マンションの不動産売買事情、コロナ後は一変、売れにくくなるといわれています。
地方なら中古住宅が売れないのはもはや当たり前ですが、都心のマンションにおいても、「売れない」状況が生じてしまうとは、大変なショックです。
相続したマンションならともかく、住み替えの際は、売却を先に進めるのが必要となってきます。
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コロナ後の不動産事情
コロナ後の不動産事情、緊急事態宣言と外出自粛が解除となり、一時的な下落はともあれ、市場の活性化と回復が期待されています。
しかし、ここへきて新しい問題を指摘する専門家もいます。それがなんとも驚くべき話なのです。
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マンションが売れにくい?
住宅ジャーナリスト・山下和之さんの報告だと、どうもマンションが売れにくいというのです。
コロナ後、といっても収束が決まったわけではないので、まだコロナ禍の途中であるといってもいいかもしれませんが、その間は一時的に不動産価格は落ちるといわれてきました。
新築は売れ行きが大きく鈍る、そして、中古マンションは1割の下落(スタイルアクト社代表沖有人氏)というのが、大方の予想です。
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しかし、今回指摘されていることは、さらにもう少し深刻です。
マンションの売却と購入の順番
たいていの方がマンションを売るという時は、賃貸に移るのではなくて、売却した資金を想定しながら、新しいマンションを買って住み替えるというのがシナリオです。
そのためもあって、買った時よりも値上がりをしそうなマンションを選ぶというのがこれまでの定石でした。
ところが、値上がりどころか、マンションがとうとう売れなかったという事態が起きているというのが今回の話題です。
売却したいマンションが売れない!
例として挙げられているのが、6千万円のマンションの例。
中古で半額の3千万円で売れると踏んでいたら、とうとう売れず、不動産店に2千万円で買い取ってもらう羽目に。
実質、1千万円のマイナスで、買い替えの資金がその分足りなくなったという結果です。
マンション売却が難しい”市場の現実”
山下さんは、これに解説をする際、驚くべきことを言っています。
今後は新型コロナウイルス感染症の影響で、ますます売却が難しくなる可能性が高いので、しっかりと市場の現実を理解して、確実に売却できるように準備を進めていく必要がある。
私が注目したいのは、新型コロナで「売却が難しくなる」という事実ではなくて、その前の「ますます売却が難しくなる」の「ますます」の部分です。
実は、地方においては、戸建てもマンションも売れない、という事実は、もはや当たり前になっています。
ただ、皆が皆家を売るわけではないので、気がつかれていないのです。
そのため、売る方はそこそこの価格を売り出し価格として希望しますが、その値段ではまず売れないという結果になります。
ただし、売りに出す方は、一生に一度の経験で他の事例がどうなっているのかはわからないため、「しっかりと市場を理解して」といっても無理なのですね。
しかし、地方はともかく、ネットのニュース記事に乗っている事例というのは、もちろん首都圏のことです。
地方以外においても「ますます売却が難しくなる」といことは、やはり、首都圏においても、コロナ以前から売れ行きは鈍っているということで間違いないでしょう。
そして、地方の例は言うまでもなく、「統計上数字が落ちている」という段階ならまだしも、それが目に見えてきた時にはすでに時遅し、となっています。
マンションは売るなら今すぐに売る
売るなら今すぐに売る、これはもう、これからの不動産市場の鉄則ではないでしょうか。
先延ばしして地価が上がるということは、もはやあり得ず、遅れれば売れにくくなるだけなのです。
そうなってからでは、おいそれと住み替えはできないことになります。
のちのち住み替えをしたいという場合は、前倒しに考える方がいいかもしれません。
マンションの住み替えは”売り先行”に
山下さんはまた別の記事では、
売却までには「70日~90日」程度の時間がかかるので、買い換えなら“売り先行”が無難
と言っています。
つまり、買い換えの際に、賃貸の住み替え同様、売ると買いをほぼ同時期に考えていると、売れないということが頻回に起こっているというのです。
もし、先に住み替え先のマンションを決めてしまって、それでも手持ちのマンションが売れない場合にはどうなるかというと、当然、資金額に狂いが生じてきます。
これが不動産の場合には、金額が大きいのでたいへんです。
売れないとローン支払い増に
3千万円で売ろうと考えていたのが2千万円の買取依頼となった上のケースでは、ローンの金額も1千万円増加。
当然支払額も大きくなり、この場合は、月々のローン支払い額が、12万円の予定が、15万円に増えてしまったといいます。
もし、仮に、ローンを増やしたくない場合には、手持ち資金をつぎ込むことになり、その分の貯蓄が減ることになります。
とはいえ、これが事前に計算できていればいいわけですが、先に買うことを決めてしまったという場合は、苦しくてももう取り返しがつきません。
また、場合によっては、一時的に売り物件と買い物件の二重ローンが発生するリスクもあるといいます。
元のマンションを先に売却すれば安心
こうならないためにはどうしたらいいのかというと、とにかく、売却の方を先にするということです。
多少時間がかかっても、無益に値下げをしないで済みますし、何より、心労が少なくて済みます。
売れないということは、実際体験してみないとわかりませんが、大変な精神的な負担となります。
しかも、空家の売却のように、「低価格でも売ってすっきり」ならそれでもいいのです。
多く相続の空き家の場合は、もうけはでなくても、それでマイナスにはならないからですね。
ただし、マンションの売却で高く売れないという場合には、これがはっきりしたマイナスとなり、しかもローンを組む場合には、それがあとあと何十年も尾を引くこととなります。
無用な苦労は避け、住み替えの際は、必ずマンションの売却を先にすること、その上で、資金計画を立てて、それに沿って購入を進めるのがベストです。