西武信用金庫に金融庁が業務改善命令という今日のニュース速報です。
西武信金が暴力団関連企業に融資を行い、支店長クラスの信金幹部が反社会勢力の関係者に飲食接待を行っていたという問題の件で、金融庁の行政処分が下されました。
毎日新聞の報道よりお伝えします。
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西武信金に業務改善命令
西武信金は、準暴力団の関連企業など反社会的勢力に融資を行ったことが報道されたのが4月7日。翌8日には、金融庁が同信金に立ち入り検査を行いました。
その後、行政処分命令が下されることになっていましたが、金融庁は週内にも西武信金に業務改善命令を出す方針を固めたということです。
これまでのニュースでわかっていることは
・西武信金が組関連企業複数に融資を実行
・融資先はペーパーカンパニーであり、融資した資金は暴力団の活動資金として使われていた可能性がある
・信金側は「反社会的勢力に該当する」として内部のデータベースなどで管理、不適切な融資と認識の上で行った
西武信金への業務改善命令の内容
西武信金ではこれまでの調査で、支店長クラスの幹部職員が、組関係者を飲食接待するなどが明らかになっており、反社会勢力団体への融資が組織ぐるみだったと認定されました。
業務改善命令では、融資審査の厳格化や法令順守など内部管理体制の抜本的な見直しを求めるということです。
西武信金、落合理事長は辞任の方向
西武信金の落合寛司理事長は、一連の問題の責任をとり、辞任する方向で調整しているということです。
暴力団への融資は理事が主導したということであり、融資が組織ぐるみであったことが判明しています。
西武信金 暴力団の構成員に接待
関係者によると、西武信金は数年前から、貸出先の企業の経営に準暴力団構成員が関わっているのを知りながら融資を続けていたということです。
さらに支店長などの幹部クラスの職員が、在日中国人らによる準暴力団の構成員らに飲食を伴う接待を繰り返していました。
また、それらの接待の費用の支払いには、信金名義のクレジットカードが使用されていたということです。
西武信金「基本方針」の信用失墜
しかも、西武信金のこれまでの姿勢の点では、反社会的勢力を排斥するということを「基本方針」として掲げてきていました。
アピールしていることとは真逆だったということになると、金融機関に必要な信用が一気に失墜することとなります。
この点も踏まえて、金融庁は「反社会的勢力を取引から排除する」という金融機関に必要不可欠な意識が欠けていると判断し、信用金庫法に基づき業務改善命令を出すとされています。処分は厳しいものになることが予想されます。
西武信金、これまではトップの高収益
西武信金は預金額約2兆円の信金大手。長期化する日銀の金融緩和で多くの金融機関が厳しい経営を強いられる中、貸出金を増やし高収益を上げていました。
反社会勢力への融資だけでなく、金融庁は、同信金の投資用不動産向け融資についても過剰融資などの問題があったとしています。
金融庁、他の金融機関も検査へ
マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ・犯罪資金の対策を担う国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の対日審査を今秋に控え、金融庁は反社会的勢力への融資や接待がないか金融機関を重点的に検査する方針です。
取引を遮断する体制が整えられているかも調べ、問題が見つかれば早期の是正を求めるという考えです。
西武信用金庫とは
1969年に2信金が合併して発足した。東京都と埼玉県、神奈川県で計74店舗を展開し、2018年9月末の預金額は、全国261信用金庫で14位の2兆643億円。
18年3月期の本業のもうけを示す業務純益は144億円。西武鉄道などの西武グループとは資本関係がない。
落合理事長経歴
落合寛治(おちあいかんじ)
神奈川県出身。神奈川県立津久井高校、亜細亜大学卒業。
1973年西武信用金庫入庫。2002年常勤理事、05年専務理事を経て、10年6月より現職。66歳。
信用金庫について
「信用金庫」とは何かを簡単にまとめておきます。
信用金庫とは?
信用金庫や信用組合は、信金なら会員、信組なら組合員の出資によって成り立っている。
労働金庫や農協などと併せて、「共同組織金融機関」とも呼ばれている。
信金と銀行との違い
融資や預金などは通常の業務は銀行と変わりありませんが、「共同組織金融機関」の性格から、営業の地区を定める必要があり、会員、貸出先などが制約されており、銀行ほど自由に営業できない。
「定期積み金」という積立型の特徴的な金融商品がある他、信金と信組は、税制上優遇されており、法人税は、銀行など一般の法人が23.4%(17年時点)なのに対し、信金・信組は19%(同)。
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以上、西武信金の今日のニュース、業務改善命令の速報よりお伝えしました。