スルガ銀行の預金が危ないのでないか、万が一銀行がつぶれたらどうなるのかという懸念が、利用者の間で広がっています。
楽天証券経済研究所客員研究員で評論家の山崎 元氏が、スルガ銀行のこれからについて’当時にコラムに書いておられたものがあります。
その中にスルガ銀行の利用者に対し、万が一の倒産に対しての諸注意を述べていたところがあるので、そのような場合に備え、預金の注意と対処法をお知らせします。
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スルガ銀行の預金は危ないのか
スルガ銀行、現在は経営再建中となっており、一番の危機は脱した感があります。
ただし、スルガ銀行の関わったシェアハウス投資の不祥事から再建中のスルガ銀行は、まだまだ経営が危うい状態です。
そもそも「経営状態が危ない銀行」がそうそうあるわけではなく、経営状態が危うくなった際、スルガ銀行の預金が危ないのではないかという疑問が残るのは当然です。
スルガ銀行がつぶれるという懸念
銀行が潰れるということはめったにないのですが、そのようなことがありうるでしょうか。
また、それが心配されるような場合はどうしたらいいのかを考えてみます。
スルガ銀行の現在の経営状況
シェアハウス問題のあったばかりの’18年当時、「スルガ銀行は銀行として本当にだいじょうぶなのだろうか」と楽天証券経済研究所客員研究員で評論家の山崎 元氏自身が疑問を呈していました。
スルガ銀行がつぶれる懸念は誰もが思うことですが、山崎さんは専門家なので、もっと具体的に自己資本の比率などから考えて、危機感がぬぐえなくなってきたということでした。
もっともそれは、スルガ銀行が一番危なかった’18年当時のことです。
その後は、’20年には、スルガ銀行が今すぐ、急に潰れるという恐れは殆どないという意見が聞かれるようになりました。
後に、家電のノジマがスルガ銀行と資本提携。本格的に再建に向けて動き出したのですが、22年現在では、ノジマとの資本提携は解消されています。
今すぐ潰れることはないが大量引き出しに注意
スルガ銀行の経営自体が、今すぐ危ない、潰れそうだということはありません。
ただし、多くの人が不安に駆られた結果、万が一「預金の大量引き出し」が起きた場合は問題です。
事実はともかく、スルガ銀行が危ないのではないかと思う人達が、何らかの要因で急に増えたとします。
そして、大口の預金を次々に下ろしたとしたら、銀行は回らなくなってしまいます。
「スルガ銀行が危ない」という風評が広がって、解約が相次ぐようになった場合は、逆にそれによって銀行が危なくなってしまうのです。
もし、このような風評が起こった場合は、動向に注意をする必要があります。
銀行が危なくても預金は保証がある
ただし、下に述べるように、預金は1千万円までは保証されています。
下に解説しますので、このまま読み進めてください。
スルガ銀行が潰れない理由
スルガ銀行に限らず、一般に、銀行というのは、他の企業とは違って「つぶれる」ということはないと言われています。
スルガ銀行の場合、不祥事を起こしたとはいえスルガ銀も銀行ですので、シェはハウスなどの不正な融資の他にも融資を受けて、きちんと返済をしている人も、預貯金を預けたり引き出したりして、ごく普通に利用をしている人もいます。
そこで、銀行がつぶれたとなったら、シェアハウス被害者以外の人まで危うい状況が置きてしまいます。
なので、銀行に関しては 「つぶれる」という措置は回避されるようになっています。
万が一、どうしても存続できないということはあって、その際は合併吸収といった方策がとられることになるのでしょう。
ノジマと提携解消したスルガ銀行のその後
なお、上の山崎さんの意見から2年後、スルガ銀行はノジマと提携、岡野会長は元より、岡野家とも関係を絶って、管理職も一新しました。
さらに、シェアハウス投資の、投資者との問題においては、現在は借金をすべて帳消しにする方向で、訴訟問題を早期に解決を図る一方、銀行としてのイメージアップを図りました。
’22年の現在では、いったん提携を結んだノジマとの関係が提携解消によって絶たれてしまいました。
もっとも、それですぐに「潰れるのではないか」という声は伝わってきておりません。
ただし、「再建の道」はこれまで以上に厳しくなったことも変わりません。
スルガ銀行の預金についての注意点
以上が、スルガ銀行の状況です。
その上で、スルガ銀行の利用者の預金の注意点をお知らせします。
預金の注意点は、山崎さんによると下のようになります。
スルガ銀行が倒産したら起きること
あくまで、万が一の場合ですが、スルガ銀行が倒産した場合に起きることは下の2つです
- 1000万円までの預金の元本と利息は預金保険で保護
- ただし、一時的に60万円しか払い戻せなくなる
銀行が潰れそうな場合にに準備すべきこと
倒産に備えて予め知っておきたいことは
- 1千万円を超えるかどうか預金残高の確認をする
- 外貨預金はx 保護外
- 投資信託は○ 保護内
- 措置が取られるのは、金曜日が多い
下に一つずつ解説をします。
銀行の預金1000万円までは保護
銀行に関しては「1人、1行、1000万円までの預金の元本と利息は預金保険で保護されている」ということです。
万が一、銀行が潰れても、1千万円以下の預金に関しては、なくなってしまうということはないということです。
1千万円以上の預金がある人に関しては、対策以前に注意が必要となります。
そのために必要なのは、以下の確認です。
スルガ銀行の預金残高の確認はするべき
スルガ銀行を利用している方は、預金がいくらあるのか、ということは、その都度確認をしておくべきです。
もちろん、そう言ったからと言って直ちに危ないということではありません。
既に把握している人は十分ですが、預金したのがいくらかわからないままでは、対策が必要なのかどうかすらわかりませんので、あくまで確認のためです。
また、知らないうちに、預金高が1000万円を越えているということもあり得なくはないので、それも確認をしておくべきです。
外貨預金は保護対象外
外貨預金に関しては、上の「1千万円までの預金保険」の保護対象外ということなので、これも必ず確認が必要です。
投資信託については、財産が信託銀行で分別管理されているので問題ないとのことです。
預金保険の払い戻しは一時的に制限
また、上記の1000万円までの預金保険に関しては、預金保険による払い戻しが行われる場合には、一時的に自分の預金の一部(60万円と言われている)しか払い戻せない状況となるそうです。
急にお金が必要だという場合に、そのような事態が起こっては困る、という場合は、これも事前に考える必要があるかもしれません。
Xデーは金曜日?
これもあくまで万が一の場合のことですが、銀行が倒産するなどの措置が行われるのは「一般論として、金融機関について何らかの大きな処置があるのは週末であることが多い」ということです。
なので、何らかの行動をとろうという場合には、その週のうち、金曜日までに行うことが肝心です。
他の地銀の経営悪化も
今回はスルガ銀行に特定した場合の話となりますが、銀行の預金が危ないのでは、と考え始めたら、スルガ銀行ばかりではなく地方銀行にも問題があるところが少なくありません。
それでなくても、地方銀行は相続をきっかけにメガバンクにお金の積み替えが行われてしまうことが多いのです。
それも預金の大量引き出しには違いなく、経営悪化のリスクは常にあることになります。
あるいは、このあとに団塊の世代の相続が多発したら、あちこちで危うくなる地銀が続出するかもしれないと言われています。
こちらの不安は現実的に起こりうる確率が高いのです。
しかも、今回のスルガ銀行のように派手に目に見える形ではなく、ある日ひっそりと倒れないとも限りません。
そういう意味では、スルガ銀行の場合は、情報がすぐに出ている状態ではあるので、その点では比較的安心ともいえるとも思います。
まとめ
実際、私の住む町においても、先月、大手銀行の支店の一つがなくなってしまい、突然のそのニュースには皆が驚きました。
しかし、これまでを振り返って見ると、その町にあったデパートはすべて閉店。丸井も高島屋もすべて撤退しています。
数十年前なら、デパートがなくなるなどは、誰もが考えもしませんでした。
逆に、銀行だけがだいじょうぶという考えには、むしろ根拠がないものであったということに、今更ながら気づかされはしなかったでしょうか。
スルガ銀行の問題が「氷山の一角」という言葉に不安を覚えるのは、けっして銀行関係者ばかりではありません。
実際に利用者の資産に直結するだけに、「銀行の安全」は皆にとっての問題でもあるでしょう。
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