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スルガ銀中間決算 赤字985億円 岡野会長の流用分回収できず

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スマートデイズ社運営の女性専用シェアハウスの不正融資問題で、金融庁に一部融資の業務停止の行政処分が下されたスルガ銀行が9月中間決算を発表し、純損失が985億円という数字が出ました。

また、返却を予定していた岡野会長とその関連企業への融資の回収ができないということも判明しました。朝日新聞の報道を元にお伝えします。

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スルガ銀、17年ぶり985億円の赤字

シェアハウス融資で多数の不正があったスルガ銀行が14日、2018年9月中間決算を発表し、純損失が985億円と発表しました。前年同期は211億円の純利益から大幅な赤字に転落したこととなります。中間決算で純損失となるのは2001年以来17年ぶりです。

不動産融資のほか創業家のファミリー企業への不適切融資も焦げ付く懸念が高まり、引当金を大幅に積み増ししたほか、金融と湯の業務停止もあり、新たな融資もほとんどできていない状態です。19年3月期の通期見通しも975億円赤字の見通しです。

赤字の要因は貸し倒れ引当金

大幅赤字に転落したのは、不正を重ねて増やしたシェアハウス融資が焦げ付く懸念が高まり、多額の貸し倒れ引当金のためです。

 解説

「貸し倒れ引当金」とは、債権が回収できない「貸し倒れ」のリスクを想定して、回収が危ぶまれる金額を見積もり、発生する可能性が高い費用や損失を前もって計上したもの。

内訳と内容

総与信残高は2537億円。このうち返済に問題がない「正常債権」は634億円(約25%)、融資先が事実上破綻(はたん)している「破産更生債権等」は318億円、3カ月以上返済が滞った「延滞率」は30・13%。

総残高の2537憶円のうち、1903億円は今後何らかの問題があるとみられています。そのため、貸し倒れ引当金を大幅に積み増し、実質与信費用は総計1196億円と、前年同期の32億円の40倍近く。シェアハウス関連は947億円にのぼります。

 解説

銀行が通常使う「与信残高」の意味は、(1)貸出金(借り主に貸した金額)の残高、(2)保証(客の依頼で銀行が支払保証した金額)の残高の合計金額をいう。

スルガ銀行の自己資本率

大幅赤字により、自己資本比率(単体)は8・65%。国内で営業する銀行に求められる4%以上は確保したが、前年度の12・70%から4・05ポイントも低下し、財務は急速に悪化しています。

 

岡野会長ファミリー企業からの回収は困難

岡野光喜前会長ら創業家のファミリー企業への不適切融資についても134億円の与信費用を計上。焦げ付きの懸念があるということで、返却と回収がスムーズにいかないということでしょう。全額回収が難しいと思われます。

岡野光喜会長の流用は69億、岡野家の関連企業への融資が488億、これらは返却される予定と言われていました。

有国三知男社長コメント

「かなり保守的に見積もった。(シェアハウス関連は)ほぼフル保全だ。影響はかなり限定的ではないか」

シェアハウスだけならともかく、シェアハウス以外の中古1棟マンション向け融資などでも不正が指摘された点が懸念されます。

先週始めたという、不正の全件調査の結果次第では、引当金はさらに増えるのではないかと朝日新聞は加えています。

スルガ銀行の今後

金融庁の森前長官に称賛されたスルガスキームは、不動産の個人ローンに特化したものでしたが、不正発覚で顧客の信用を失った今、同様の個人ローンを拡大していくのは難しいでしょう。

他の金融機関などとの提携の話が上りましたが、有国社長が「今お話できることは一切ない」という通り、申し出等も今はなさそうです。今後の事業モデルは今月末の業務改善計画に述べられるとのことです。

以上、朝日新聞の報道を元に、スルガ銀行の中間決算の結果をお伝えしました。

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