世間を騒がせている積水ハウス地面師事件、カミンカス操ら地面師と呼ばれる詐欺グループが所有者になりすまして、積水ハウスに土地を転売、55憶円をだまし取ったというものですが、この事件について、ジャーナリストの須田慎一郎氏が前回に続き、ラジオ番組で真相に肉薄。今回の放送で驚いたことに、暴力団ともつながりがあった他に、やはり警察に内通者がいたと語っていることです。
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ラジオ番組で地面師事件の新事実
須田慎一郎氏が出演しているのは、ニッポン放送の「飯田浩司のOK! Cozy up!」という番組で、前回に続いて積水ハウス地面師事件の解説を行っているわけですが、他のメディアに先んじての新事実が次々に語られています。
まだ逮捕されていない積水ハウス地面師事件の主要人物に、カミンカス操容疑者のほかに、土井淑雄という人物がいるということです。土井氏は早くから海喜館の事件への関与が取りざたされていました。
土井淑雄なる容疑者の人物像は
土井氏は詐欺師業界では超有名人、知らない人はいない大物だということで、年齢は60歳を超えています。
「単純な地面師だけでなく、過去は上場企業に入り込み、株を転がして利益を上げたり、そういう詐欺行為もやっていた男」(須田氏)
だそうです。
積水ハウスから詐取した残り30億円は
そして、土井氏が注目される理由は、もちろん、画策した主犯に近い人物だという以外に、積水ハウスからだまし取ったお金を配分した残りのほとんどを、この人物が持っている可能性があります。今のところ30億円が不明なわけですが、あるいは、この人物が海外に引き出して隠し持っているということになるのでしょうか。
土井氏の家宅捜索も
7月頭には、墨田区にある土井氏の事務所などに警視庁捜査2課による家宅捜索が入ったとも伝えられています。カミンスカス操容疑者と同様、外車を乗り回し、高級クラブに出入りしていたといいます。
警察関係者の接待をしていた?
しかし、カミンスカス容疑者と違ったのは、そこで、フィリピン人のホステスを相手にしていたのではなく、以前から付き合いのあった警視庁の刑事らを銀座のクラブやゴルフなどに連れ出し、接待を行っていたらしいということです。
つまり、そのために、土井氏なる人物と、カミンスカス操容疑者はまだ捕まっていない。悠々と海外出国をして、半ばは行方が知れないこととなっているのです。
仮登記という手管の信ぴょう性
この土井氏が、西五反田の旅館跡地を積水ハウスに売る際の、仮登記というものを行い、それが積水ハウスのような大手が、詐欺とは思わずに取引を進めた理由だと言いますから、土井氏は相当地面師案件に手慣れていたのでしょう。
しかも、先に警察にも手を回していたとなると、これまでに表に出ていた手口よりも、もっと用意周到で大掛かりであったこともうかがえます。
そして、その警察の中の関係者11名の名前は、地面師グループの一人で先に逮捕されていた永田容疑者の携帯に、電話番号と共に登録されていたのです。
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「マル暴」の刑事たちが情報リーク?
では、警察の中で関与していたのは誰かというと、これが、「組織犯罪対策課」いわゆるマル暴といわれるセクションの刑事たちだと言います。
なぜ、組対課が地面師事件と関係するのかというと、
カミンスカス容疑者や、積水の間を仲介した企業のバックを考えると、相互に東西の大手暴力団の影がチラついている。「組対としては、情報提供しなければならない何らかの事情があったのではないか?」と私は睨んでいます。
と須田さんが述べています。
カミンスカス容疑者は、元々G組のフロント企業に出入りしていた関係。それから、仲介に入った生田ホールディングスのIKUTA社の『エグゼクティブアドバイザー』のK氏、羽毛田容疑者に積水ハウスがマンションを売った際の仲介者がS氏で、S氏とK氏が兄弟であり、知られた暴力団の身内だそうです。
また、カミンスカス容疑者と、土井氏、それから最初にシンガポールに出国していた生田剛氏など、それら容疑者の海外逃亡のルートを用意したのも、それらの関係者らしいです。
詐欺事件に関しては捜査2課の管轄ですが、捜査の情報を漏らしたのは、その組対課の刑事たちだといいますから、接待を受けてあらけじめ報酬を受け取っていた可能性も高そうです。それ以外の要因もあるのかもしれませんが、まだ明らかになっていません。
まとめ
ここへ来て、積水ハウス地面師事件の全貌がわかりかけてきましたが、裏の人脈は思いのほか広いことがわかりました。
もっとも、警察の方では既にその情報を押さえてもいることでしょうが、ここまで広がりが大きいとなると、一体どこまで、そしていつまでに逮捕ができるのかが危ぶまれます。