武蔵小杉のタワーマンションが浸水、地下にある駐車場の車の浸水による被害が大きいことがわかりました。
現在も使用禁止である駐車場の復旧は1年かかるともいわれていますが、使用料はその間も支払わなければならず、そもそも浸水した車が動かないのではないか心配です。
武蔵小杉の被害マンションの現在の状況と、タワーマンションの浸水被害についてお伝えします。
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武蔵小杉の浸水タワーマンションの今
10月の台風19号による浸水で、武蔵小杉にある11棟のマンションのうち、2棟が停電や断水となり、住民の方々が負担の大きな生活を強いられています。
そのうち、1棟のマンションは、停電は解消したものの、いまだに水が飲めない状態であることをダイヤモンド誌が直近のインタビューで伝えています。
住民には緘口令
もっとも、このタワーマンション、パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワーの管理側は、住民には「マスコミに話さないように」と緘口令を敷いているらしく、取材の情報源は、タワーマンションの部屋を借りたいとする内見の希望者でした。
浸水マンションの内見者
そもそも、こんな時に部屋を借りる人がいるのかといぶかしく思われますが、そうではないのです。
被害が伝わったのち、家賃が安くなっているのではないかと、すぐに電話をしたにもかかわらず、希望者は先着がいて2人目だったというのですから驚きです。
事故物件ならぬ、災害被害マンションを探すというのも新手のテクニックなのかもしれません。
ただし、部屋を借りる場合の賃料などは大きな値下がりはないようです。
続きは一つ前の記事に
武蔵小杉浸水タワーマンションその後 賃貸の人気も賃料も変わらず
地下駐車場への浸水が大きな問題
一方、マンション自体の浸水と共に、断水や停電以上にさらに大きな問題があり、それが駐車場と、そこにある車の被害だということがわかりました。
タワーマンションに浸水をした場合はもちろん部屋は無傷であり、浸水をするのは、主に1階から下の地下の部分です。
立体駐車場が故障か
そして、地下には電気室があり、その電気系統が水に漬かってしまったので、停電となったわけですが、マンションの地下には同様に駐車場、特に電気と機械を使う立体駐車場があります。
そして、この駐車場の方は、いまだに使えていないそうなのです。
駐車場の復旧は1年先とも
いつまでかという期限については、3か月先とも1年先ともめどが立っていない状態であるようです。
平面駐車場の方は問題なく使えるわけですが、「公平にするため」全部の駐車場を使用禁止としているそうです。
使える方があるなら、使った方がいいような気もしますが、なぜ「公平」なのかという理由は、駐車場の使用料金にありました。
駐車場の使用料は継続
このマンションの場合、駐車場の使用料金は1万8千円ということでした。
タワマンの部屋を賃貸として借りている借主に関しては、今回のような災害で駐車場が使えないとなった場合は、駐車場の使用料金1万8千円は返却されるということです。
しかし、マンションを購入して住んでいる住民の人については、この1万8千円の駐車料金は、駐車場が使えない間も徴収されるということなのです。
これは相当大変な話です。しかもそれが1年もの間続くとなったら、支払いに納得できない人が出てはこないでしょうか。
浸水した車は動かない可能性も
そしてもう一つの問題は、浸水した車は動かない可能性が高いということです。
今回の台風被害では、河川の氾濫で広範囲に浸水をした地域がありましたが、その場合は、売却はどうも難しく、処分とするしかないと報道されました。
一部の中古車屋さんが、海外輸出のつてがあるということで、有料で買取するということで感謝されていましたが、料金はともかくとして、地下駐車場の場合は、利用していた人が所有する全部の車が水に浸ってしまったのではないでしょうか。
当該マンションは、47階建て、戸数は600を超えるので、車の数も相当数あると思われますので、被害程度は大変なものです。
ただし、水害の場合は車両保険が使えるとのことです。
エンジンまで浸かるなどで、修理不能となった場合や、修理代が保険金額を超えた場合は、全損となります。
その場合、免責金額は引かれず、設定した保険金額が支払われます。さらに、車両全損時臨時費用として、保険金額の10%(上限20万円)も支払われます。--ソニー損保サイトより
https://www.sonysonpo.co.jp/auto/guide/agde063.html
車が動くかの確認ができない
そればかりか、そもそも立体駐車場の機械が動かせない状態なので、自分の車がどうなっているのかも確認でできないというのですから、聞いただけでも気が重い話です。
もし、車が水に漬かってしまっている場合は、そのまま車が動かせず業者に運んでもらって廃車にするほかなくなるかもしれません。
チューリッヒ保険では、
冠水・浸水してしまった車は、外見上問題がなさそうでも、エンジンのウォーターハンマーや電気系統のショートによる出火や爆発など車両火災の危険があります。
として、自分でエンジンをかけないように、注意点を掲載していますので、参考にされてください。
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-flooded-car/
タワマン地下駐車場の車の浸水の責任は?
もし、タワーマンションへの浸水が原因で、車がそのまま動かせなくなってしまっていたとしても、その責任は誰にあるのか。
問いたい気持ちにはなっても、やはりその場合の責は管理会社にあるともマンション販売会社にあるとも言えないようです。
戸建ての場合は、駐車場や車の管理責任は当然建て主にあることになりますので、それはタワーマンションといえども変わりません。
もちろん、今回の台風では、タワーマンションだけではなく、戸建てにおいても、家屋も車も両方被害に遭ったという方も多くおられるわけですが、タワーマンションで水害、それも、車が水に漬かってしまったというのは、住民の方にとっては文字通り”寝耳に水”ではないでしょうか。
もしこのような事態が察知できていたら、地下駐車場の管理や設備はもっと厳重なものとなっていたでしょう。
今後の対策としても、駐車場の浸水対策がすぐには取れない場合、武蔵小杉で浸水被害の予想される場所においては、車は高台の駐車場に借りるなどした方が確実かもしれません。
完全な復旧はまだ先
いずれにしても、浸水被害に遭ったタワーマンションの完全な復旧にはまだまだ日数がかかるようです。
いくら、需要は衰えてはいないとはいっても、当の住民の方にとってみれば、車も使うに使えない状態では、マスコミに口が重くなるのは当然のことかもしれません。
ただし、戸建ての浸水と同様、被害に遭われた住民の方はお気の毒であるばかりです。
前の記事でお伝えしたように、国もマンションの災害予防対策の指針の策定に動きます。
間違っても中傷のネタになどされませんように。早い復旧をお祈りしています。
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