表参道の土地を所有者女性に成りすまして売却しようとした地面師事件が発覚、三木勝博容疑者ら3人が逮捕されました。
三木勝博容疑者は、積水ハウス事件でも逮捕されています。どのような役割で、今回はどうかかわったのかをお知らせします。
表参道の地面師事件
今回の地面師事件は東京渋谷区神宮前4丁目、表参道にある土地、約160㎡、48坪の土地をめぐる事件です。
積水ハウス事件に比べると面積は小さいですが、数億円が売却代金として受け渡しされたと伝わっています。
表参道の土地の所有者は
この土地の所有者は、80歳代の女性、おそらく古くから土地を所有していた方なのかもしれません。
お名前や詳しい情報は明らかになっておりませんが、地面師はこの女性のなりすましの替え玉を使った他に、委任状を偽造していました。
地面師三木勝博容疑者らの手口
今回の地面師の手口は、前回の積水ハウス事件とも類似しています。
契約の場に土地所有者に成りすましが同席
地面師らは不動産会社に土地の売却を装って、売買の契約をしました。
その場には、土地を買う話に乗った不動産会社の社員、三木容疑者、所有者に成りすました、高齢女性とその息子が立ち会ったといいます。
もちろん、女性と息子は全く無関係の他人で、どちらも地面師が手配した、いわば”役者”のような人物
です。
法務局で偽の委任状で登記をはかる
地面師らは、上記の女性の所有者名義の委任状をもって東京法務局渋谷出張所を訪れました。
その委任状は、偽造したものでだったわけですが、それをもって、別な人物が新しい所有者として該当の土地の虚偽の所有権移転登記を申請しようとしました。
しかし今回は運よく、法務局の職員が、不信を感じて手続きを差し止め、地面師らは逮捕されました。
法務局の職員が不審に思った理由は、あらかじめ、この土地を都内の不動産会社に売却した上で登記申請しようとしたという点にあります。
三木勝博容疑者他逮捕された地面師たち
今回逮捕されたのは、以下の地面師とみられる3人、
職業不詳、三木勝博容疑者(65)=東京都江東区東雲
会社役員、樫尾幸宏(42)=奈良市佐保台
職業不詳、豊田浩幸(60)=千葉県市川市欠真間
このうち、主犯は積水ハウス事件にも関わった三木勝博容疑者で、豊田浩幸容疑者は、女性の息子役ということで、土地売買の交渉・契約の場に同席しました。
地主に成りすましたという女性については、報道されておりません。
三木勝博容疑者の積水ハウス事件での役割
積水ハウスの地面師事件、網走刑務所内に収監中であった内田マイク被告が首謀者で計画を立て、カミンスカス操被告らを使って、積水ハウスから55億円をだましとった事件ですが、三木勝博容疑者はこれにも関与していたとされます。
三木容疑者の役割は、北田文明容疑者と共に、積水ハウスから振り込まれた土地の売却の代金55億円の口座の準備でした。
この口座は人に名義を借りた口座であったようです。
積水ハウスの支払った土地購入の代金55億円が分散されて、別口座経由で、ある特定の人物の口座に入る。
その口座から、何度にも分けて、上記の容疑者らが、お金を引き出すといった手口でした。
いわゆるマネーロンダリングというものですが、結局この55億円はどこへいったのかが不明なままとなっています。
三木容疑者が今回も逮捕となったので、あるいは積水ハウス事件の何らかの手掛かりにつながるかもしれません。
引き続き、慎重な捜査をお願いしたいものです。