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マイナス価格で空き家を売る!解体費負担の体育館市有地の例 埼玉深谷市

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埼玉県深谷市で、小学校体育館をマイナス価格で売った自治体初の例、今回は市有地とのことですが、一般的な宅地にも十分当てはまる例です。

そもそも空き家が残っている場合に、売主は解体費をどうするべきなのでしょうか。また、マイナス価格でも手離すメリットを考えてみます。

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深谷市が市有地マイナス価格で売却

 

埼玉県深谷市が売った物件は、廃校になった小学校の体育館が残ったままの土地でした。

旧中瀬小学校の体育館が残る同市中瀬の市有地(約1506平方メートル)です。

小学校は2010年に閉鎖、体育館は築40年、閉鎖後は地域の施設として利用されていました。

そこを体育館の解体を条件に、売却に出したのが最初でした。

買い手がつかない市有地

深谷市は、2015年と17年に、体育館の利用を条件に土地とともに売却する入札を、予定価格1782万1000円で行いました。

それで売れれば通常の売却でしたが、2回ともいずれも参加がなく売れないままになって残ってしまいました。

そこで、深谷市は対策を講じ、最終的にマイナス価格で売却することにしたのです。

マイナス1340万円の土地

そもそも、体育館の解体費用はどのくらいかというと、犬山市が8千万円、鳥取市、千葉市の例で5千万円というものがありましたので、その位なのでしょうか。もっと小さめの体育館であっても、マイナス1340万円ということは、かなりの負担額と言えます。

この土地は、一般競争入札となるわけですが、皆が競って入札をしない限りはマイナスのままということになり、その場合は、無償譲渡契約となってマイナス分を市が負担する、つまり、市の方がお金を渡した上で、土地を譲るということになるのです。

マイナス価格の理由は?

 

放置をしておくと、市は市有地に関しては固定資産税収入はありませんが、誰かに譲渡すれば、10年間に、固定資産税と住民税で計約1700万円の税収が見込めるといいます。

つまり、10年間でマイナス額が補てんできることになる計算になります。

それ以上に、市の方は、解体費用は、自身で支払う必要がありません。体育館の解体費用を5千万円と見積もったとすると、3700万円は、市が負担せずに済むわけです。

最終的に、この土地は、マイナス795万円で、売却が決まりました。

埼玉県深谷市とはどんなところか

埼玉県深谷市は、埼玉県北部にある人口約14万3千人の市。人口は入間市に次ぐ県内14位の町です。東京都に接していない群馬県側の町です。
地価については、ざっと「坪単価平均11万円」ということです。

6戸分の住宅地で税収を

この土地で、今後どのような利益が見込めるかというと、売却にあたって「専用住宅または共同住宅」の用途制限を設け、住宅地として分譲されれば、6戸分が見込めるので、それが10年間に、固定資産税と住民税で計約1700万円の税収となるということなのです。

市長は「使わない施設の売却が1年早ければその分、固定資産税も増えるので、入札を進めたい」として、公共施設の適正配置を急ぐ市の方針で今回マイナス価格での競売に踏み切ったということです。

一般の空き家にも当てはまる解体費負担

 

空き家がのったまま家を売る際に、解体費は、ほぼ売主が負担することになります。

解体費の相場

一般的な木造住宅なら、解体費は坪4~6万円位、40坪の家なら、200万前後です。道路や敷地内に重機が入れないといった条件によって、高くなる場合があります。
空き家を売りに出した場合は、物件の説明に解体については「相談」と注記しておいて、交渉の末に売主が負担をするのが一般的です。

空き家にしておく理由は固定資産税

解体が予想される場合でも、空き家をのせたままにしておくのは、建物を解体して更地にしてしまうと、固定資産税が6倍になってしまうためです。そのため、売れるまでは空き家を置いておく、売れたらその時点で壊すというのが、通常のやり方です。

ただし、近所に迷惑をかけるとして、早めに取り壊しをする場合も多々あります。その場合でも、更地の草取りに関しては費用が増すことが多いようです。

早く売りたい場合

今回の市有地の例でも、「公共施設の適正配置を急ぐ市の方針」ということで、要するに、「早く売りたい」と市が考えたというところが、マイナスで売ろうとする大きな理由です。

維持していても維持費がかかる。ますます売れなくなる、そして、最後には売れないにもかかわらず、解体費5千万を全部持たなくてはならない。ならば、マイナス1370万円でも、マイナスが少ない方がいいということなのです。

上記例に学ぶマイナスでの売却

深谷市のように「坪単価平均11 万円」とはいっても、今は評価額と需要がかけ離れているのが現状です。

東京に隣接している市ではありませんが、ここも北関東エリアです。逆に言うと、坪単価11万円のところですら、マイナス価格としなければ土地が売れなくなっているところが、たくさんあるのです。

今は地方の場合、土地を売って利益が出るなどということはないと思った方がいいです。空き家がのっているなら、解体費は売主が負担せねばなりません。その場合はマイナスになるのも十分あり得ることで、売れて0円なら良い方なのです。

そして、大事なのは売れなかったとしても、マイナスをできるだけ抑えることです。費用は掛かっていないように見えても、草取り代も交通費も見えにくいものの、お金のかかるものは、すべて「費用」に他なりません。また、不動産屋に行ったり、売り方を調べたりする労力も同等です。

困ったことに、マイナスで売りたい、という場合には、不動産屋さんは、まったく助けになりません。不動産屋のせいではなくて、手数料の取れないものを引き受ける人はいないからです。空き家バンクもない地域であれば、とにかく自分で売る方途を見つけるしかないのが実情です。

私もあと2つ夫の実家が残っています。ご一緒に頑張りましょう。

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