老後2000万円問題、年金で不足する分、老後資金が2千万円必要、という金融庁の試算に驚いた人は少なくなかったと思います。
一方、個人に合わせた老後資金の計算が必要だという専門家の意見もあります。。
老後資金とは何か、どう計算するのか。老後の不安を乗り越えられるポイントを「クローズアップ現代」の内容を元にまとめてみました。
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老後2000万円問題の深刻な理由
お金の心配というのは、いつの時でも気が重いものです。今回の老後2000万円問題の深刻なのは、退職後の話であるので、その不安はひとしおです。
高齢になってからでは働けるかどうかがわからないため、万が一資金が足りなくなれば、即、実質的な破産ともなりかねません。
最近の流行語で「老後破産」とか「下流老人」と言われるものです。もはや年金以外に収入がない老後、一度マイナスになってからでは、取り返しが尽かないので、あくまで事前の準備が必要になりますが、一体何からどうしたらいいのか。
クローズアップ現代で、そのような不安を持つ50代女性にファイナンシャルプランナーがアドバイスをする一幕がありました。
老後資金の計算をしてみよう
「老後のことは想像がつかない。機会があったら安心なのかが知りたい」として相談に訪れた50代女性に、家計コンサルタントが提案したのは、定年退職までにためられる老後資金の計算というものでした。
ここでいう「老後」というのは、退職後、年金だけで生活するようになってからのことをいいます。
老後資金の計算は、どれくらいの貯蓄で、その老後の年金生活をスタートできるのかを把握することが目的です。
老後資金とは?50代まだ現役
相談に来たAさんは、夫の収入から1年間に貯められる金額を試算。
夫は現在53歳なので、60歳になるまでが、あと7年あります。
その定年になるまで、引き続きどれだけ貯められるかを計算して、金額をはじき出します。
子どもは一人が大学生、もうひとりが高校生ですから、生活費の他、これからかかる学費をマイナスしたものが、貯められるお金になります。
老後資金の計算例
下の子どもが大学を終えるまでがあと5年間、その間1年間に貯金できるのが、仮に年30万円としますと、150万円が貯金できます。
残りの2年は、年200万円ずつ貯金できるとして、プラス400万円。合わせて550万円が、貯金の金額です。
その金額に、退職金や財産をあわせたものが老後資金です。
退職金が1500万円と試算。財産は持ち家が、3500万円とします。
家は万が一の時には売却できますが、そのまま済みたいために、老後資金は2550万円。
金融庁の、年金の不足分2000万円を補って余りある数字となりました。
日々の支出を見直してみる
家計コンサルタントが、勧めたもう一つは、日々の支出を見直すというもの。
その具体的な方法はレシートチェックというものでした。
レシートチェックで不要なものを除外
このレシートチェックの方法というのは、簡単なものですが、具体的なので、数字がよくわかります。
方法は、その月のレシートを見ながら、本当に必要だった買い物には〇印、なくても困らなかった。買って後悔したものにはx印をつけるというもの。
Aさんの場合、実際に行ってみると、「ホワイトチーズオイル漬け」はx、アールグレイの紅茶には〇という印がつきました。
コンサルタントが、x印の「ホワイトチーズオイル漬け」を買った理由を聞くと、Aさんは
「まだ買ったことがない商品がレジの前にあったので買った」
と回想。
ご自身でもxを付けたところを見ると、必需品ではなかったということなのでしょう。
食費が2割削減できる
このレシートチェック、なんだか行う前から反省ばかりしそうな嫌な予感がしますが、しかしコンサルタントは、不要な買い物をやめることができるとアドバイス。
そして、なんとこの方法で食費が2割削減できるというのです。専門家のいう平均値なので、これは間違いないことのようです。
相談に来たAさんは、
これをベースに考えたらいいのかなという輪郭が得られたので安心した
家計コンサルタントの方は
具体的にどのくらい貯められそうかだいたい皆さん1回も計算したことがないので、聞いただけで驚かれたり、まとまった資金を見て単純に安心されたり。
それをもってきて、初めて老後を想像できるようになります。
老後資金は実際の数字
老後資金というのは特に難しいことではなくて、実際いくらになるのか、ということの計算でいいわけです。
50代の方なら、現役時代にどの位資金が準備できるかがネックでもあるので、下のようなものが老後資金となります。
定年までの貯金できる額+退職金+財産+(自宅など不動産)=老後資金
これだけで、2千万円というのなら、金融庁の試算レベルの生活ができます。
しかし、そうでなかったとしても、がっかりすることはありません。
支出の方を合わせて考えていけばいいので、ここでいう「老後資金」は、そのベースであるということです。
それを元に支出できる金額も決まっていくわけなので、まずは、ご自身で老後資金の計算をするところから始めてみましょう。