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レオパレス第三者委員会の最終報告 記者会見 質疑応答の全文

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レオパレス21の第三者委員会の最終報告の記者会見の内容、質疑応答の部分を以下に掲載します。

弁護士による第三者委員会の委員がまとめたサマリーを読んだ記者と委員の質疑応答のほぼ全文を記載します。

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レオパレス施工不良問題 第三者委報告

レオパレス21がアパートの施工不良問題の原因と再発防止策をまとめた報告書が今日29日公表されました。

内容は、業績を優先するあまり、建築基準法などの法令を守る意識が欠如していたことが原因と指摘されています。

問題に気付いても対応を後回しにしていたことも判明、当時の経営トップや役員の責任は「品質問題に対する当事者意識が低かった」との報告がなされました。

報告書を読んだ記者が質問、第三者委員会のそれに対しての答えを以下に掲載します。

 

レオパレス問題 第三者委員会の質疑応答

――(記者)報告書に深山英世氏の名前が出てこないのはなぜか

第三委:今の社長の時代になってからのこととしては、早期に発見して改革できたのではないかということはあるが、少なくても問題の責任は、深山祐助氏にある。必要がないという判断になる。

 

――界壁の件について、深山祐助氏はどういう応答をしたか

建築士に任せていたので法律違反をするようなことはないと考えていた、と言っている。

 

――「姫路訴訟が提起されたが、稟議として挙がっていた」と書いてあるが、会社は界壁がないことを以前から知っていたのか

会社は知っていた。会社側としては当時2x4で施工していたので、屋根までは伸ばさなくていいという解釈をしていた。違法ではないということで、深堀して調べなかった。

 

――「経営には上がっていなかった」と以前会社側が言っていたが

微妙なところがあるが、稟議には上がっていたが、対象として界壁がないことが違法だと上がっていたのではなくて、訴訟を和解していいかという稟議として挙がっていた、そういうことだ。

和解をした執行役員には、稟議が上がっていた。法令に適合していないのかの指摘は内部であった。しかし2x4で「これでいいのだ」ということになった。

 

――問題を7年近く放置をした深山英世氏の責任の問題はなかったのか

「責任がある」と思っている。問題の根は昔にあった、ただ責任があるということはある。

今から20~25年前の施工不備。自浄能力を発揮するチャンスを逃したことは残念で、責任がある。

 

――(記者)全員が関わっていたのか?何人がかかわったのか?

1990から2000年代初めに販売した商品と認識している。期間において変動がある。組織変更があって、部署や人数が変わってきている。

現在も現職の者はいる。商品開発の担当部署も一緒にやっていた。組織的というかどうかはともかく、複数の人間がかかわっていたのは間違いがない。

界壁問題について

サマリーにもある通り、2x4だからという理屈で作らないと言いながら、社内では、(界壁を作らないということで)確認を受けていた。

図面には、界壁は作るものとなっていた。

シリーズによって違いはあるが、「ほとんどすべて」…言い方が強すぎるかもしれないが、ほとんどすべてでやっていたので、組織的かと言われれば、組織的な行為であったと考えている。

 

界壁担当者の説明について

 

――担当者はどういう説明をしたのか? 調査へのリアクションは?

人と立場によって違うので、支店は「本社の指示通り対応した」という答え。

当時の創業者と商品開発担当部署が一体となって開発、界壁なしとの指示をした。

「建築確認を便宜的に取得しやすくするための措置だった」と弁明したが、とても便宜的なものではない、建築確認をだまし取っていたものだ、と考えている。

当事者はそのように説明していた。

誰の指示かは解明できず

誰がそうしたのかはヒアリングを重ねたが、中心となる人は「自分ではない」「あのひとではないか」ということをニュアンス的には伝えたが、辞めたりしていて、具体的に誰がというところは解明できなかった

起きたことは20~25年前のことで、ヒアリングに応じてもらえないことが多く、そこは常識的に判断した。

 

深山祐助氏の発泡ウレタンの指示について

発泡ウレタンは深山氏が指示している。深山さん自身はいろいろと言っているが、関係者の話から深山氏の指示と認定した。

「使え」とは言ったが、「法令違反でもいいから使え」とのレベルの指示かどうかは認められない。

バブル期以降の赤字がきっかけ

――バブル期以降に赤字に陥って、深山社長が「プラモデルのようなやり方でやれ」と発案したことが背景にあると思ってよいか

バブル後、経営がピンチになり、新しい請負建築事業に乗り出し、プラモデルのような建物をということで、さまざまな部署が脆弱な体制で商品開発と販売をやって、部分的に欠落したことが本件の最大の原因だというように考えている。

 

――古い話だということだが、その後も施工不良は拡大しているが、責任も広がらないか。その点の調査はどうか。

新しく見つかったことは随時聞いている。今後さらに新しい不備についての追加の調査を行うかどうかは、関係各所を含めて相談して私どものミッションとして行いたい。

限られた時間と資料で調査を進めているので、会社にも負担をかけて、古い20年前の資料を網羅して集めることができた。

会社に残っているものについては、すべて見たつもりだ。退職した人物、病中の人については、ヒアリングはできていないが、これをやればもっと解明できるということで、これ以上思い当たるものはない。

発泡ウレタンの法令違反の認識は?

――深山氏は疑義を持っていたのか(発泡ウレタンの法令違反について)

「適合性に疑義がありながら使用した」というまでは断定できない。

界壁はなくてもいいのではないかという考えであったが、建築確認では、ほぼすべて作る気のない界壁を作ると、事実に反する建築確認を行っていた。

必要がないのになぜ確認をやっていたか、誰かが指示していたのではないかと調べたが、そこまでは認定できなかった。

商品開発の主な部署の返答は、「(確認を)取りやすくするために便宜的にした」との回答だった。

 

――具体的には○○部長など、立場や氏名はどういうものか 

個人の特定はどうかと思う点があるので控えたい。

「会社には社長と社員しかいない」

――経営トップのワンマン体制とは祐助氏のことか。なぜそうなったのか。

ヒアリングでは、この会社には社長と社員しかいない。社長一人とそれ以外が社員という人が多数いた。そういう組織だったのかな、と。

商品開発の点から見ると、組織図を見ても社長から商品開発まで直線が引かれていることとなっている。普通は考えられないが、特殊なそういう組織体制であったと考える。

 

――祐助氏が違法をしてまで工期を短くしろと言っていたわけではないが、社員の中では法律よりも指示が上だったという意識があったのか

順法意識が欠けていたとは言える。ヒアリングではそのような感じはした。

レオパレス現経営陣の責任は

――今の経営陣の意識についてはどうか。

当時の創業者他が悪いとは書いていない。順法精神については、創業者たちだけでなく、現在の経営陣に至るまで、関知して対応するべきだった。

オーナーや入居者のためにいい仕事をするという意識が欠けていた。現在の経営陣に至るまで共通する問題がある。

法令違反の認識

――建基違反の認識はあったのか?

認識までは、認定に至っていない。
ヒアリングの結果では、担当者にはインチキをしたと思っていた人もいるし、必ずしもそう思っておらず、「便宜的」という人もいる。

確認書を特定行政庁に持っていったら、全部はねられている。途中では建基違反のような意見を出した人もいる。行政庁の言う通り、つけた例もあるし、界壁のない図面を持って行ったときに、支店から本店へ報告をしたら、本店から図面が送られててきたという説明もある。必ずしも解明できていないが、そのような流れはあった。

 

――施工不良は祐助氏の時代だが、こういった経営の問題は現在も続いていたのか。昨年5月6月に調査の対応が遅れ気味だったので経営体質の問題は今もあるのではないか。

以前の企業風土が亡くなっていないことはヒアリングでも受け取れる。去年の発覚後どうかを別にしても、本来もっと早く気づけたところを放置したのは、現在もあるのでこうなっていると感じている。

 

――社内のコンプライアンスの問題、けん制機能がなかった点についてはどうか。

まったく同感です。

 

――営業の問題は?

特徴として営業優先の会社である弊害がある。施工の方に力を注いでこなかったことも報告書に記載してある。

 

――祐助氏へのヒアリングで、お詫びなどはなかったか。

こういう結果になったことについては申し訳ないと言った。組織的な責任も感じているとは思う。施工不備については、自分は建築士に全部任せていた。建築士は国家資格を持っているので、(結果に)びっくりしている。

 

――界壁がないことを調べようという人はいなかったのか

いなかった。それぞれの地域にそういうことがある、地域仕様で、この地域はつけた方が無難だというマニュアルへの記載もある。

姉歯事件とは違うと何人も社員が言っているが、よく聞く見解は、建築確認についてそれほど厳格に考えていないかったと、多少ずれていても構わないという考えが当時あった。それが対応しなかった原因と考える。

 

――工事管理の不十分について

担当者が多くの案件を抱えていたので、自分で全部見ることができなかった。組織体制がきちんとできていなかったということである。

管理は人が少ない。監理は一級建築士が名前だけで、支店の担当者が実際にはやって印鑑だけ押すということになっていた。

2006年の頃はそうで、その後会社が整っても何千棟もあって、とても追いつかなかった。

 

――再発防止策の項目で新商品開発、請負建築事業の見直しについて、実際実行して改善はあるか

後程レオパレスが発表することになっている。実効性については、書面のメニューは一通りそろっている。

 

――ヒアリングで言い逃れの説明があるようだが、印象として隠そうとか、ごまかそうとかはどうか

ひじょうに難しい質問と思うが、私個人としては、客観的な証拠と人に聞いた話を公正に事実認定をする。書いたことに尽き、主観的な心証を述べるのは適切ではないと思う。

 

――現場への対策は?

現場の教育が大切と思う。法令違反について認識していた、界壁を作らないでいいのかと疑問を持っていた人も少数要ることはわかっている。そういう人が今後の改善に向かうと考えられる。

 

――内部通報が機能しなかった原因は?

内部通報はハラスメント対策で作られていた。自分がハラスメントを受けている場合の報告だったので、施工不備への認識は少ないと思われる。そういう意味ではコンプライアンスは低いと言える。今後の教育が必要。

 

――施工不良の「組織的、全社的」の認定、「意図をもって」はどうか

「意図をもって」は認定できていない、ということだ

 

会見での質疑応答の内容は以上です。

内容のまとめは

この報告書は国交省に提出されました。
このあと、レオパレスの会見があるそうです。追ってお知らせします。

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-レオパレス