スマートデイズ運営の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のサブリース契約の家賃不払い問題で、多くの投資者オーナーが困窮に至っています。
オーナーにほとんどの投資を行ったのがスルガ銀行だったため、内容を調査するため設置された第三者委員会の調査結果の概要が今日21日夕にわかりました。
本日報道分を以下にお伝えします。
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不適切な融資は1兆円
スルガ銀行の融資総額は3兆1500億円で、このうち投資用不動産融資は約2兆円だということです。
当初は不動産関連融資は1兆円程度とみられていましたが、「住宅ローン」として公表していたものにも含まれており、当初考えられていた金額の2倍に膨らみました。
そのうち、審査資料の改ざんがあるなどの不適切な融資は1兆円規模に上るとされ、投資総額3兆Ⅰ500億の3割を超え、不動産融資2兆円の半分程度が不適切に実行されていたことになります。
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不正融資の内容は
スルガ銀行の融資が「不正」とされたのは、主に書類の改ざんや偽装にありました。
二重の売買契約書
不適切と認定した手法の一つが、二重の売買契約書です。
行内ルールでは融資上限を物件価格の90%としていましたが、販売業者がスルガ銀に出す契約書の物件価格は実際よりも高く記されていました。
それを行員が故意に見逃すことで、オーナーは自己資金がなくても、全額を融資で賄えるようになっていました。
虚偽の優良物件
中古のアパートやマンションへの融資でも、入居率や家賃収入などを記載した書類が偽装されている事例が見つかっています。
空室率が高く、半ば不良化している物件でも、稼働率の高い優良な物件に見せる手口として使われており、審査の際には、空き室であってもカーテンが欠けられて入居者が居るように見せかける偽装も行われていました。
通帳の残高の水増し
これまでも知られた通り借り入れ希望者の年収や預貯金残高を水増しも多く行われていました。
そして、これらの不正な書類など、第三者委関係者によれば、手続きに何らかの不適切な行為が入り込んでいるのは投資用不動産融資の過半に達しているといいます。
不正に関与した行員の数は300人
それら、融資に関わる不適切な営業や審査に関与した行員の数は、全従業員の2割にあたる300人以上にのぼるとみられています。
スルガ銀行は地銀のなかでも突出して高い収益率で知られ、「地銀の優等生」と呼ばれてきました。
しかし、これらの不正な融資の割合の不当な大きさを見なくても、これまでの報道で、無理を重ねていた実態が既に知られるところとなっています。
行員の不正を誘発したのは、「毎月1億円の有担保ローンの実行」といった過剰なノルマが背景にあったとも言われましたが、これらの融資の実行が個々の社員の賞与として手当が加算されたという報道もあります。
その両方が不適切な融資を増長させたものとみえ、関与した行員の数も当初の予想よりはるかに多いといえます。
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不動産業界への影響も
不適切な融資の数には驚きますが、融資先のアパート経営が順調な事例も多くあるため、融資のすべてが焦げ付くわけではないようです。
一部行員は、融資停止を命を受けても、ダミー会社の名前を使って、不正な融資を続けていたこともわかりましたが、現在、新規の不動産融資の実行を止めているため、不動産会社の資金繰りも厳しくなっています。
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8月中に公表
スルガ銀の第三者委員会は8月末までに調査報告書を公表する方針です。
第三者委の調査結果を受けて、スルガ銀行は、これまでのガバナンスの欠如、経営責任の明確化を含めて抜本的な体制刷新を迫られることになるでしょう。