賃貸アパート大手「レオパレス21」のアパートに施工不良が見つかり、1万4400人を超える数の入居者が転居を迫られている件で、レオパレスが、6年前の2012年に建築基準法に違反する物件について認識、対応を検討していたことを示す社内文書の存在が明らかになりました。
毎日新聞の記事を元にお伝えします。
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レオパレスは違法建築について6年前に知っていた
レオパレスが違法建築について、認識、検討をしていた文書があり、共産党の宮本岳志議員が入手。
21日の衆院予算委員会で明らかにしました。文書の内容は国土交通省も把握しているということです。
「ガイアの夜明け」もレオパレス特集で報道
この文書の内容については、「メモ」として、テレビ番組の「ガイアの夜明け」が番組内に取り上げていたものですが、番組内では、それが「メモ」となっており、どのような文書なのかは、詳しく伝えられていませんでした。
上が、「ガイアの夜明け」が取り上げた、その文書の画像です。
「当社の一番の懸念は現時点でレオパレスに建築基準法違反という記録が残ること。先方(西木氏)の和解枠組みを100%受諾する→本裁判において法違反文言は記載されない」とあります。
アパートの施工不良の公表を避けるため和解
上記文中の「西木氏」というのは、レオパレスアパートオーナーの一人で、サブリース契約の賃料引き下げの件でレオパレスを訴えていました。
その際に界壁がないことがわかり、レオパレス側は、西木氏の要求する金額を支払うということで西木氏と和解したいうことです。
和解に至ったのは、「当社の一番の懸念は現時点でレオパレスに建築基準法違反という記録が残ること」を避けようというのが、その理由でした。
つまり、レオパレスは、その時点で、あるいはもっと以前からかもしれませんが、建物の不備に関しては知っていたということになります。
以上に関しては、「ガイアの夜明け」が詳しいです。
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レオパレス顧問弁護士「蓋をすることは不可能」
また、文書の中には、レオパレスの顧問弁護士が次のように助言を述べている箇所もあります。
「本裁判以降、GNの瑕疵について完全に蓋(ふた)をすることは不可能である」
「1部上場企業でコンプライアンス順守を表明している以上、GNの修繕については今後プロジェクトを組んで対応すべきだ」
その助言通りに、もっと早く、施工不良の箇所に対応を取っていれば、今のような事態にはならなかったかもしれません。
レオパレス側は去年まで「知らなかった」と主張
レオパレス側は、これまでの取材は会見では、オーナーからの指摘で初めて知ったと応答。
レオパレスの田尻取締役によると、「それは去年3月27日と4月7日くらい」とのことで、レオパレスの発表では界壁問題を把握したのは、2018年3月から4月ということでした。
さらに、レオパレス側では、施工不良の原因は、「建築現場での作業効率を上げるのが一番の目的だった」と社長自らが認識しながら、不正な施工をしたことを認めている部分と、他に「現場の判断」そして「点検体制の不備」などを理由にあげています。
しかし、レオパレスの施工不良に関しては、「20年前からあった」という声もあり、上記の文書からは、社内で隠蔽されていた事情もうかがえます。
それにしても、いつかは発覚するかもしれないと、誰も思わなかったのでしょうか。その点がつくづく不思議でもあります。
おそらく、今後はレオパレスが施工不良について認識していたかの点についても調査が進むと思われます。
最終的には社内だけではなく、外部からの調査、そして補修など今後の監督と指示が入るのがもっとも望ましいでしょう