10月26日の基準地価集計結果を受けて、週刊東洋経済誌が、地価上昇自治体トップ100、地価下落ワースト100をそれぞれ集計しています。どこの町が、地価が最も上がったのでしょうか。
スポンサーリンク
トップ10のうち6区町が政令指定都市
集計の方法は、住宅地、商業地それぞれに分けられ、前年度との比較をもって、「上昇率」としたものです。
トップ10位までのうち、6区町が政令指定都市でした。
関連記事:
基準地価上昇1位は西日暮里 荒川区が上位3位を独占 都内は3.7%上昇
地価上昇集計のポイント
ポイントをまとめると、次のようになります。
全国平均地価は30年前の半分以下
1988年の30万9700円に比べると、2018年に13万6800円。半分に満たないことになってしまったということなのですから、いかに地価が下がっているかがわかります。
ほとんどの市区町村で基準地価が下落
地価が上昇するような要因がある限られたエリアが上がることはあっても、土地の値段は下がっていて、上がることはないのです。
地価が上がったのは1507市区町村のうち116町
2018年と地価が比較可能な1507市区町村のうち、平均地価が上がったのは116市区町村ということなので、上がったはわずか7%です。
一昔前ならば、土地を売ろうとしたときには、買った値段の倍になっていても普通でした。今は上がるところの方が稀です。地価が上昇するような要因、開発が進んだとか、急に需要が増したとかいったところだけということです。
地価上昇率トップ10
1位 北海道虻田郡倶知安町 上昇率35.50%
2位 石川県能美郡川北町 25.13%
3位 長崎県東彼杵郡川棚町 18.99%
4日 京都府京都市下京区 18.88%
5位 京都府京都市東山区 18.85%
6位 北海道札幌市北区 18.83%
7位 秋治験名古屋市中区 18.79%
8位 北海道札幌市中区 18.10%
9位 京都府京都市中京区 17.80%
10位 福岡県糟屋郡志免町 17.45%
最も平均地価が上がったのは、北海道の西部、札幌から車で2時間ほどに位置する虻田郡倶知安町(あぶたぐん・くっちゃんちょう)というところです。
観光地として有名な「ニセコエリア」の一部。近年は、外国人観光客のリゾート需要などから地価が上昇傾向といいます。住宅地は30.2%、商業地は45.2%、合算では35.5%の上昇です。
しかし、北海道は、このように観光需要があるところをのぞいて、逆に地価下落率のワースト100の中に入るのは、ほとんど北海道です。中でも夕張市の財政破綻は深刻な問題です。
関連記事:
自治体が破綻したらどうなる?第二第三の夕張市を防げ!消滅可能性都市はどこ?
関東地方の地価上昇した町は
50位以内に関東地方で、地価上昇した町があるかというと、驚いたことに、人気のない県の47位、つまり、最下位である茨城県が10位以下50位までの間に、5市入っています。
茨城県で5市がランクインの不思議
11位 茨城県稲敷郡阿見町(16.67%)
14位 同県つくばみらい市(15.87)
19位 同県東茨城郡大洗町(14.17)
24位 同県かすみがうら市
25位 同県猿島郡五霞町
もともと人気の高いつくばを除いては、かなり意外なところです。というのも、50位までの間で関東地方でランクインしているところは、他に26位の千葉県袖ケ浦市、神奈川県横浜市西区しかないからです。
東京都内はというと、100位までには23区の主要な区はほとんど入っており、他に上位で目につくのは、福岡と大阪など西日本が多いです。(https://toyokeizai.net/articles/-/246440)
地価上昇の集計を見終えて
地価が下がっているのは、今では当たり前のことなのですが、こうやって数字で見ると、より危機感が増します。
これからは、土地を買っても値上がりは見込めません。値上がりをする土地を買いたいという時には、最初からそれを射程に入れた土地選びをする必要があるでしょう。