積水ハウスが、「地面師」に55億5千万円をだまし取られたとされる事件で、主導したのは、現在海外に逃亡中のカミンスカス容疑者ら名前の挙がっている人物ではなく、昨年のアパホテルのアパグループの地面師事件の首謀者であったと言われています。
「名うての地面師」として知られるこの男に、今日発売の写真集週刊誌FLASH誌が、積水ハウスの事件発覚直後にインタビューを試みており、その談話が掲載されました。FLASH誌の内容を元にお伝えします。
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アパホテル事件で有罪の地面師が首謀者?
現在、日本には約200の地面師グループが潜伏していると言われます。そのうち、都内で最も有名な地面師として知られ、アパホテル事件で現在服役している男性が収逮捕の前に、既に発覚していた積水ハウスの事件後に地面師の手口についてインタビューに応じていました。2017年9月のことだそうです。
インタビューの内容
地面師のドンは「五反田の事件には関わっていない」と前置きしたものの、今回の事件の舞台となった物件、品川区西五反田の海喜館について調査をしていたことを次のように語りました。
この地面師のドンは、2012年頃から海喜館の地主に手紙を出して、再開発を提案したそうです。この土地は五反田のJR駅から徒歩3分という立地の良さで、様々なところから、土地を売ってくれという申し出があったと言われています。方々のゼネコンや業者が送ってきた手紙は数十センチの束になるほどでした。
売る気がない地主
地主というのは、旅館のおかみをしていた女性で「あの土地は売らない」と言っており、「売りに出されない土地」として業者間で知られていました。
この服役中の地面師の男は、不動産業者として地主に話を持ち掛けようとしましたが、売りに出す気がないおかみは返事もありません。そこで、手紙では埒が明かないので、この男は地面師として動く、つまり、その土地を詐欺で手に入れることを決めたようです。
地面師の手口と手順
まずは権利書を偽造する。法務局の判子が必要なので、それも作る。それは偽造のプロに依頼する。
次に、地主の役者を選ぶ。ニセの地主役、ニセの弁護士役や司法書士役など、役割を分担しては意訳をする。
そして、それを手配するという役割の地面師グループの一味がおり、そこに地主役の手配を頼むそうです。舞台のキャスティングにも似たような采配です。
これは、対象とする物件ごとに違う人物でチームを組むことになっています。同じ地主が、あちらの土地もこちらの土地にも顔を出していると、不動産業界者に顔を覚えられないとも限りません。
一つの事件でメンバーが集まり、終わとったら解散するのが地面師の決まりであるようです。
そして、地主役が決まれば、偽造パスポート、印鑑証明、納税証明書、運転免許証を作る。これはこれでプロの偽造屋がいます。
そうして、役者がそろい、偽物の書類がそろえば、いよいよ、ターゲットとなる会社に土地を売る動きに入るのです。今回はそのターゲットは最終的に積水ハウスが狙われたのです。
しかし一方で、地面師グループの結束はそんなに固くはないそうで、そもそも、そのキャスティングに入れられず今回は外された人物が裏切る、つまりマスコミにリークする場合もあるのだとか。それも報酬目当てということなのでしょう。
積水ハウス事件の黒幕
これらを語ったとされる地面師は、その後逮捕されて刑務所内に居るのです。しかし、今回の事件で「連絡役」とされた永田容疑者が、これら画策されたことを、刑務所内の男と連絡を取りながら進めたというのです。
警察は彼こそが五反田の事件の黒幕とみており、事件を知る不動産会社役員は次のように断言しています。
「今回の筋書きはXが全部描いたと、本人が言っていた。先に逮捕された面々はいわば、詐欺師にすぎない。事件の全貌を描いたXこそ本物の地面師だ」
以上、FLASH誌のスクープからお伝えしました。