18日に国土交通省の基準地価が発表されました。27年ぶりの上昇となり、上昇幅がもっとも大きかったのは、西日暮里でした。
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基準地価とは
基準地価とは、各都道府県の調査を基にして9月下旬に公表される地価指標の一つです。
正式名称は「都道府県基準地標準価格」といい、7月1日時点の土地価格の調査を基にしています。
国土交通省が公表する公示地価と同様な公的な指標です。 地価の適正な価格を知る目安となり、また地価の動向を把握するために重要なものです。
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日本全国では27年ぶりに0・1%上昇
住宅地、商業地、工業地などを合わせた全用途の全国平均が前年比0・1%の上昇となりました。
わずかなようですが、前年度が0・3%の下落であり、1991年からずっと下降でしたので、大きな変化です。
ただし、地方の基準地価については、やはり一部の観光地を除いて、下落が続いているのは残念なことです。
都内での上昇第1位は西日暮里
地方はともかく、大都市の伸びが大きく、都内は3.7%の上昇となりました。
住宅地では荒川区が上昇率上位3を独占し、そのうちもっとも基準地価上昇が高かったのは荒川区西日暮里です。
「荒川区西日暮里4-19-9」の1平方メートルあたりの価格は、去年よりも10・1%上昇し57万7千円となったと公表されています。
荒川区上昇の理由は
「割安感に加え、商業施設や公共交通機関の充実など実質的な利便性をとる人が増えている」と都の担当者が説明をしていますが、おそらく地価上昇の大きな理由は、マンション用地としての価値だと思われます。
これまで上昇率上位は都心5区やその西側エリアでした。ここ最近、地価と建築資材の高騰や建設作業員の人手不足などからマンション価格が高騰。
地価が安い荒川・文京・足立区だと販売価格が抑えられるため、荒川区周辺の東側エリアへ需要が移っていることが大きな要因と言われています。
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荒川区とはどんなところ?
・人口は、約215000人。
・韓国人などアジア系外国人が多い。
・タワマンが林立する地域と、風情が残る下町とが共存
・治安は都内23区中10位
・西日暮里駅から東京駅までは13分、新宿までは19分、渋谷駅までは約25分。利便性が極めて良い
・ショッピングモールなどの施設も充実
・家賃相場は都心に比較して低め
気になる東京五輪後の地価の動向は?
東京都心では東京五輪が開かれる2020年にかけて、オフィスビルなどの大量供給が予定されています。
また、オリンピックに向けて、選手の宿舎なども建設され、五輪終了後には販売されることになっており、いずれにしても、「供給過剰の恐れあり」と言われています。
つまり、国土交通省は一部の地価上昇の動きを、「実需に支えられている」と説明しているといいますが、そうではなく「新たなバブル」なのではないか。
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消費増税で反動減
来年10月には消費増税もあり、その前に住宅を買おうと、「駆け込み需要」が一時的に増し、その反動で売買が減ることも予想されています。
専門家の予想では、その前の消費増税の時ほどの需要増はないとも言われていますが、ある程度の増減もありそうです。
地方に恩恵はない
また、20年ぶり上昇とはいっても、最大の要因は、都内の土地バブル、そして、外国人観光客が増えていることだと言われる通り、一部の恵まれた都市を除いて、地方においては厳しい状況は変わりません。
上昇にそれほど影響もない代わりに、五輪後の下落に関しては、どうもその余波が地方にまで伝わってきそうなのが心配なところです。
いずれにしても、地方で相続を控えている人は準備を怠りなく、地価の高いうちの売却を引き続きおすすめします。