4月12日7時から、スマートデイズ社の社長他からオーナーへの説明会が開かれました。シェアハウスのオーナーら130人超が参加。オーナーらは6時に集まり、質疑応答の確認などをして説明会に臨んだといいます。
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スマートデイズ社オーナーへの説明会の様子
19:00に説明会が開始すると、オーナーから「疑惑の塊でしかない。何が民事再生だ」、「破産しろ」などの怒号が飛びました。
赤間社長が「多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします」と謝罪。
申請代理人の南弁護士が
「スマートデイズとサブリース契約が解除されていない物件の入居者は357名いるが、キャッシュがない中でインフラを維持しないといけない。(民事再生は)スマートデイズを再生させるという趣旨ではなく、これを達成するにはどの手続きがいいのかを検討した」
また「破産を念頭に置いた暫定としての民事再生だと私個人としては思っている」と述べました。
代表取締役の交替
4月3日、菅澤聡氏がスマートデイズの代表取締役を辞任。スマートデイズの代表取締役には赤間健太氏が就任しました。それについて代理人弁護士の南弁護士は
「(スマートデイズの親会社である)オーシャナイズの社長は菅澤氏だ。私ども(申請代理人)はスマートデイズの代理人だ。このため、オーシャナイズと対峙しないといけない局面が出てくるかもしれない。そうした中で菅澤氏と折衝するのは納得いただけないので、赤間氏を代表者にした」
赤間氏はスマートデイズ社の親会社である(株)オーシャナイズの同社取締役を兼任していると言います。
また、菅澤氏はスマートデイズを買収したオーシャナイズの社長であるそうです。
民事再生後の資金繰り
資金繰りについては、「オーシャナイズから700万円DIPファイナンスを受けた。さらに300万円の提供を受ける予定」(南弁護士)であることを明かした。
しかし、依然として資金繰りがひっ迫していることに変わりはなく、2018年は、見通しは開示されていないが、20億円程度の最終赤字になる可能性があるとも言われています。
また、これとは別に連帯保証債務が27億8,780万円あることも説明されました。
民事再生申請への懸念
最も心配されることは、「民事再生で訴訟手続きが中断し、破産申立もできなくなる。そうなると責任追及や実態解明が遠のく」ということです。(被害者弁護団オブザーバー 加藤弁護士)
スマートデイズ社は「入居者の保護」を前面に出しているようですが、それとオーナーの被害回復の両立は可能なのか、今後の調査の行方が注目されます。
(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年4月16日号掲載予定「Weekly Topics」より)