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突っ込み私道に4軒が面しても担保価値がないのは2軒だけの条件の違い

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長年住んでいた実家の土地を相続して初めて、接道していたのが私道であると判明しました。このままでは売るに売れません。

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一本の私道に4軒が接道

問題の実家のある私道の見取り図です。

団地の大きな道路、公道から逆T字型に入る道路、いわゆる突っ込み私道と呼ばれる道路、このグレー部分が団地を造成し分譲主となったS建設会社が所有している部分です。

私道の突き当りと周囲に4軒の家が面しています。私の実家は赤い建屋で示しているところです。

条件の微妙な違い

Aさん宅は私道の突き当りに位置し、この私道を通らなければ敷地に入ることはできません。

私の実家も同様です。接道、この敷地に接する道路はこの一本です。
このような土地はそれぞれ袋地、旗竿地と呼ばれます。

一方、Bさん宅とCさん宅はいわゆる角地であり、敷地の2つの辺が私道とそれから公道の両方にそれぞれ面しています。
両家とも入口の門は青い線で示した部分に置かれていますが、公道側と私道側と両方からの出入りが可能です。

 

担保価値がないのは私道のみ

このような場合、銀行がローンを貸せない、いわゆる担保価値がないとみなされるのは、その道路を通らないと自分の敷地内に入れない、A宅と実家のみです。

Bさん宅とCさん宅は公道にも面しているので、そちらの道路のみを通行することもできますので、通行に関しては問題はありません。

つまり、家に入るのに私道一本のみというのが、まずいわけです。

その道路を通らないと敷地に入れないA宅と実家は、もし、道路の土地の持ち主であるS建設が「私の敷地を通るな」と言った場合は、そこを通ることができなくなります。

どこからも敷地に入れないのであれば宅地としての用をなさない、上記のような想定で、土地の価値が判断されるということになるようです。

なので、私道の権利の持ち分がないと、売却はきわめて難しくなります。

 

私道の持ち主は4軒まとめてというが

Bさん宅とCさん宅は、通行できる道路が別にあるため、掘削権は別としても、もし家を建て替える、あるいは土地を売却するときになっても支障はありません。

しかし、もし実家とAさん宅だけが私道の権利を持ったとして、われわれが意地悪だっとすると、「うちとAさんとがお金を出して買ったものだけなので、我々だけが使用したい。BさんとCさんは通らないでほしい」と言ったとします。

今の状態では、実際、両家の門は私道の側にあり、そこを通らないでは生活できないので、大きなトラブルが予想されます。

私としては、うちの実家だけが権利を手に入れたとしてそれでも十分なわけですが、あとからBさんも譲ってほしいと言い、Cさんも買いたいと言い出すかもしれません。
なので、私道の持ち主のS建設はバラバラに何度もせずに、一度で登記他の手続きを終了したいため、4軒一緒にという条件で私道の権利を譲る、と言ったわけです。

それで、私の方は、せっかくS建設に勇をふるって私道を譲ってくれるように持ち掛けたものの、その条件には頭を抱えてしまいました。

実際、そのあとに私の話を聞いた地元の不動産屋が別件としてで話を勧めようとしましたが、Aさんは話を進めてほしいと言ったものの、公道に面する他の2軒は、返事を渋ったということで、基本的には現在は何の問題もないため、不動産屋もそれ以上は勧めようがないようでした。

販売したS建設には責任はない?

最初に聞きに行った際市役所の方では、それは個人で弁護士などに相談してくれということだったので、道路一本のみが私道のままというのは、通常はあり得ないことだと思います。

とにかく40年近く前のことなので、販売の際に私道の説明がなかったという証明ができない。相談に行った市役所では、そこが私道だから安く譲ってもらったのではないかと言われる始末でした。うちばかりでなく、他の家も誰も知らないままなのです。

あるいはその辺りを4軒で共同で弁護士を立てて、交渉する方法もあったかもしれませんが、私の方はとにかく土地を売却するためだけの要件なので、時間をかけられません。
自分の持ち分のみがあれば良いことだったので、頭の痛いことでした。

市に移管を願い出るが

市役所に相談に行ったとき、団地の住民4軒で使っているものなので、将来的に市の道路となることはないか、と尋ねましたら、土中に埋まっている水道管他の内径が市の使っているものと違う可能性が高い、その場合は移管は無理だとの返答でした。

私道と宅地の位置がなぜこのような形状になったのかはわかりませんが、向こう側には抜けられないので、いわゆる造成のためにのみ必要だった建設道路と言われるものとも違うように思います。

団地の中には他にこのような細い道路はなく、見取り図上部は山林の傾斜でここが団地の端なので、おそらく宅地が足せそうだということで、最初の計画にはなかった道路と宅地を後から足したのではないかと思います。

宅地はまだ分譲中で、いずれは私道の権利の分割が想定できたでしょうが、とりあえずS建設のものとして登記したのかもしれません。

売却時の苦労

私道の問題は売却に際した最も大きな困難でした。

あとから思うに、傾斜地に立つ団地の東側の突端でありましたので、土地を購入した当初は山林の木も伸びておらず、海が一望できてたいへん眺めがよかったのです。気に入って父がその土地を購入したのだと思います。

子どもの頃に住んでいた時は、なんとも思いませんでしたが、今では窓から見える海上をゆっくり進んでいく船や、海に沿って星屑のようにきらめく夜の街の灯りを思い出します。

もし、私が今でもそこに住んでいたとしたら、その道路を囲む他の3軒と同じように、あるいは何の問題も感じなかったかもしれません。

少なくとも、今の売却の苦労はなく、親の土地をもらってありがたく住んでいたと思います。

相続の前に持分の取得を

今後相続を予定している土地に接する道路が、公道ではない場合は、相続が発生する前に、必ず権利の確認を行ってください。

もし持ち分なしの私道であった場合は、速やかに権利を買い取るように手続きを開始しましょう。

所有者を特定したり、権利を買う交渉、場合によっては隣近所との交渉、それから登記を含めて、いずれもが相当日にちがかかります。

できるだけ相続に間に合わせるようにした方が、後の苦労が少なくて済むでしょう。

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