野村証券の元社員が「投資詐欺」を企て、野村証券が、投資詐欺を行った元社員の名前を公表しました。
この元社員に、野村証券の顧客や投資家を紹介していたのは、現役の社員であることを週刊新潮が報じています。
野村証券では被害にあった場合は相談をするように呼びかけています。野村証券の投資詐欺について、お知らせします。
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野村証券元社員が架空の投資商品
野村証券の元社員が「投資詐欺」を企て、野村証券が、投資詐欺を行った元社員の名前を公表しました。
日経新聞の7月2日の報道内容で見てみると
野村証券は2日、元社員が退職後に同社顧客を含む複数の投資家と接触し、架空の投資商品を提案している疑いがあると発表した。
元社員は現在Foresight(フォーサイト)の代表取締役を務めるとされる中村成治氏。
中村氏は、2016年9月に野村証券を退職しており、野村証券は同社社員の関わりも含めて調査を進めるとともに、警察に相談している。
「投資詐欺」週刊新潮が詳しくルポ
日経新聞の記事では、「架空の投資商品」がどんなものか、詳しく書かれていませんでした。このあと、週刊新潮にその内容を追う記事が出ました。
それによると、野村証券は、上記の記事の通り「当社元社員の中村成治氏が、退職後に客の投資家に接触し、架空の投資商品を提案」とだけ公表しているが、実際は、退職した中村成治氏だけではなく、現役社員も加わっているー―
その辺りは「詳しくは調査中」とのことで、野村証券側は明らかにはしていないということなのです。
しかし記事の内容を読むと、明らかに詐欺であることがわかります。というのは、投資と言って、顧客からお金を受け取っておきながら、実際に運用は何もしていないからです。
野村証券がらみ7300万円詐欺被害の内容
被害者の一人は50代男性、「野村証券に口座を作ったせいで、退職金と相続した財産すべて7300万円を根こそぎだまし取られた」というのです。
内容を要約すると、男性が口座を作ったのは、野村証券の船橋支店。老後の資金にと株の運用のためであったそうです。
野村証券営業マンが自宅に訪問
すると船橋支店の営業マンが突然自宅を訪問、「最近は新規上場や公募増資などのいい話がないので、別の案件をご紹介します」と言ったのが最初でした。
営業マンは、中村氏を紹介し、この男性は、中村氏に会って、「元本を保証し1カ月で3%の金利を得られる」との投資話を聞かされました。
「融資斡旋スキーム商品概要」という商品名で、「日本政策金融公庫の融資を使ったコンサルティングフィーを収益の基盤とする」というもの。
この男性は3500万円を振り込みました。
その後も営業マンの誘いで、投資金額を追加して、全部で7300万円を振り込んだといいます。野村証券で投資していたほぼ全額を、こちらの「融資斡旋スキーム商品」に積み替えた形になります。
満期金が返してもらえない
すると、「金利」の配当を245万円を後日受け取ることになったので、男性が安心していると、自分は転勤するので、あちらの会社と直接取引をしてほしい」と言われました。
そしてその後は利息はもちろん、満期になっても元本が返還されてこず、中村氏の携帯にかけても通じないこととなったといいます。
野村証券の上司に訴えたが
驚いた被害男性は野村証券に連絡。すると、転勤するといっていた社員は、変わらず勤務していることがわかりました。
男性は当然その営業マンはもちろんのこと、野村証券の上司や、社長室にも訴えましたが、「誠意のない態度」で、まったく取り合ってくれなかったというのです。
「穴埋め」のため他の投資商品を勧められる
そればかりか、野村証券の社員、これは本物の別な社員が『損失分を穴埋めしましょう』と、不動産投資やFXで、1千万円から2千万円の投資に対し毎月10万円の配当を出すという別の投資案件を持ちかけてくるという始末となりました。
野村証券元社員 中村成治氏が詐欺を認める
この男性は当の中村氏と会うことに成功、話し合いを録音しましたが、それによると、中村氏は飲食店やバーを経営した借金を穴埋めするために、詐欺に手を染めることになったと話したようです。
さらに、投資話は実体のない架空の案件であったことも認めたといいます。
中村氏は口頭での謝罪はしましたが、その後は”雲隠れ”の状態になっているということです。
野村証券現役社員と中村氏の関係
この男性を偽の投資話と知りながら中村氏に引き合わせた、野村証券の現役社員Sは、中村氏とは、遊び仲間であったということで、中村氏は後輩の営業マンを引き込み詐欺を企てたという推測です。
馴染みの顧客も被害に
また、同じ現役社員は、他の顧客にも同じ手口で、架空の投資話を「自民党のある先生から来ている案件で、配当が3%つく」として紹介。こちらも、どこにも実際の投資は行っていないのです。
この男性も3千万円投資したうちの2千万円が戻われず、現役社員からは「実は僕も中村に騙されていたんです」とお詫びがあったというのです。
以上の、被害者の談話と被害状況については、週刊新潮が取材で書いているものです。
それによると、野村証券側が公表していないものの、元社員の他にも現役の社員が関わっていることは確かなようです。
一方、野村証券側がどの程度把握して、どこまでを調査しているのかは、今のところはっきりしていません。
野村証券では、中村氏から取引を持ちかけられた投資家などにはお客様相談室(0120-56-8604)に連絡してほしいと呼びかけています。