「成仏不動産」という事故物件だけを扱う不動産屋さんができました。
事故物件というのは、自殺や殺人事件などがあった部屋のことをいいます。
座間市9人連続殺人の部屋が事故物件申告サイトの「大島てる」に掲載されて話題になりましたが、その部屋には今、新しく借りた住民が住んでいるというのです。
事故物件に住むメリットと「成仏不動産」についてお知らせします。
スポンサーリンク
成仏不動産とは?
「成仏不動産」というのはおふざけではありませんで、れっきとした不動産屋さんの名前です。
事故物件専門の不動産屋さんなのですが、そもそも事故物件とは、どのようなものを指すのでしょうか。
事故物件とは
事故物件とは、そもそもどういうものなのかというと、殺人や自殺、孤独死のあった賃貸、または戸建てを差す言葉です。
部屋そのものの建築や仕様に問題や欠陥があるわけではない、しかし、殺人のあった部屋には住みたくない、皆が借りたくないという部屋についてはどうしても価値が下がって今します。
主にそのような心理的な抵抗から価値が下がってしまった物件が事故物件です。その際の、マイナスの付加価値のことが、「心理的瑕疵」と言われるものになります。
事故物件に住むメリット
事故物件はできることなら買いたくない、住みたくないと思うのが普通です。
そのような人が大多数なので、価値が下がっているわけなのです。
しかし、住みたくないという人がいる一方で、事故物件だからこそ住みたい、探したいという人も結構いるようです。
その際の、事故物件に住むメリットというのは何かというと、その一番の理由はやはり、家賃が安いということなのです。
座間市連続殺人のあった部屋
事件のあったばかりの部屋、誰もが、「ああ、あそこは」と知っている部屋、あの連続殺人のあった部屋は今どうなっているのでしょうか。
座間市の連続殺人は、ユニットバス形式でロフトが付いた13.5㎡の部屋。保育園や公園に囲まれた閑静な住宅街にあるごく一般的なアパートの部屋です。
しかし、そのユニットバスでは、元の部屋の所有者である白石被告が9人の遺体を切断。
そして、そのロフトからはいわゆる「首吊り」の形で、殺人が繰り返し行われました。
そして、その後、コンテナのような箱の中に遺体が置かれて、部屋の中に保管されていたはずです。
このような、いわくつきの、まぎれもない事故物件なのですが、この部屋を借りた人は次のように言います。
共益費を含めて、月に1万1000円という家賃の安さにひかれた、ここまで安いアパートは初めてとして喜んで住み始めたといいます。
ちなみに、事故が起こる前の家賃は2万2000円だったそうですので、半額の家賃ということになりますね。
殺人があった部屋を借りた男性は?
部屋を借りた人はどんな人かというと、41歳の独身男性。千葉県から引っ越ししてきたそうです。
友人にはこの部屋を借りたことを話したら驚かれたそうですが、
「僕としては、過去に何があったかよりも、家賃が安いか、騒音が無いかどうかのほうが重要です。その点、今の部屋は静かでとても快適なんです」
と取材に答えています。
豪胆だとかいうより、まったく抵抗も恐れもないわけで、むしろこの方にとっては事故物件は好条件であるわけなのでしょう。
言ってみれば、すごくお得な話でもあります。
しかし、この男性は定収入なのかというと、治験アルバイトをお仕事にされている。その際の収入は、週30万円というのですので、いわゆる低所得者ではありません。
また事件のあった時には、カリフォルニアに行かれていたそうで、詳しいことを聞いていないところがよかったのかもしれませんね。
また、取材の時もヨーロッパから帰ったといっており、様々なところに住むということそれ自体にも、それまでも抵抗が少ない生活をされているということなのでしょう。
ただ、さすがに「部屋のどこで何があったか詳しく調べると気味悪くなりそうなので、あまり調べないようにしています」とのことなので、まったく平気というわけではなさそうです。
事故物件のメリットは安さだが
事故物件そのものにメリットがあるかデメリットがあるかは人それぞれです。
これは他の部屋も同じことで、その部屋の良し悪しを決める基準は、利便性や日当たりなど外部の条件にもありますが、自分で良いと思ったらそれが最大のメリットと言えるでしょう。
「大島てる」事故物件公示サイト
このような事故物件に合わないために、事故物件を投稿形式で地図上に表示できる有名なサイトがあります。
「大島てる」それが、運営者の祖母の名前を取ったというサイト名ですが、一般からの投稿なので、誤情報はあるでしょうが、一つの手がかりとして利用されているようです。
成仏不動産 事故物件専門不動産店
そしてもう一つ、ご紹介したいのは、事故物件だけを集めている不動産サイトというのがあるのです。
その名も「成仏不動産」。もっとも会社名は「MARKS」という横浜市にある普通の不動産会社であるようです。
事故物件というのは、これまで業界内でやり取りされることが多かったのだそうですが、情報をオープンにして利用してもらおうということで、今年の4月1日にオープンしました。
会社の人の説明は下のとおり
「団塊世代が後期高齢者となり、独り身の方も増えて、孤独死は増加するとともに事故物件も増えていく。お困りの売り主さんは少なくない。販売機会を増やすことで、事故物件の価値向上と、孤独死という社会問題に寄与できると考えている」(営業担当者)
現在のところ、事故物件を専門に取り扱うサイトは日本初だそうです。
ざっと見てみたところでは、もちろん、間取図と部屋の条件ですので、何も変わったところはありませんでした。
しかし値段はというと、「自然死による場合は相場の1~2割引き。殺人や自殺などは、売却価格は5~9割減る」とのことで、大変なアウトレット価格となることがわかります。
看護師など、人の死に接する職業の人は気にしないことが多いとのことですので、人によっては大変なお買い得物件といえます。
もちろん、借り手や買い手にとってだけではなく、一番喜べるのは大家さんや売り手の方でしょう。
これまで扱ってくれるところがなかったり低価格で引き取ってもらったりしていたケースが大半で、予期せぬ事故物件となってしまった物件の所有者にとっては、朗報ではないでしょうか。
事故物件を直接買取も
下は、事故物件売買専門の「成仏不動産」。メディアでも取り上げられたのでお耳にした方もおられるかもしれません。
心配せずご相談になってみてください。