マンション建て替えと解体の問題、2022年には築30年を超えるマンションが急激に増加、20年後には350万戸になるといわれます。
マンションの建て替えと解体に伴って問題になるのは住民の同意が取れないこと、それと、住民の居所がわからないということなどがあります。
そもそも、年数はどのくらいで修繕や建て替えとなるのか、住民の決議や同意について、マンションの建て替えと解体それぞれについてお伝えします。
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マンションの建て替えと解体が増加
新しいタワーマンションも次々に建築されており、新築の家で生活を始めようとする人たちは喜びにあふれており、最新設備を備えたマンションの建物自体も魅力的に見えます。
一方で、これまでのマンションはどうなるのかというと、築40年超のマンションが20年後には350万戸になるということが調査で分かっています。
40年を過ぎれば、建て替えか売却を考えてもいいときです。戸建てなら、それぞれの所有者が、解体なり建て替えなりすればいいのですが、マンションにも戸建て同様に”最後”があるはずです。
しかし、マンションの場合には、一人の持ち物ではありません。建て替えとなったら、他の人の同意が必要になります。
これが、共同の住まいであるマンションが老朽化した際の最大の難点となっているのです。
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マンション建て替えと解体 共通の問題点
マンションの建て替え、解体に共通の問題点は、住民同士の同意を取るということです。
その際に、単純に意見が割れて同意が取れないということ以上に困るのが、住人に連絡が取れないという点です。
マンションにも所有者不明
マンションの場合も、戸建てと同様、所有者不明という場合が多くあります。戸数が多ければ多いほど、誰も住んでいない部屋があり、連絡がつかないということが必ず起こります。
NHKのテレビ番組、「クローズアップ現代」では、マンションの所有者オーナーが建て替えを考えたら、部屋のいくつかの所有者に連絡がつかない。調べたら、住所が中国だったというケースがありました。
万が一、このような場合は、どうなるのでしょうか。
解体と建て替えの住民の合意
そもそも、マンション解体の目的は、建て替えか、更地にして売却するかのどちらかですが、それぞれの条件は以下の通りになっています。
建て替え | 所有者の5分の4以上の同意が必要 |
解体して土地の売却 | 所有者全員の合意が必要 |
更地にして売却をするという場合には、必ず住民全体の合意が必要です。
行方不明者がいるような場合は、いくら手放したくても、できないということになってしまうのです。
行方不明者を探し出せない場合には、マンションの解体も建て替えもそこでストップすることになってしまいます。
所有者不明、これがマンションが廃墟化する前の一番の問題点です。
負動産化するマンション
マンションのリスクというのは、老朽化後に空室が増えたところから生じます。
修繕積立金などが不足すれば、壊すに壊せません。その分の一時金を払うということになれば、費用が捻出できない人もおり、全員が同意できるとは限りません。
老朽化したままだと、資産価値が下がり、さらに空室が増えます。しかし、解体や売却には、必ずしも合意が得られるとは限りません。
このマンションの場合には、部屋数は30部屋でしたが、これ以上の規模のマンションだと、戸数が増え、人が増えれば様々な意向が生じそうです。
今のままでは老朽化したマンションは放置されるしかなくなってしまいます。
マンションの最終ゴールは「解体」
住んでいる時には、考えもしないことですが、マンションの最後は「解体」するということを前提に、法律他の取り決めがなされなければなりません。
建て替えだけではなく、解体時も「5分の4の同意」ということにする、また、解体費の積み立てを義務化するなどマンションを廃墟にしない工夫も必要となるでしょう。
また、マンション購入時には、このようなリスクがあるということを念頭に、負動産化しないマンションを選ぶということが何より大切です。
寿命の短い中古マンションを買う時には、老朽化は早く訪れるため、さらに慎重な選択が求められると思います。
また、修繕積立金が安いからと言って、良いとは限りません。無機物である建物も、経年劣化は免れません。
買ってから先20年後、30年後の長いスパンを視野に入れた購入をおすすめします。
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