信金大手の西武信用金庫が、7日、暴力団関係者に融資を行っていたことが伝えられました。
8日には、金融庁が同行に立ち入り検査を行っており、近く行政処分の検討が行われるとのことです。
朝日新聞と日本経済新聞の今朝の報道からお伝えします。
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西武信金「準暴力団側に融資」 朝日新聞
関係者によると、反社会的勢力への融資などの不適切な取引が複数浮上。
東京都内のある支店では、警察庁が準暴力団と位置づける組織の関係者側への融資が大きく膨らんでいた。
幹部が問題のある取引先と会食を重ね、相手が反社会的勢力とわかったあとも融資を続けた可能性があるとみて、金融庁は融資の実態などを詳しく調べる。
西武信金は反社会的勢力との関係遮断が基本方針に
西武信金は反社会的勢力との関係遮断の体制を整えることを、基本方針として掲げてきていた。
西武信金に業務改善命令などの行政処分
反社会的勢力を排除する取り組みが不十分と認められれば、業務改善命令などの処分を検討する。
西武信金トップ、落合寛司理事長辞任か
好業績を牽引(けんいん)してきた落合寛司理事長の進退が問われる可能性もある。
西武信金は預金額約2兆円の信金大手
西武信金は預金額約2兆円の信金大手。
超低金利下で地域金融機関の経営が厳しい中、貸出金を8年で2倍近くに増やすなど突出した高利益を上げてきた。
不動産投資向け融資の調査で発覚
西武信金は不動産投資向け融資にも積極的だった。 スルガ銀行の融資の問題が昨年に発覚した後も、業者の不正を見抜けず、融資を継続。
審査体制に問題がないかを調べるため、金融庁が昨年秋から立入検査を始め、その過程で反社会的勢力との取引が浮上した。
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ここまで、朝日新聞。
以下は日経新聞からです。
「西武信金、反社会勢力に融資疑い」日経新聞
西武信用金庫(東京・中野)が暴力団など反社会的勢力と関わりのある企業に融資していた疑いのあることが8日、分かった。金融庁は同金庫の融資審査や管理体制に不備がなかったか立ち入り検査を含めて調べている。
組織的に不適切な融資をしていた恐れもあるとみて取引実態を慎重に見極めた上で行政処分に踏み切るかを検討する。
西武信金は東京や埼玉など首都圏で展開し、預金残高は2兆円を超える。
融資先の一部に、暴力団関連企業
関係者によると融資先の一部に、暴力団と関わりのある企業が含まれていたとみられる。
西武信金の幹部は日本経済新聞の取材に対して「適切に業務をやってきたつもりだが、今はコメントできない」と話している。
金融庁は投資用不動産で不適切な融資が発覚したスルガ銀行の問題を受け、昨秋から西武信金を含めた地域金融機関の不動産融資の実態を調べていた。その過程で反社会的勢力と疑われる相手との取引が発覚したようだ。
意識的に反社会的勢力に融資か
ただ金融機関の取引で金融庁は反社会的勢力の認定だけでなく、内部管理体制の実効性も重視する。
融資などをした後に相手が暴力団員などと分かる場合もあるからだ。このため西武信金が疑わしい取引を認識した経緯やその後の対応を重点的に調べているようだ。
みずほ銀行の例
金融機関と反社会的勢力を巡る問題では、2013年にみずほ銀行が提携先の信販会社を通じて暴力団員らに融資していたことが判明。
問題が発覚しても2年以上にわたり取引を解消せず、一部業務の停止命令が出た。
西武信金に関する、今日のニュースは以上です。