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スルガ銀行の弁護士が辞任 責任の薄い新経営陣への交代で交渉難航の見通し

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スルガ銀行(静岡県沼津市)のシェアハウス投資向け融資で多数の不正があった問題で、同行の第三者委員会(委員長=中村直人弁護士)は7日、調査報告書を公表しました。

不動産投資向け融資で資料改ざんなどの不正が横行し、役員や支店長、多くの行員が関与したことが第三者委員会の調査で明らかになり、その動きを受けて、オーナー弁護団が、旧経営陣を提訴するという会見を行いました。

ところが、弁護団によると、交渉に当たっていたスルガ銀側の弁護士が辞任してしまったというのですが、突然の辞任はなぜなのでしょう。

そして、最も気になる、これからの交渉はどうなるのでしょうか。

 

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被害者オーナーの弁護団とは

 

破綻したスマートデイズのシェアハウス「かぼちゃの馬車」の問題を受けて今年3月に発足。

河合弘之弁護団長を筆頭に、現在弁護士30名以上。被害の救済に当たっています。

これまでは約260人のシェアハウスのオーナーと弁護士とが、集団でスルガ銀行との交渉を進めており、発足以降、これまで7回の交渉を重ねてきたといいます。

交渉の内容は、オーナーの債務の軽減に関する申し入れが主なものだと思います。

 

スルガ銀行側の弁護士が立て続けに辞任

ところが、窓口となるスルガ銀行側の弁護士が立て続けに辞任してしまい、12日に最後に残っていた一人も辞任。8回目の交渉は行われなかったといいます。

窓口となるスルガ銀行側の弁護士が立て続けに辞任しては交渉の窓口がなくなってしまっている状態です。

弁護士が次々といなくなる

被害者側の弁護団によれば、これまでスルガ銀行の交渉窓口は2つあり、1つはオーナーとの交渉を担当するスルガ銀行の代理人としての弁護士と、もう1つは第三者委員会とは別に、スルガ銀行の社内調査にあたった危機管理委員会のメンバーでした。

ところが、9月7日に第三者委員会報告書が提出され岡野光喜会長ら役員5名が辞任。これを理由に、スルガ銀行側の代理人である複数の弁護士が辞任を申し出たといいます。

さらに危機管理委員会のメンバーも「第三者委員会の報告書が出た時点で、我々の依頼事項は全て終えた」(委員長を務めた久保利英明弁護士)として辞任しました。

スルガ銀行の担当弁護士は1人だけ留任してはいるが、「1人ではダメだから(交渉に)出るな、と誰とは言えないがそう言われたようだ。スルガ銀行は交渉の窓口を切ってくる暴挙に出た」(被害弁護団団長の河合弘之弁護士)。

ということで、河合弁護士は、弁護士の辞任は実質的に、スルガ銀行の交渉拒否とも見ているようです。

これまでの交渉は

「私たちは無理無体なことを言っているわけではない。不動産は返すから借金をゼロにしろと、極めてフェアな要求をしている」(河合弁護士)

シェアハウス、あるいは、その土地ぐるみを銀行に引き取ってもらいたいという内容のようです。
それに対して、交渉に参加したオーナーは、相手側弁護士との交渉の印象を次のように述べています。

「スルガ銀行側の弁護士は、こちらの要求をのらりくらりとかわすだけだった」(交渉に参加したオーナー)

 

また、スルガ銀行関連の弁護士が「個人的な意見」として漏らすことには、次のような言い分もあります。

「スルガ銀行としては、債務の負担割合については交渉の余地がある。だが被害弁護団の言うような、すべてチャラにしろという主張には応じられない。これを認めてしまったら、不動産投資で損失を出しても銀行に買い取ってもらえることになり、モラルハザードが起きてしまう。互いに交渉の余地がなく、このまま(交渉を)続けていても意味がない」

 

経営陣が交代したことで交渉が困難に

また、スルガ銀行では、岡野会長はじめトップの経営陣がすべて辞任。

銀行の再建には欠かせないことですが、これが、被害者弁護団にとっては、新しい困難な状況を生み出してしまったといいます。

というのも「旧経営陣の場合は、自らの行いの尻拭いという格好も付いたが、新経営陣となると、新たな損失を生み出す形になる」(関連弁護士)ため、元々応じなかった債務の減額の交渉には、さらに強硬な姿勢が採られるようになったのだと言います。

それがおそらく、今回の弁護士の辞任の理由でもあるのでしょう。

望まれる打開策

弁護団は、これまでできるだけ交渉によって事態を打開しようとしてきていました。というのも、裁判になると年数がかかってしまい、オーナーらはその間もローンを支払い続けなければなりません。

なので、できるだけ短期間で決着をつけるのが目的であり、そのための交渉であったわけですが、ここへ来て何とも難しい事態になってしまったと言わざるを得ません。

(旧経営陣は)スルガ銀行を辞めて老後をゆっくり過ごしたいと思っているかもしれないが、そうはいかない。残りの人生を追い込んでいかざるを得ない。絶対に許さない。

と、河合弁護士は語っていますが、何とか落としどころを見つけてほしいものです。

この後は、株主代表訴訟請求、また途切れてしまった交渉を継続するため面談申入書を送るということになっており、行方を見守っていきたいです。

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