消滅可能性都市が懸念される一方で消滅可能性都市が懸念される中、その逆の成長可能性都市というものにも、再び注目が集まっています。
これから住み替えを考える時には、知っておきたい確実な情報です。成長可能性都市とはどんなものなのでしょうか。
そしてランキングに入った町はどこなのでしょうか。
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成長可能性都市ランキング
成長可能性都市ランキングというのは、昨年7月に野村総合研究所が発表したデータです。
国内100都市を対象に「多様性を受け入れる風土」「創業・イノベーションを促す取り組み」「多様な産業が根付く基盤」「人材の充実・多様性」「都市の暮らしやすさ」「都市の魅力」という6つの視点から、131の指標を用いて総合的に分析したものです。
これまでの実績、それと将来のポテンシャルを含めた総合的な産業想像力が高いのは、東京23区、福岡市、京都市。
一方、実績とポテンシャルの差分で見た“伸びしろ”が大きいのは、福岡市、鹿児島市、つくば市でした。
成長可能性で圧倒的に強い福岡市
福岡市は12のランキングの全てで10位以内に入るという結果になりました。
人々が志向する多様なライフスタイル視点別ランキング
ランキングのアイテムには、「移住者にやさしく適度に自然がある環境で働く」「リタイア世代が余生を楽しみながら仕事ができる」「子育てしながら働ける環境がある」「起業スピリッツがあり、スモールビジネスにも適している」などがあります
必ずしも大都市ばかりに偏らない項目も考えられているわけですが、福岡は、いずれの項目にも10位以内というのですから、これから住むという場合は、申し分ない町の一つと言えるでしょう。
福岡がなぜ成長可能性都市に?
福岡が強い理由は何かというと、 中心になる企業がある。そして外国に対して開かれている点だと言います。博多港のクルーズ船の多さも、日本で第1位になっています。
また、もう一つ見逃せないのは交通の便です
誰しもが、スムーズに移動ができる交通の整ったところに住みたいのは同じですが、そのような個人レベルのことのみならず、地方の活力を作るもの、人の流れ、そして企業の便宜に貢献するものは、交通が便利であるという要因がひじょうに大きいです。
いくら大きな町であっても陸の孤島のようなところに、産業が発展した試しはありません。物資を運ぶ、人を運ぶ、何はあっても交通です。
九州の場合は、特に九州新幹線の影響が大きいと言われています。
熊本の「くまモン」の健闘
そして面白いことに、逆にその新幹線にまつわる危機感に発奮して生まれたのがくまモンなのだそうです。
九州新幹線は、始発点が福岡、終着点が鹿児島。
その間にある熊本は、通過点ということで、新しい施策としてのキャラクター「くまモン」を考案したのではないかと言われます。
キャラクターとはいえ、くまモンによって熊本はかなり知名度が上がっているそうです。
ポテンシャルランキング1位と2位の福岡、鹿児島には劣るものの、10位にランキングするという快挙を成し遂げました。
ランキングまとめ
他にも目を引くのは、四国の松山市、長野県松本市があります。
長野県松本市
・城下町のコンパクトで歩きやすい街並み。
・地域コミュニティーの活動が盛ん
・子育てしながら働ける環境がある 1位
・移住者にやさしく適度に自然がある環境で働く 2位
愛媛県松山市
・医療や買い物、飲食店の充実、治安の良さ
・高齢者・単身でも安心して暮らせる雰囲気がある
・リタイヤ世代が余生を楽しみながら仕事ができる 3位
・都市の暮らしやすさ 6位
四国は、空き家率は高く、衰退する町も多い印象でしたが、ランキングに上がる町があるというのは、予想外でした。
松本市、松山市共に、コンパクトで利便性が高い。
そして、物価や家賃が安く生活しやすい。また通勤時間が短く効率よく働ける、特に松山は街がフラットで、自転車で通勤できるということも特徴です。
まとめ
私たち夫婦は今後住み替えを検討していますが、今後の住まい選びは、住む建物が何かよりも、まず町がどんな町かということになると思います。
どんなすてきな家に住もうが、暮らしにくくては何にもなりません。
大都市はとにかく地価が高くて、よい住まいが見つけにくいのですが、このように地方の地価の安い中堅都市であっても、住みやすいところがあるというのは、大いに励みになるところです。