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空き家の相続に絶対してはいけないこと2つ  共有名義と相続登記、固定資産税など

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夫の父が亡くなり、手続きはやっとあらかた済みました。もっとも、母が住んでいる実家と、私たちが住んでいる父名義の家は、まだそのままになっており、今は実質的には母が相続していることになっています。

いずれにしても、できるだけ早くに売りに出したいので、今後必ず相続の手続きを取らなくてはなりません。

自分の実家の例を踏まえ、相続をひかえてやってはいけない大切な点をあらためて、記しておこうと思います。

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売れない空き家の相続

夫の実家は、一つは歓楽街の隣の商店街、もう一つは、一駅離れた商業地ではなく団地の中の一軒家です。

商店街の家の方は、以前なら、当市でもっとも地価の高い地域に入るほどでしたが、今は軒並みシャッター街。

そして、私たちが住んでいる郊外型団地は、土地の広さは他の区画を含めて100坪前後で、発売当時は高級住宅街の触れ込みでしたが、現在は空き家が目立ってきている状況です。

今後売却には苦労しそうな見通しです。そして、今の相続の問題は、相続する空き家に価値がないという点にあります。

お金になるのだったら何とでもなるのですが、ならない空き家に関しては、相続をする人が持ち出しになる可能性が高いのです。

なので、これからは高額な財産の奪い合いとは違う、これまでとは別な相続の争いが予想されるのです。

 

共有名義にしてはいけない

まず、相続をひかえてやってはいけないことの一つは、土地家屋いずれもを共有名義とすることです。

これは専門家も絶対にやってはいけないとたびたび釘を刺すところです。

兄弟がいると、空き家の処遇が定まらない。そのため、いったん共有にしようとする話が出るのです。

誰か一人の名義にすると、ひとり占めするのではないかという心配があるのでしょう。

なので双方の取り分を保証するために、とりあえず共有名義にして登記してしまうことが多いようです。

それで、直ぐに売りに出して、売れれば問題はないのですが、売れない場合、必ず、その値段の点で折り合いがつかなくなるということが多いです。

夫婦でも売却額が一致しなかった例

私の知り合いで、これは兄弟ではなくて、叔母夫婦のことです。

彼らは震災後に両親と同居したため、若い頃に買った家が空き、更地にして売りに出すことになりました。

買い手がついたが価格が不満

しばらくたったら、400万で買い手がついたのです。ところが、旦那さんは頑としてうとうとしない。

1千万以上で買った土地なのに、400万円ではとても手離せないというのです。

奥さんである叔母の方は、今は売れないということがわかっていて、その値段での売却を勧めたのですが、旦那さんが聞かないので喧嘩になってしまいました。

5年後にはタダ同然に

結局それから5年以上たって、今度はタダ同然の値段で知人に売りわたしました。
というのは、400万円の他には買い手が誰もつかなかったからです。

叔母は「あの時400万円で売っていれば」当然言います。
このように、共有財産に関しては、夫婦でさえも意見が合わないのです。

そして、これが夫婦だからまだいいようなものの、兄弟となったら、それでは済みません。いったん仲たがいしたら、それきり絶縁というのは、他でもない相続の仲たがいが不仲の原因の最も多いものです。

固定資産税の請求は一人だけ

共有名義の際にもう一つ困ることは、共有名義の名義人が何名いようが、固定資産税の請求がそのうちの代表者にだけ来るということです。

空き家が売れない事態になった場合には、請求が来るのは、そのうちの一人だけなので、他の兄弟は協力もしなくなり、売却にも熱心でなくなります。

固定資産税を負担しろと言っても、それなら早く売ればいい、売り方が悪いなどと、それがまた喧嘩の種になります。

私が弟に、父の介護費用に月60万円かかると言ったら、「家を売れ」と言ってきたことがあります。

誰しも、空き家でお金にならない家と分かれば、お金を出したくなるなるのが人情です。

そもそも、土地が利益に十分なるなら共有名義もあり得ますが、タダ同然になってしまった空き家の利益を等分にする必要などはありません。

まずは不動産状況の共有を

「価値がない」ということも、それ自体が上の叔母の旦那さんのようにわかりにくい場合もとても多いのです。

離れて住んでいる兄弟だと尚更そうなります。

不動産バブルの東京と田舎では雲泥の差なので、住んでいる場所の状況が変わると、悪気はなくても理解が難しいこともあるのです。

しかし、不動産店に、見積もりを出してもらったり助言をしてもらったりして、何とかその状況を共有するように努めるところから始める必要があります。

 

相続登記をしないで放置をしない

もう一つは、話がまとまってから登記をしようということにして、亡くなった親の名義のまま放置をしないということです。

親が名義人である以上、兄弟の誰か一人のものではないので、一見何ら支障はないように思います。

しかし、この場合も、結局共有名義と同じことになるので、注意が必要です。

固定資産税は登記に関係なし

固定資産税の請求に関しては、これも相続登記をしなくても、亡くなった人の親族宛てに請求が来ます。

そして、それが全員均等ではなく、代表者1名が支払うことになるのは、相続登記をしてもしなくて同じことなのです。

そうなれば、自分の名義でもないものに、尚更他の兄弟は負担はしたがりません。

空き家には出費がつきもの

これは空き家の草取りや管理についても同じことです。

万が一、家屋が解体ということになったら、その費用は兄弟でどう分担するか。

解体費用は高額なので、土地の値段だけではカバーしきれない場合も当然あります。空き家には出費がつきものなのです。

相続登記にも全員の同意が必要

次に、運よく売却が決まったとしたら、亡くなった親の名義では売れませんので、その時点で相続登記をしようということになります。

その場合も基本的に他の相続人全員の同意と実印の捺印が必要になるため、ひとりでも同意をしない兄弟がいれば、売却ができないことになります。

あるいは、本人に悪意はなくても、例えば認知症になったり、寝たきりで意思疎通が難しくなったりしないとも言えません。

相続人の死亡時は相続人が増えることも

万が一、相続人が亡くなった場合は、相続は代襲制なので、その子供、孫、というように受け継がれることになるので、相続人の数が増えることもあります。

またそれ以前に、相続人の数を確認する必要があります。たとえば、両親が再婚だったり、他に認知した子供がいたという場合は、その人も対象になるので、それも早くに確認をしておくのが望ましいのです。

まとめ

相続に関しては想定できる面倒なことは、尽きることがありません。起こってしまってからでは遅いので、くれぐれも事前の知識と準備、そのための心構えが必要です。

そして、できるだけ円満に。
お金にならない空き家のことで兄弟が仲たがいをするなどというのは、できるだけ避けるべきでしょう。

 

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