積水ハウスが、「地面師」に55億5千万円をだまし取られたとされる事件で、主導したのは、現在海外に逃亡中のカミンスカス容疑者ら名前の挙がっている人物ではなく、昨年のアパホテルのアパグループの地面師事件の首謀者であったと言われています。
この「地面師」の男(65)は、現在収監中で、刑務所内から他の地面師たちに指示を出していたとみられています。収監中にさらに新たな詐欺を画策するというのは驚いた話です。
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アパホテルの地面師事件とは
赤坂の120坪の土地の相続人に成りすました地面師らがアパグループに12憶6000万円で土地を売却した有名な事件です。
直後に書類の偽造が発覚。
昨日のテレビ番組でのテロップでは2億5千万円と伝えられていましたが、詐取した金額は12億6千万円とされています。
積水ハウス事件はアパグループ事件の地面師
現在警察が取り調べをしている男とは、2015年11月に、杉並区の土地取引をめぐる地面師事件の首謀者で、年齢は65歳。
過去にも同様の地面師事件で服役したことのある名うての地面師だということです。
保釈中に五反田の土地の情報を集める
捜査関係者によると、東京都杉並区の土地をめぐる地面師事件で逮捕され、保釈中だった男は16年秋、土地と土地に立っていた旅館の元おかみに関する情報を入手しました。
所有者の入院中を狙った
積水ハウス事件で取引された土地は、以前から業者間では「売りに出されない土地」として知られていたということですが、所有者の元おかみが入院をしたため、おそらく所有者不在の間を狙ったのでしょう。
なりすましの他建物の内覧も
羽毛田容疑者が、そのおかみ役となり、所有者を装って積水ハウス側と面談。
その後、積水ハウス側が現地調査に来た際は、地面師らが鍵をあらかじめ取り替えるなどの手配をし、積水ハウスの担当者に建物の中を見せました。
その時は、近所の人に羽毛田容疑者が顔を見られて、違うことがわかることをおそれて、羽毛田容疑者は来なかったようですが、そのようなことは、所有者が不在であることがあらかじめわかっていないとできないことです。
収監中に積水ハウス地面師に指示を出す
積水ハウスの場合は、登記が却下されたのに対し、杉並区の事件では移転登記がなされてしまいました。
しかし、所有者が気がついて登記を取り消しするという措置を取り、この「地面師」は有罪判決が確定。
その収監中も、今度の積水ハウス事件で名前が出ている、会社役員永田浩資(ひろすけ)容疑者(54)と連絡を取り合って、積水ハウスへの転売を進めていました。
カミンスカス操と事件を計画
警視庁は、男が永田容疑者を通じて指示を出し、海外に出国したカミンスカス操(みさお)容疑者(58)=同容疑などで逮捕状=らと事件を計画、主導したとみています。
また、なりすまし役として羽毛田正美(はけたまさみ)容疑者(63)にも指示を与え、羽毛田容疑者を手配した女性と指南役も準備したといいます。
収監中にも犯罪を進めているということは驚いた話です。また。それを受けて実際行動をした永田やカミンスカスは、この地面師とも面識があり、おそらく以前からの地面師のリーダー格ではなかったでしょうか。
地面師はグループを組んで行動
これら地面師仲間は、アパホテル事件を含めて、以前から事件のたびに集まりグループを形成していたとも見られています。
この男、地面師のリーダーがどのように事件を画策したかの判明が望まれます。そして、積水ハウスからだまし取り、既に配分を行った15億の残りの30憶をどこに隠したか。果たしてそれが判明するかどうかに、注目が集まっています。