投資目的で買った中古マンションの銀行融資を受ける際に、低金利で利用するために「居住用」と偽った疑いが住信SBIネット銀行の事例で見つかったというニュースです。
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住信SBIネット銀行 住宅ローンで不動産投資の不正
個人が中古マンションを投資目的で買ったのに、銀行融資を受ける際に「居住用」と偽り、低金利の住宅ローンを引き出した疑いのある事例が大手ネット銀行の住信SBIネット銀行(東京)で見つかりました。
融資資料が改ざんされていた疑いもあり、銀行が調査を進めているところです。
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行とネット証券などを傘下に持つ金融業SBIホールディングスの合弁会社だといことです。
「居住用」のはずが投資目的の中古マンション購入
住信SBIネット銀で昨秋、住宅ローンを延滞した顧客を調べたところ、融資申請時は居住用としていたのに、実際は投資目的で中古マンションを購入していた疑いが浮上しました。
居住用の住宅ローンの金利が投資用ローンより低いことに目をつけた不動産業者が、不正を主導した可能性があるといいます。
顧客は不動産業者から「空室でも家賃は支払われる」と勧誘されて投資したが、途中で業者からの家賃支払いが途絶え、ローン返済が苦しくなったため、一連の不正が発覚しました。
融資書類の資料の改ざんも
また、資料の改ざんで年収も水増しした疑いがあることもわかったといいます。
融資の申し込みは、SBIグループのSBIマネープラザが代理店として受け、融資を行ったのは、住信SBIネット銀行です。
同じ不動産業者から複数の案件があり、他にも不正があった可能性もあるとみて、現在他の案件も調査中だということです。
住信SBIネット銀行コメント
住信SBIネット銀行側は
「具体的な回答は控えるが、適正な審査や管理を阻害する事態が生じた場合は調査や是正などの対処をする」
また、代理店のSBIマネープラザは、
「当社の従業員が不正に関与した事実は確認していない」
とコメントしています。
不動産業者の社長コメント
融資を依頼した不動産業者の社長は
「自分は名義を貸しただけで詳しくはわからない。投資目的なのに(本来は居住用の)住宅ローンを引き出すケースはよくあると聞いている。銀行に叱られ、取引停止になった例は他にもあったと思う」
と語っているということです。
「サブリース問題解決センター」でも相談例
NPO法人運営の「サブリース問題解決センター」によると、一昨年以降、家賃収入を約束され投資物件を住宅ローンで買ったが、家賃が払われなくなるトラブルの相談が複数あったといいます。
借入先は関東地方の複数の地銀で、年収を示す資料は改ざんされていたとも伝わっています。
金利の安い住宅ローンが利用された
日本銀行の金融緩和による超低金利時代、不動産投資ももちろん、住宅利用のローンも増加しています。
住宅ローンは不動産投資向けの融資よりも、金利は低く設定されます。元々が、収入を基準に返済額を決めるため、より安定した返済が見込まれるためです。
ここに投資用物件が含まれるとなると、銀行側は、低金利でリスクが高い融資をしたことになってしまいます。場合によっては、他の銀行も「住宅ローン」で、同様の被害が出ていないか調査の必要が出てくるかもしれません。