武蔵小杉のタワーマンション価格は台風被害によって暴落するという説が、あちこちで聞かれます。
これまで、不動の人気を誇ってきた武蔵小杉に下落はあるのか。
この疑問に週刊ダイヤモンド誌が答えて解説をしていますので、要旨をまとめてみました。
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武蔵小杉のタワマン、浸水で停電と断水が!
目次
これまで人気が確立していた、神奈川県川崎市中原地区、武蔵小杉のタワーマンションが、10月12日の台風19号の被害に遭って、停電と断水が伝えられました。
武蔵小杉が暴落するのではないか、という説は、これまでもいろいろな局面で聞こえてくるものでしたが、今回の台風被害によって、さらにタワーマンションと武蔵小杉の地価や資産価値についてが様々に取りざたされています。
武蔵小杉の”暴落説”の疑問に答える
そんな中、週刊ダイヤモンドオンラインがこの疑問について記事を掲載。
デベロッパーや不動産鑑定士などの専門家に取材しました。
それぞれの意見がどのようなものだったのかをまとめてみたいのですが、結果を言うと、それほどの値下がりはないということのようです。
ちなみに、当ブログでこれまで掲載していた、ほぼ「暴落説」についてを先にあげておきます。
「武蔵小杉ブランドが被ったダメージは甚大」
住宅ジャーナリストの榊淳司さん
今回の一件で、武蔵小杉ブランドが被ったダメージは甚大だと思います。例えば、東日本大震災時に新浦安や海浜幕張で液状化現象が発生しました。震災全体の被害に比べれば、局地的なものでしたが、海浜幕張のマンションの坪単価は数年かけてじわじわと半分くらいまで下がりました。人は災害の記憶を忘れません。(ビジネスジャーナル)
ちなみに、榊さんは元々「辛口」の言質で知られている方で、武蔵小杉の該当のタワマンは「”事故物件”になってしまった」とも述べています。
ただし、切れ味の良い意見を言う方なので、読んでいて面白いし話がわかりやすいのです。
「停電マンションも評価は下がらない」
一方、冷静に動向を見ながらも、ソフトな語り口の櫻井幸雄さんはというと、
今回の台風で被害を受けたマンションは、その評価がたいして下がらないようです。つまり、固定資産税資産税も相続税もあまり変わらないということです。
被害にあったマンションを今すぐ売れば、買いたたかれるでしょう。(中略)3年くらい経てば、記憶が薄れるので、中古価格は戻ると思います。
櫻井さんは、「高騰したマンション価格がいつ値下がりするか」の論議でも、お考えはあっても、明言を避ける傾向がありますが、適当な物言いはしない方ともいえます。
武蔵小杉タワマン価格の下落は一時的
それでは、今回の週刊ダイヤモンド誌の専門家たちの意見はというと、
「開発戦略に影響なし」
二子玉川と武蔵小杉のマンションを扱うデベロッパー、東急不動産の広報担当者は、
物件開発では事前にさまざまな想定をしている。今回の件が当社の開発戦略に影響を与えることはない。
水害があったからといって、方向転換はないということです。
逆に、開発サイドは、これまでよりも災害対策を強化したマンションを「武蔵小杉でも安心」といった印象で売りに出すことも考えられます。
武蔵小杉に限らず、これからのタワーマンションはそうならざるを得ないでしょう。
「浸水エリアは数年間地価を下げる」
不動産鑑定士の武藤悠史氏からは「不動産の公的な評価ではハザードマップや土砂災害警戒区域などは当然踏まえている」としながら、武蔵小杉の土地の評価が二極化すると予想。
「二子玉川でいえば、今回浸水しなかったエリアはさらに人気が高まる。浸水エリアは数年間、地価を下げ、次第に下落率は薄れていく」
リスクの高い土地に関しては、既に価格に反映している、ということなので、安いマンションがあれば、なぜ安いのか、それに合わせてハザードマップを確認することがよさそうです。
今後、浸水エリアは、やはり若干地価が下がるというのですが、この点は櫻井さんの意見とは違うようですが、場合によっては、そのような値下がりは、最初から「一時的」と名指されているものであれば、逆にお買い得かもしれません。
というのは、今回被害に遭ったのは、11棟の内2棟のみ。地形だけではなく、マンションの対策の方にも課題があるとみられるからです。
停電があっても、2棟のうち1棟は、1週間で復旧したという情報がありました。
さらに、数十年に一度の台風被害が、これからもあるのかどうか。必ずしも楽観はできませんが、よしんば浸水があったとしても、住居そのものについては高層階の部屋には、全く影響はありません。
その点、マンションは戸建てに比べればはるかに安心なところではあるのです。
マンション管理のチェックも
他には、「安全安心という観点から管理が行き届いているかというのも大切だ」マンションの管理の大切さを述べる投資家もおり、災害対策に限ったことではなく、日ごろから管理がずさんであるところは、災害時にのみ、上手に立ち回れるとは言えないということでしょう。
この辺りになると、購入者にはなかなか判断が難しいところではありますが、「実際に自分で物件を見たり、販売業者に細かく聞いたり」することを、買う側としても怠りなく行わなくてはならないとの戒めでした。
まとめ
私自身が住み替え先として、マンションも視野に入れているところなので、今回の議論は、ずいぶんと参考になったと思います。
そもそも、購入時は、平時を前提に価格ばかりしか見ていないので、災害時という突発的な出来事に対応できるかどうかということも、マンションに付随する条件であり、価格もそれに含まれるということです。
今回の台風被害、吉と出るか凶と出るかは、それぞれの立場によって違ってくるとは思いますが、地価が下がったとしても、一時的であるという見方が大半のようです。
そもそも、武蔵小杉は開発の土地としてのモデルケースのようなところなので、駅の整備などの問題点は是正しながら、これからも魅力ある街として続いていってほしいと思います。
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