スルガ銀行の社員が顧客の1億6500万円の預金を流用したというニュースが入りました。
シェアハウスの不正発覚後に金融庁の調査中の銀行の度重なる不祥事は、調査にも影響するのでしょうか。
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スルガ銀行員 顧客3人の定期預金を解約
不正な流用を行ったのは、本店営業部40歳代のスルガ銀行の社員、部長、副部長に次ぐ「チーフマネジャー」で、主に静岡県東部の法人や個人事業主への融資を担当していたといいます。
この社員は2015年4月~今年6月、顧客3人の定期預金を無断で解約。大部分を自分が担当する取引先への融資金に流用。
預金の解約通知を受け取った客から問い合わせがあったのをきっかけに発覚しました。
決裁をどう通したかは不明
定期預金の解約には印鑑や通帳、本人確認証が必要です。
さらに、融資決定には店長や審査部の決裁がいるが、不正の手口について銀行側は「お答えできない」としています。
取引先への融資金に流用
社員は、定期預金を解約した資金を「融資」としており、「自分のミスで融資を継続できなくなった穴を埋めようとした」という趣旨の説明をしているといいます。
懲戒解雇と刑事告訴
また、13日付でこの社員は懲戒解雇となっており、スルガ銀は監督官庁に報告するとともに所轄警察署への刑事告訴を含めて対応を検討しています。
今回の不祥事が与える影響は
SMBC日興証券の佐藤雅彦アナリストは、今回の不祥事が与える影響は軽微とした上で、スルガ銀はシェアハウス問題で「預貸金の残高流出は当面続く」と予想しています。
8月の報告書を受けた金融庁による一部業務停止命令や経営陣刷新、今期収益下方修正といったリスクシナリオが想定されるとしています。
おそらく、今回の不祥事も、ガバナンスの欠如としてマイナスの評価に加えられることになるでしょう。
不動産融資の停止命令
また、共同通信は14日夕、金融庁がスルガ銀行に対して不動産融資業務の一部停止命令を出す検討に入ったことが分かったと報じています。
企業統治に重大な欠陥があるとして、経営体制の刷新も求められることになるとのことです。