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「フラット35」不正融資 元社員インタビュー投資用に住宅ローン

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「フラット35」不正融資問題が発覚しました。マンションを居住用と偽り不動産投資に使うという住宅ローンの悪用です。

朝日新聞では、悪用を前提に投資者を勧誘した不動産販売会社の元社員にインタビューを行いました。不正を行った当事者しか知り得ないたいへん詳細な内容です。

インタビュー内容の要旨をお伝えします。

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フラット35で不正融資

不正が見つかったのは、東京都内の中古マンション販売会社が売った物件向けのローン。
フラット35を悪用したのは、その販売会社の元男性社員(50)です。

会社は、この元社員を懲戒解雇後、機構へ届け出をしました。現在は、利用客が事情を聞かれているということです。

「フラット35」のローンを提供する住宅金融支援機構も「契約違反の可能性がある」とみて調査を始め、不正を確認すれば全額返済を求める方針です。

不動産業者が行った不正な融資とは?

 

この業者社員が行った不正は、低金利の住宅ローンを使うために、投資用不動産物件を、居住用と偽った他にも、物件価格を虚偽の価格、すなわち実際の価格より高い価格に水増しして、より多くの融資金額を引き出していました。

 

フラット35の不正を行った業者インタビュー

 

朝日新聞は、この不正を行った業者にインタビューを行っています。要旨をまとめてお伝えします。

投資用マンション販売の概要

 

不正を行った男性会社員50歳は、中古マンションの販売会社に中途採用で勤務。

そのうち、仲介業者数人と共に、2015年から不動産投資にフラット35の住宅ローンを利用する方法で、物件の販売を開始、150件を売り上げました。

投資の内容は、中古マンションの物件を販売し、サブリース契約で20年間の家賃保証をつけるという方法でした。

ただ、途中でサブリースの業者が持ち逃げをしたなどの、サブリースに関するトラブルがあったことも、元社員が語っています。

フラット35利用の投資者の客層

元社員:独身で20代~30代前半。年収300万円弱で200万円前後の借金を抱えている、そんな人がいちばん多かった。借金のある女性も結構いた。

こんなに買う人がいるのかと驚くほど次々と客を紹介された。

顧客としては、借金のある人がターゲットであり、投資セミナーの勧誘の文句は〈借金は帳消しにできる〉というものでした。

他に、〈年収250万円からOK〉〈自己資金ゼロでキャッシュバックあり〉〈20年間家賃保証付き〉というのが、ネットやセミナーでの見出しやキャッチコピーに使われたようです。

投資者オーナーになった人たちは投資で利益を上げるよりも、「借金を帳消しにして不動産も持てる」という点に引かれて、投資をすることになったと思われます。

ネットやセミナーで客を集めるのはブローカーたちで、そうして紹介された総数が150件ということでした。

投資マンションの条件

中古マンションの値段は、1500万~2000万円前後の物件で、埼玉や千葉、神奈川といった郊外で、築20年以上のファミリータイプ。

顧客の購入後に入居者が早く入るように、家賃は抑えめ。外国人を受け入れると決まりやすく、9割以上は入居しているというのが、ノウハウが語られました。

フラット35利用の顧客の年収

客の年収は250万~300万円。

年収400万円以上であれば

元社員:もっと高い物件を買えるようになるが、そういう物件は扱っていなかった。

年収400万円を超えると、私たちには『富裕層』。

低い所得の人、借金を抱えた人が、この販売システムでは、最良の客であったようです。

顧客の年収の改ざんと価格の水増し

 

住宅ローンでは借りる人が250万円という低い年収であっても、支障なく借りられるため、

元社員:年収250万円でも機構がお金を貸してくれるから、改ざんする必要もない。

しかし、物件価格の水増しに関しては、「契約書を偽造するのは仲介業者の仕事だが、私もそれを認識していた」として、次のように説明。

 

元社員:たとえば2000万円で売る物件なら、2500万円の契約書をつくって機構に出す。すると、2200万円余りを貸してくれる。

ほかに信販会社でもローンを組ませ、融資額を合計2600万円くらいにする。価格と諸経費を引いても500万円くらい残ることになる。

その残った「500万円」の一部が、顧客獲得のためのキャッチコピー「自己資金ゼロでキャッシュバックあり」のキャッシュバックとして、借金の返済資金として顧客に渡されたりしたようです。

 

元社員:500万円残るとすれば、家賃保証に200万円取っておき、残り300万円が客側に渡る。

そのお金は借金を消したり、紹介者への紹介料にあてたりする。

この業者自身は、その「残った分」を自分で受け取ったとは話しておらず、「配分は紹介者が決めることが多かった」。

 

「フラット35」金融機関の審査をどうクリア?

融資の際には必ず金融機関、多く銀行などの審査がありますが、それはどうしていたのか。

客が「自分で住む」と申告

元社員:客に「自分で住む」と申告させ、住民票を購入物件に移す。「住民票は最低6カ月は置いとけ」と言っていたが、もっと短期間で元の住所に戻す人もいた。

所有者あての郵便物は管理会社などに転送されるよう設定した。

転居をした際でも、郵便局に「転送届」というのを依頼しておけば、転居後しばらくは、新住所に郵便物が配達されることになっています。

この場合は、その仕組みが悪用されて利用されたのでした。

金融機関の担当者の関与はなし

この社員が使ったのは、3か所の金融機関でしたが、業者が「投資用」と自ら明かすことはないため、担当者が不正を知ることはなかったとこの男性は話しています。

しかし、同時に若干の疑念を述べてはいます。

独身の若者の融資案件を続々と持ち込むのは怪しいでしょ。少しも疑わないってことがあるのかなという思いは、正直言ってある。

フラット35の不正発覚の経緯

この業者が、不正を行っていることが発覚したのは、いわゆる内部通告によるものでした。

仲介会社が販売会社に不正の告発をしたというものです。

この男性社員は、会社を解雇され、会社は調査結果を住宅金融支援機構に報告したために、機構が認識することになったのです。

また、男性は販売会社の他の社員は、フラット35などの同様の不正は「していなかった」と証言しています。

フラット35不正の発覚後

元社員:機構から客に連絡が入り、「全額弁済を求める」と予告された人もいる。

物件を売ってそのお金でローンを返せるといいが、価格を上回る借り入れをしているだけに難しい。

サブリース業者が持ち逃げも

本筋とは離れますが、サブリース契約の問題、業者の持ち逃げも起こったことも話されています。

顧客は、業者を通じて、物件を借り上げるサブリース契約を締結。物件価格の1割弱を保証料として業者に預けると、物件を賃貸に回し、不足する分も含めて業者が客に賃料を払う仕組みでした、ところが、

元社員:預けたお金を運用して増やすから、20年は保証できるという話だったが、それを信じたのはバカだった。その専門業者は昨年夏に家賃を払わなくなり、連絡もつかなくなった。預けたお金を持ち逃げされている状態だ。

ローン返済の不足分は仲介業者らでお金を出し合って補塡(ほてん)している。

インタビュー内容の要旨は以上です。

まとめ

フラット35を投資用不動産に悪用をした、不動産販売会社の元社員のインタビューをまとめました。

この男性は、「会社の外では、似たことをやっている業者はたくさんいたが。」そして、「借金を消せて不動産が手に入るから」「この仕組みは「だれも痛まない」と思っていた」と述懐。

しかし、「会社にも、客にも、悪いことしたな、と今では思っている」として、このインタビューは終わっています。

投資用不動産に住宅ローンを行った問題は以前にも一度書きましたが、今回は150件と数が多いため、機構側もこれから同様の例に対して調査を厳しくすると思われます。

不動産投資をめぐる業者側の不正には、利用する人はくれぐれも気を付けていただきたいものです。

 

投資用物件の購入には、住宅ローンは違法ですが、借り換えをすることで、金利を減らすことができます。

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