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埼玉県深谷市が市有地を無償譲渡 解体費込み795万のマイナス価格 自治体初

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埼玉県深谷市が小学校のある市の土地を、入札によりマイナス795万円で、売却が決まったことを発表しました。

ゼロ円ハウスどころか、ついに、マイナス価格での土地の売買が始まったのかという驚きです。

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解体費込みマイナス795万円で売却

埼玉県深谷市は26日、廃校となった小学校の体育館と敷地について、入札によりマイナス795万円で売却することになったと発表しました。落札者側で体育館を解体することが条件です。

マイナス価格で入札が成立し、自治体が資産を手放すのは全国で初めてだといいます。

売り出し価格は1782万円だったが

埼玉県深谷市は、埼玉県北部にある人口約14万3千人の市。人口は入間市に次ぐ県内14位の町です。

その深谷市は、旧中瀬小学校の体育館が残る同市中瀬の市有地(約1506平方メートル)について、体育館の解体を条件に売却に出したと言います。小学校は2010年に閉鎖、体育館は築40年、閉鎖後は地域の施設として利用されていました。

深谷市は、2015年と17年に、体育館の利用を条件に土地とともに売却する入札を、予定価格1782万1000円で2回行いましたが、2回とも参加がなく売れないままになって残ってしまいました。

そこで、対策を講じて、体育館を落札者が解体する条件を付け、解体費の負担を考慮して予定価格をマイナス1340万6千円(市が支払う最高額)として、再度入札を行うことにしたところ、買い手があって、マイナス795万円で落札したということになります。

体育館の解体費用というのが、いくら位なのかが見当がつかないのですが、新聞によると「民間への無償譲渡」と同じことになるようです。要はマイナス分は解体費ということなので、ほぼ無料での譲り渡しということになるらしいです。

売却ではなく、異例の措置なので正式契約には、このあと地方自治法に基づく市議会の議決が必要となるといいます。

 

マイナス価格で譲渡の市側のメリットは?

無料で譲ってしまったとしたら、市の方には売却の代金は入らないことになりますが、そうまでして、土地を売るメリットはあるのでしょうか。

簡単に言うと、一般の売り手ではなくて、市なので、そこを住宅地にすると6戸分の土地ができる。

そうなると、そこの固定資産税が市側に支払われることになります。

それが10年間に、固定資産税と住民税で計約1700万円の税収となるということで、売却後にそれだけの収入が見込めるということで、市長は「使わない施設の売却が1年早ければその分、固定資産税も増えるので、入札を進めたい」としていました。

マイナス価格で土地を売る時代に

このニュースを見ていますと、ああ、やはりそこまで来てしまったのだなあと思います。

所有者が市なので、土地を持っていたとしても、逆に固定資産税は取られない。ならばそのまま寝かせておいてもいいではないかと思われそうですが、そうではない。

既に小学校は廃校となっており、誰にも利用されない土地を持っているということは、税収がない。ただ、持っているだけではマイナスになるということなのです。

他にも、広い土地なので、木があればその伐採費用、他にも除草費用がかかってきます。

しかも、市の場合は、人口が減って他の土地の固定資産税が徴収できないところも出てきているのでしょう。そうなると、市側も余っている土地があれば、できるだけ土地活用をしたい。そのように迫られてのマイナス価格の選択と思われます。

一般の空き家も持っているだけで費用が掛かる

同じことは、一般の空き家にも十分いえることです。持っているだけでも費用が掛かる。

そのままにしておけばいいというのは、保持ではなくて、放置に近い。放っておけばますます土地は売れなくなってしまいます。

地方においては無償譲渡でもむしろありがたいところ。下手をすると、引き取り費用を支払って「マイナス価格」で土地を売ることになりかねません。もちろん、その場合深谷市のように、税収によるバックはありません。

それでも、この先ずっとマイナスになり続けるのなら、その方がいいのです。年が変わる時期、余っている土地があるのなら、売れなくなる前に決断をおすすめします。

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