スマートデイズ社運営のシェアハウス投資「かぼちゃの馬車」、オーナーへの家賃未払い問題で、オーナーに融資を行ったスルガ銀行に先月13日金融庁の立ち入り調査が行われました。
その後の朝日新聞独自の取材で、改ざんされた資料を元に、融資が行われたのが、スルガ銀行の1支店だけではなく、11支店・出張所に及ぶことが明らかになりました。
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不正を見逃したスルガ銀の11支店・出張所
不正を見逃したとされるスルガ銀行の支店・出張所名は以下の通りです。
東京、渋谷、新宿、ミッドタウン、二子玉川(ここまで東京)大宮出張所(埼玉県)
川崎、たまプラーザ、横浜東口(ここまで神奈川県)
仙台、京都
問題の焦点は、銀行全体の規模で行われたものかどうかということです。それによって銀行の処分、および責任が問われることになります。
シェアハウス投資5業者とは
シェアハウス投資では、少なくとも5業者が家賃不払いとなり、5業者すべての物件で通帳コピーなどが改ざんされ、貯蓄や年収が水増しされた資料をもとに首都圏にある同行の7支店・出張所が融資を実行したとされています。
その5業者は以下の通りです。また、この業者たちは「リスク説明制度未登録」とされるものに関しては、いずれも未登録でした。
スマートデイズ社
SAKT (サクトインベストメントパートナーズ株式会社)
ゴールデンゲイン(ゴールデンゲイン株式会社)
サンフィール(株式会社サンフィール)
ガヤルド
スルガ銀行内での書類改ざんはどうなっていたのか?
銀行の支店は上記の通り、シェアハウス以外、一棟マンションを含め、東京以外にも仙台や京都で融資が行われたと、売却・仲介をおこなった4業者が話しているということです。
これらの業者が改ざんを行ったわけです。もし改ざんを行わなかったとしたら、通帳の残高その他が融資の条件に合わず、融資はできないことになっていました。
銀行では、コピーではなく、残高の数字が直される前の通帳の原本を確認する、ということが、銀行の営業本部に指示が出ていたといいます。
業者が改ざんを行っていたとしても、銀行の担当者が、規則通りに通帳の原本を確認していれば、融資は行われなかったはずなのです。
ある行員も「資料改ざんは以前から行内で問題視され、不正を防ぐよう求められていた」と話していたと記事内にありますが、その辺りが行内でどう扱われていたのでしょう。
現時点で、スルガ銀は「(行員の)不正への関与は確認していない」としており、その点への調査が進んでいます。
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シェアハウス投資トラブル続報 20人分の改ざん確認 残高も物件価格も水増し マンション投資も不正
以下は朝日新聞の記事です。
スルガ銀、11営業拠点で不正見逃し 融資の資料改ざん
シェアハウス投資などへのスルガ銀行(静岡県沼津市)の融資で資料改ざんが相次ぎ見つかった問題で、改ざんされた資料をもとにした融資が同行の11支店・出張所で行われていたことが、朝日新聞の取材でわかった。銀行側は通帳原本などの確認を行員に求めていたが、広範囲にわたって多数の不正が見逃されたことになる。スルガ銀は不正には関与していないとしているが、金融庁の検査などで不正の原因がどこまで解明されるかが焦点だ。
シェアハウス投資では、少なくとも5業者が昨年以降に約束した賃料をオーナーに払わなくなった。5業者すべての物件で通帳コピーなどが改ざんされ、貯蓄や年収が水増しされた資料をもとに首都圏にある同行の7支店・出張所が融資を実行した。
約700人の顧客を集めて倒産したスマートデイズ(東京)の物件は、横浜東口支店(横浜市)の取り扱いが多い。数十~100人の顧客を集めたほかの業者の物件は渋谷、二子玉川(いずれも東京)など特定の支店に集中している。
中古1棟マンションへの投資では、少なくとも4業者が売却・仲介した物件で同様の不正があった。都内のある業者は十数人分の通帳コピーを改ざんし、新宿(東京)や仙台など6支店で融資を受けた。京都支店に出した資料を改ざんしたと証言した業者もいる。
重複を除くと、同行が都内に置く5支店を含む計11支店・出張所で不正が見逃され、貯蓄や年収が基準に満たない会社員らに過剰な融資が実行された。
スルガ銀によると、通帳などの原本確認は「従前より営業現場に指導を行っている」。ある行員も「資料改ざんは以前から行内で問題視され、不正を防ぐよう求められていた」と話す。
しかし、融資担当者が通帳原本を確認していれば、改ざん資料は審査を通らない。スルガ銀は「(行員の)不正への関与は確認していない」としているが、社内調査では不正を見逃した原因も含めて調べている。
金融庁は立ち入り検査に入っており、問題が判明すれば業務改善命令などの行政処分を検討する。(朝日新聞)