スマートデイズ社運営の女性専用シェアハウスかぼちゃの馬車が経営破綻した問題で、投資者オーナーにシェアハウスの建設資金などの融資を行っていたスルガ銀行が、残高の水増しや融資書類の改ざんなどに関与していたとされています。
今回はさらに、スルガ銀行の行員が、販売会社に出張費を要求していたことが明らかになりました。
スポンサーリンク
販売協力会社に出張経費要求
スルガ銀行の行員が投資用アパートの販売協力会社に対し、出張経費の肩代わりを要求していたことがわかりました。
証言したのは、スルガ銀のずさん融資を巡り事業を停止した投資用アパート運営の不動産会社ガヤルド(東京)の販売協力会社です。
共同通信の取材に証言したもので、LINEでのスルガ銀行員とのやりとりの記録も提供されました。
航空券代を自分の口座に振り込み指定
販売協力会社の社員の証言だと、この銀行は、スルガ銀川崎支店の行員で、所有者とアパート融資の契約を結ぶため、行員が出張する必要があり、その際の航空券やタクシー代を毎回支払っていたといいます。
この行員は販売協力会社に対しLINEで「交通費は販社に負担してもらっている。銀行の建前は経費が出ない」と「説明」したといいます。
また、出張費の支払いには、ゆうちょ銀行の自身の口座に振り込むよう指示していたといいます。
名目は交通費 実質は成功報酬
自分自身の口座ということで、その場合は、融資を実行した行員が販売協力会社から成功報酬や謝礼の意味合いで現金を受け取っていたとの疑いがもたれています。
スルガ銀が決めたパッケージ
今回証言した販売協力会社は、投資用マンションへの融資で関係があった川崎支店とは別の行員からガヤルドの担当者を紹介され、物件の取り扱いを始めたといいますが、「ガヤルドとスルガ銀が決めたパッケージがあり、指示通り販売していた」。
また、「融資を早く実行してくれるなら、基本的に要求は断れない」と業者の方は、弱みにつけ込まれて、「出張費」を渡し続けていたということになります。
そして、スルガ銀行の行員は、当初は厳しいノルマの達成のためかと思われていましたが、どうもそれだけではないようです。
そのように割り振られた役割の業者がいたこと、さらに、その業者から行員が、個人的に報酬を受け取っていたということになり、企業統治の欠如が改めて鮮明となりました。
今後はこの点でも経営陣の責任が追及されることとなるでしょう。
7月中の解決を目指す弁護団
なお、被害者弁護団の、運営会社及び販売会社への損害賠償請求に伴って、スマートデイズ他の業者は訴訟を避けるため、被害者弁護団側への協力体制にあり、今後はこのような証言が増えることが期待されます。
被害者弁護団は、投資者オーナーの負担を軽減するため、7月中にも早期解決を目指す方針です。詳しくは昨日の記事に記しました。