち物であればまずあり得ません。身内といえ対象物は、土地であり建物です。よく考えれば、親のものだからといって安心するいわれはないのです。

簡単に考えていると、生きている間中、固定資産税の負担を負うばかりではなく、次の子どもの代になっても悩まなくてはならなくなってしまいます。

土地の放棄の法律がない今は、それは何より確実な、逃れようのないことなのです。

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