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『公共施設の空き家問題』体育館をマイナス価格で売却の深谷市が説明

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埼玉県深谷市が、廃校となった小学校体育館を、全国で初めてマイナス価格で民間に売却しました。

それについて、市の広報に、マイナス価格で土地を売却した経緯とメリットが 説明されています。

この記事では、深谷市の説明の要約をお伝えし、マイナス価格で土地を売るということのメリットについて考えます。

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マイナス価格で売却された深谷市の体育館

昨年12月、深谷市では、廃校となった小学校体育館のある土地を売却するのに、一般の入札を実施。「マイナス795万円」で落札されました。
自治体がマイナスで土地を売ったというのは、全国でも初めてだそうです。

なぜ土地がマイナス価格に?

なぜマイナス価格になったかと言うと、 「土地の評価額より建物の解体費が上回ったため」です。

単純に言うと、土地が1000万であった場合、建物の解体費が、1200万かかったとすると、その200万を売却する市側が支払うという方法だと思います。

深谷市はこれを、「予定価格をマイナスに設定した建物解体条件付きの入札方法」と説明。

深谷市が支払う予定の金額は最大で「1340万6000円」したが、実際に落札された価格は「マイナス795万円」と決まりました。

 

マイナスでも土地の売却に踏み切った理由

深谷市がマイナス価格での売却に踏み切った経緯を説明していますが、要するに、体育館付きの条件では土地が売れなかったからです。

広報では、その経緯も説明されています。

これまで2回の入札でも土地が売れず

深谷市は最初、体育館を壊さずに利用してもらおうと、土地を予定価格1782万1000円で売却するつもりでした。

しかし、2015年と17年に入札を2回募りましたが、2回ともまったく、買おうという人が現れなかった。「入札がなかった」というのですから、交渉しても買おうという人もいなかったようです。

つまり、老朽化した体育館は利用価値がなく、欲しがる人は誰もいなかったのです。

そこで、3回目の今度は、体育館を壊すことを条件に、解体費を支払ってのマイナス795万円で、売却が決まったのです。

市は、この経緯を「参加者がなく落札されなかったため従来の入札方式にとらわれない方法の検討を進めてきた」と説明しています。

マイナスでも土地を手放す目的は

老朽化した市有施設が原因で事故などが発生にすることや、民間独自のノウハウを活用して効率的にかつ速やかに施設の解体をすることの2点です。
また、その土地を、宅地にした場合は、今後10年間に圭1730万円の税収入が得られることも説明しています。

見えないコストの説明 施設の維持費用

また、それに伴って、施設は建てたら終わりではなく、保有している以上、コストがかかることも説明されています。

施設の運営費用や修繕費など見えにくい部分にもコストはかかり、修繕や管理にかかる費用は老朽化に伴い、今後次第に大きくなる傾向があります。

埼玉県内で、現在廃校になった県立学校のうち、利用が未定の3校だけで、年間合計で600万円以上の費用が維持管理費用が掛かると朝日新聞が伝えてもいます。

人口の減少によって、廃校になる学校は、これからも増えるとみられており、埼玉だけでなく、多くの自治体に負担がのしかかることになります。

公共施設の『空き家問題』--「公共施設の適正配置」

深谷市は広報の最初で、今回の「公共施設の適正配置」を、空き家問題になぞらえて次のように伝えています。

全国で大きな問題となっている空き家問題。実は空き家問題は自治体が保有する公共施設にも迫っています。

統廃合して役目を終えた施設が老朽化した施設は、活用や売却ができる未利用の資産として眠ってしまう資産もあります。

こうした公共施設の空き家問題ともいえる課題は、年々老朽化が進む施設を抱える自治体の大きな課題です。

しかし、これは、公共施設特有の問題ではありません。

一般の空き家に起きていることが、同じように公共施設にも起きているということです。

深谷市の事例を読んで

この先個人の持ち物にも公共施設にも、いたるところに増えるであろう負動産。 よく、市町村に寄付できないか、あるいは高齢者には負担の空き家の管理を自治体に援助してもらえないだろうかという意見を見かけます。

しかし、公共施設にもこのような事例が出てくるということは、とても個人の所有する膨大な数の空き家に手が回るはずはありません。

自分のものでなくても自分の親が買った空き家も含めて、不要なものは売却をするよう、できるだけ努力をするほかなさそうです。

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