手に入れた家が欠陥住宅であるとわかったら、そのあとはどうしたらよいでしょうか。
一戸建てやマンションなど、住宅には「瑕疵担保責任」という保証が設けられています。
相手にその責任を果たすように求めることが、次にやるべきこととなります。
放置したり、あきらめたりする必要はないのです。
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欠陥に気づいても放置した父の場合
実家の場合も、両親はわかっていながらなぜ手を打たなかったのか。
今から考えても歯がゆい思いです。
代金を支払ってしまった父
うちの父の場合は、新築後間もなく、まだ入居前に、家におかしな箇所があるのに気がついたといいます。
母は、建築代金を支払わないようにと云いましたが、なぜか父は代金を支払ってしまったそうなのです。
相手が威嚇的な言葉を発したというので、恐れたためか、あるいは欠陥の程度を軽く見たためであったとも思います。
補修箇所が多年に渡って次々に
父は自分だけが我慢すればいいと思ったのかもしれませんが、新築して間もなく、作ったばかりの二階への階段は全部を壊して作り直しとなりました。
さらに、家屋の建築とは直接関係のないカーポートまでも、テラスに段差があり過ぎて車が敷地に入れない、という驚いた出来栄えで、父が自分で壊す羽目になりました。
このような出費と手間をかけるなら、なぜ、法律に沿った解決を求めなかったのかが残念でなりません。
欠陥の程度は、住宅の場合、目についたところだけにあるのではないので、素人では決してわかりません。
わからなかったところが、次々に補修や作り直しが、多年に渡って生じることがあります。
わからなくても欠陥が土台にあった場合には、後に傾く恐れもあり、地震の時などに倒壊の恐れますがあることもあります。
自分では判断のできることではありません。
気が付いたらすぐに調査を依頼する、それが安全に建物に住むためにも、今後、相手に損害賠償を求めるためにも、必要なことです。
相続した子どもにも類が及ぶ
瑕疵担保責任は10年間で、建築を請け負った業者は既に倒産しているので、私が相続した時点では回収はまったくできませんでした。
そして、相続した私が、売却の際、家の欠陥を理由に買い取りを断られることとなったのです。
そのままでは売れないとなったら解体するしかありません。
家が欠陥住宅であったのを父が放置したために、子どもにも害が及ぶこととなったのです。
そもそも「瑕疵担保責任」とは何か
「瑕疵」というのは「一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと」です。
「瑕疵担保責任」とは、売買などの有償契約において、買主が売主から目的物の引渡しを受けた場合に、その給付された目的物について権利関係または目的物そのものに瑕疵があるときには損害を受けた賠償などの責任を負うことです。
「これを担保責任といい、このうち目的物そのものに隠れた瑕疵があった場合の責任を瑕疵担保責任という」(561条559条)
瑕疵担保責任の期間
新築なら「住宅の確保の促進などに関する法律」により、売り主は請負人、新築工事の業者は、引き渡しから10年間、基礎や壁、柱など「構造耐力上主要な部分等」に関する責任を負わなければならず、短縮する合意は無効となります。
なお、父のように、建築代金の支払い前に欠陥(瑕疵)に気が付いた場合は、業者側が補修や損害賠償をするまで、建築費用の残金を支払わないということもできますし(民法634条)、修理ができないほど欠陥が大きい場合は、売買契約の解除を求めることもできます。
賠償を求めるべき相手は誰になるのか
新築なら売主、または請負(施工)業者です。ミスが明らかなら建築士が対象になることもあります。
万が一、欠陥住宅の被害にあったとしても、上記のような法律があり、それは建築の際の契約書にも組み込まれているはずです。
私の父のように最初から諦めたりする必要はまったくありません。
粘り強く交渉に当たってください。